グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2010年2月25日

シーズン総括と展望 NT編

3-4ディフェンスの要であるノーズタックルとしてライアン・ピケットが期待以上の頑張りを見せ、DEコンビとともにラン守備NFL1位に貢献した。ドラフト1巡9位指名のB.J.ラジはプレシーズンで負った足首の捻挫が長引き、インパクトを与えるには至らなかった。アンソニー・トリビオはピケットのハムストリング負傷にともない、シーズン終盤にプラクティス・スクワッドから昇格。

もうじき無制限フリーエージェント(UFA)となるピケットとの契約延長交渉が行われているが、「契約がまとまらなければフランチャイズ指名の見通し」との最新情報が流れたばかり。ピケットからラジへとすんなり世代交代出来ない理由は、DEジョニー・ジョリーの裁判の問題による。もしジョリーが出場停止等の処分を受けた場合、ラジをDEで使わなければならいからだ。もしピケットと再契約できれば大きな補強はなさそうだ。

ライアン・ピケット Ryan Pickett | Nose Tackle | Ohio State
6-2 (188cm) | 340lbs (154kg) | 10年目 30歳 | 2006年FA(ラムズで2001年1巡)

3-4のノーズタックルは初体験だったが、きわめてスムーズに適応し、ラン守備1位に大きく貢献した。ライン中央でダブルチームをしっかりと受け止め、後ろのインサイドLBたちがタックルを量産。パスラッシュの突破力はないため、パスシチュエーションではサイドラインに下がる。タックル数を出場スナップで割るとDL陣1位。ハムストリング負傷のためレギュラーシーズン最後の2試合を欠場し、プレーオフでも100%でなかったのは残念だった。

前述のとおりDEジョリーは出場停止のおそれがあるため、ピケットの残留を目指して12月あたりから契約延長交渉が続けられてきた。ここにきて「契約がまとまらなければフランチャイズ指名」という情報が流れたのは、ピケット側に圧力をかけるためのリークではないか。もしフランチャイズ指名されたら、$7.003ミリオン(DTの場合)の1年契約となる。フランチャイズ指名した後も契約延長交渉するかもしれない。

B.J.ラジ B.J. Raji | Nose Tackle | Boston College
6-2 (188cm) | 337lbs (153kg) | 2年目 23歳 | 2009年ドラフト1巡

ボストン・カレッジからドラフト1巡9位指名で入団したが、契約問題でキャンプ合流が2週間遅れ、さらにプレシーズンゲームで足首を捻挫し、その影響がシーズン後半まで残ってしまった。優れたバネを活かして時おり破壊力あるプレーを見せるものの、アサインメントミスなど安定感を欠き、スターターの座を脅かすには程遠かった。ピケットを明らかに上回っているのはパスラッシュ能力で、ラン守備の方はもう少し馬力をつける必要がありそう。

ポジション名表示はノーズタックルだが、じっさいはDEやパスシチュエーションでインサイドからラッシュする仕事が多い。今オフは「コーチ陣が減量を求めている」との一部情報もあり、それが本当ならば、来季も同じ起用法で行くつもりなのかもしれない。DEジョリーが出場停止処分になれば、左DEで即スターターとなるはず。

アンソニー・トリビオ Anthony Toribio | Nose Tackle | Carson-Newman
6-1 (185cm) | 315lbs (143kg) | 2年目 24歳 | 2008年ドラフト外

2008年11月にドルフィンズのプラクティス・スクワッドからパッカーズへ。昨年夏は開幕ロースターに残れなかったものの、実質3番手NTとしてプラクティス・スクワッドに控え、ピケットのハムストリング負傷に伴ってロースター昇格。シーズン最終戦でNFL初出場を果たした。ピケットが残留すれば今年も厳しい戦いになりそうで、ドラフト下位でライバルが入団してくる可能性も。

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