2008 Green Bay Packers Draft Picks | |||||
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Pick | 全体 | Pos. | Name | College | 備考 |
2巡 5位 | 36位 | WR | Jordy Nelson | Kansas State | 身長6フィート3の大型白人WR |
2巡25位 | 56位 | QB | Brian Brohm | Louisville | 1巡予想も多かったが2巡下位まで残った |
2巡29位 | 60位 | CB | Patrick Lee | Auburn | サイズのあるフィジカルなCB |
3巡28位 | 91位 | TE | Jermichael Finley | Texas | 身体能力高い荒削りなレシービングTE |
4巡3位 | 102位 | DE | Jeremy Thompson | Wake Forest | 長身でスリムな万能タイプDE |
4巡36位 | 135位 | OG | Josh Sitton | Central Florida | 大学ではRTだがガードの予定 |
5巡15位 | 150位 | OT | Breno Giacomini | Louisville | 長身右タックル ブロームの同僚 |
7巡 2位 | 209位 | QB | Matt Flynn | Louisiana State | 2人目のQB指名 |
7巡10位 | 217位 | WR | Brett Swain | San Diego State | またWR指名 |
経歴 : カンザス州ライリー出身。高校時代はQBとしてオールステートに選ばれ、バスケ(地区の最優秀選手)や陸上(100m・200m・400mと走り幅跳びで州大会優勝)でも大活躍。しかしパスで1029yds・8TD、ランで1572yds・25TD(ぜんぶ彼の成績)というラン主体のオフェンスのため、フットボールではディビジョンIの大学から奨学金のオファーがなく、ウォークオン(奨学金なし)で地元のカンザス州立大へ。
レッドシャツを経た大学1年目はSSとして出場ゼロ。2年目の2005年、WR不足のチーム事情からWRに転向すると、大学初出場の試合から7戦連続でタッチダウンを挙げる大活躍。全試合に先発して669yds・8TDを挙げ、ビッグ12カンファレンスのセカンドチームに選出された。翌2006年はヒザのケガに苦しんで成績を下げたが、4年目の昨季はカンファレンス記録の122キャッチ1606yds・11TDを挙げる大ブレーク。1試合平均10.17キャッチ、133.83ydsはどちらも全米2位の記録だった。ビッグ12のファーストチームに加えてオールアメリカンにも選出され、ドラフト上位指名候補に躍り出た。
Strengths : 191cmの大型レシーバーで、サイズのわりにはスピードやクイックネスに恵まれている万能タイプ。バランスがよくボディコントロールに優れる。本番に強く、タフで勝負強いキャッチを見せる。キレがよく安定したルート取りで、CBをうまく外してキャッチするセンスもいい。アクロス・ザ・ミドルの密集の中で難しい球をキャッチでき、優れたビジョンを活かした巧みなランアフターキャッチでロングゲインに変える。武器の少ないオフェンスの中で常に相手チームから徹底マークされながら、毎週安定した成績を残している。
パントリターナー(大学通算6回だけ)としても、何度もビッグリターンを繰り出して平均44.5yds・2TDととんでもない数字を残している。高校時代にQBをプレーしていたせいか、トリックプレーからのパスも6回投げて2TDを決めている。アスレチック能力はジェニングスとジェームズ・ジョーンズの中間かあたりで、ルヴェル・マーティンやコーレン・ロビンソン(すでに解雇)よりかなり速い。
Weakness : トップクラスの身体能力はなく、フィールドをストレッチしたり相手CBが警戒して大きなクッションを置くようなスピードには欠ける。スクリメージでのジャムに負けぬよう、手の使い方などテクニックに向上の余地あり。身長のわりに上半身の線がまだ細いので、バルクアップが必要。しかし、「今年ドラフトされたWRの中で最も欠点の少ない選手」と指摘するスカウトも。
メンタル面 : 人格的にすぐれたナイスガイで、精神面は文句のつけようがない。ワンダーリックテスト28点はWRとしては非常に高く、かなり頭のよい選手。SSからWRに転向してすぐに結果を出しているのは、彼のハードワーカーぶりとフットボール頭のよさを示しているのだろう。3年時はヒザのケガにも悩まされたが全試合に出場し、スペシャルチームでも頑張っている。
指名の経緯 : WRはパッカーズで最も層の厚いポジションだけに、2巡指名にはファンだけでなく選手の中からも驚きの声が挙がった。「我々は常に向上を目指している。このポジションはもう十分だから、優秀な選手が残っていても獲らない、ということは決してないのだ。このユニットは優秀だと思っていても、何人かケガ人が出ればダメになってしまう。特に最近のマイク(マッカーシーHC)たちは、5WRなどスプレッド隊形を好んで使っている」とトンプソンGM。指名後に"Packers Draft Party"会場に顔を見せると、今年もファンからのブーイングを浴びた。
WRネルソンに注目した経緯についてトンプソンGM。「彼の対戦相手を見るために、12月にはずいぶん彼のプレーを見る結果になり、そのたびに『この27番は誰だ?』と私は驚いてばかりいた。見れば見るほど彼を認めざるをえなくなった。あら探しをしようとしてもね。それに昨秋彼を見たスカウトたちが、みな熱烈に推薦し続けたので、我々としても真剣に検討を続けてきた」
パッカーズにとって : ショートからミドルレンジが得意でランアフターキャッチに優れる、ウェストコーストオフェンスにぴったりのタイプ。大型の白人レシーバーだからといって決してポゼッション型ではなく、むしろジェリー・ライスのようなオールラウンド型とパッカーズ側は評価しているようだ。サイズを活かしてスペシャルチームでの活躍も期待されている。
先日のルーキー・ミニキャンプでは、何ごとにも口うるさいことで知られるジミー・ロビンソンWRコーチがネルソンのプレーにだけには口を出さなかった、というエピソードからも完成度の高さがうかがえる。WRがだぶついたためコーレン・ロビンソンをすでに解雇し、現状ではネルソンが4番手あたり(ルヴェル・マーティンが5番手)。評判どおりであれば、3番手のジェームズ・ジョーンズをプッシュできるかもしれない。将来的にはジェニングス、ジョーンズとネルソンの3人でパッカーズのWR陣を担っていってほしいところ。
カンザス州立大 : カンザス州立大出身選手の指名はパッカーズとしては48年ぶり3人目。過去2人はあまり活躍できなかった選手のようだ。しかしそれ以外に、70年代から80年代にかけてパッカーズの強力パスオフェンスを担ったQBリン・ディッキーとTEポール・コフマンの2人がともにカンザス州立大の出身。QBディッキーはトレードでオイラーズから、TEコフマンはドラフト外でパッカーズに入団している。
田舎育ち : 人口886人のカンザス州ライリー(地図)で牧場を営む家庭に生まれ、わずか30kmほどの同州マンハッタン市にあるカンザス州立大へ。地元っ子の活躍にファンは大喜びし、非常に愛された。人口80人のアイオワ州ケルシーで製材所を経営する家庭に育ったDEアーロン・キャンプマンとタイプがよく似ている。どちらも浮ついたところがなく地に足のついた人柄で、高校時代からの恋人(ネルソンは6年生からの恋人)と結婚している。
万能アスリート : 彼が通ったのは学年70人ほどの小さな高校だが、6年前にはSジョン・マグロー(現KC)がドラフト2巡指名されている。ネルソンはそれと比べて見劣りしないアスリートだったので何とかディビジョンIの大学に進ませたかったが、QBとしてパス1029yds・ラン1572ydsいうラン主体のチームだったせいか、誘ってくれたのはディビジョンIIばかりだった、と高校のコーチは振り返っている。
バスケットボールではカンザス州のオール・ステートに選出され、通算325アシスト、225スチール、161ブロックは全て同校の記録となっている。陸上でもクラス3aの州大会で走り幅跳びや100m(10.63秒)や200m(21.64秒)や400mで優勝。しかし本人はフットボールがしたくて、ウォークオン(奨学金なし)でカンザス州立大に進む道を選んだ。
以下は、最初が彼の人となりを紹介するビデオで、両親も登場している。2番目のビデオにはワンハンドなどアクロバティックなパスキャッチの数々が紹介されている。
経歴 : ケンタッキー州ルイヴィルに生まれ、同州を代表するフットボール一家に育った。トリニティ高校では通算44試合に出場して10579yds・119TDを投げ、同校を三度の州大会優勝に導いた。同州のMr.Football はもちろんのこと、各メディアの全米最優秀オフェンス選手賞や全米最優秀QB賞などを受賞。バスケットボールでも活躍して同校初の地区大会優勝に貢献。野球でも州大会で準優勝し、コロラド・ロッキーズからドラフト指名されている。
全米の名門大から誘われたが、父や兄のプレーした地元のルイヴィル大を選び、ボビー・ペトリーノHCの下でプレーした。レッドシャツを経ず、1年目から控えQBとして11試合に出場。2年目からスターターとなり、大学通算10775yds(先発3年間の1試合平均は301.69yds)、成功率65.1%、71TD、24INTと素晴らしい成績を残した。特に3年目の2006年シーズンは同大をビッグイースト優勝、全米ランク6位、オレンジボウル勝利に導いた。
しかしペトリーノHCの去った2007年の同大はディフェンス不振に悩み、パス攻撃(全米4位)の奮闘およばず、成績は6勝6敗と落ち込んだ。ブローム自身もヤーデージやTDは増えたがインターセプトも5個から12個に増え、ドラフトでの評価が下がる結果となった。
Strengths : 十分な身長とがっちりしたガタイがあり、プロで必要な全てのパスを投げられる肩の強さと正確性がある。ポケットでの落ち着きがあり、2番目3番目のターゲットをしっかり見ることができる。優れたフィールドビジョンで相手カバレッジを見分け、正しい判断ができる。ポケットで素早くスライドして時間を稼ぐフットワークもある。先発経験がたっぷり3年間あり、完成度が高いタイプ。少年時代からよく鍛えられている。
Weakness : 手はそこそこ大きいが、腕が短め(30インチ弱)。ロケットアームの持ち主ではなく、実際は地肩の強さよりも優れたメカニックで投げている。しっかり踏み込めないときにダウンフィールドに投げ込める力があるかどうか。ボールを腹のあたりまで下げる癖があり、大きくあおるようなモーションになってしまうことがある。そのせいかパスをディフレクトされる回数が多く、過去3年連続で30回以上ディフレクトされている。
40yds走のタイムは悪くないが大学通算44ydsしか走っておらず、スクランブルの脅威には欠ける。右ヒザの前十字靭帯断裂、右手親指の腱断裂、左肩の手術と、ここ3年連続で大きなケガをしている。
メンタル面 : フィールドでのプレッシャーにも落ち着いて対処できる。ワンダーリックテスト32点と申し分ない頭脳があり、そのことはQBとしての判断のよさに表れている。真面目なハードワーカーでチームメイトからの尊敬も篤い。必要とあればリーダーシップを発揮するが、普段からどんどん声を出して引っ張るタイプではない。名門フットボール一家というプレッシャーの下で頑張ってきた経験も、チーム側は高く評価している。
指名の経緯 : ファーヴ引退にもかかわらずFA補強を見送り、控えQBは昨年のドラフト外選手2人(ドラフト後に解雇)しかいない状況だったので、QB指名は確実視されていた。ブロームを指名しようと2巡の途中でトレードアップしようとしたが、交渉がまとまらなかった、とトンプソンGMは明かしている。「全体56位では残っていないだろうと私は予測していた。ドラフトは予想どおりに行かないもので、彼が残っていてくれて本当に幸運だった」
1巡上位指名候補だった昨年、ブロームはカレッジ残留を選んだものの、ヘッドコーチ交代もあってインターセプトが増えて評価を落とした。1巡末から2巡半ばあたりの指名予想が多く、2巡25位なら十分おいしい、という見方が一般的。今年はややQB不作の年で、ブロームを2番目か3番目と評価する球団が多かったようだ(QB指名リスト)。たとえば1巡18位のジョー・フラッコは荒削りだがスケールが大きそうに見え、ブロームは経験豊富で完成度が高そうだが伸びシロが小さそうに見える、という印象をもたれているのだろう。
「昨年カレッジに残ったことを後悔はしていない。自分の心と相談して決めたことだ。僕はもう1年ルイヴィルに残りたかった。チームとしての目標を追い求め、それは達成できなかったけれど、自分としては選手として進歩できたと思うし、成熟したと思う。指名順位が下がったとしてもそれは関係ない。1年前よりよいクォーターバックになれたし、プロのレベルへとステップを上がる準備ができたと思う。この1年は本当によい勉強になって、今後の自分の助けになるだろう。だから、あの決断は全体としてみれば正しかったと思う」
パッカーズにとって : 必要だった2番手QBを獲得しつつ、ロジャースがコケた場合にも別のフランチャイズQB候補が控えている、という状況を作ることができた。後述のように、QBアーロン・ロジャースの先発の座に影響がないと首脳陣は強調しており、1巡でなく2巡末なのでロジャースにプレッシャーがかかりすぎることはなさそう。たとえブロームが控えQBどまりでも、しっかりした2番手QBになるのなら、2巡25位はけっして高くない、という見方もある。
エースはロジャース : 1巡指名入団から4年目にしてようやくスターターに昇格したロジャースに対して、さらにプレッシャーが増すという見方は少なくない。しかしトンプソンGMは、「チームにとってプラスになる選手だと思うし、我々が彼を鍛える間、アーロンの後ろでしっかりやってくれると思う。私にとってもマイク(マッカーシーHC)にとっても球団全体にとっても、エースはアーロンだ。ブライアン本人にも電話で伝えたし、それは理解してくれている」と語っている。マッカーシーHCともども、エースはロジャースであると、くどいほど繰り返している。
ドラフト初日終了後の会見で、QB指名についてロジャースに説明したか、と聞かれたトンプソンGM。「いや、私は特に必要を感じない。アーロンは大丈夫だ。彼はプロだし、今は自分が先発QBだとわかっている。たしかにメディアからはあれこれ言われることだろう。しかしこれがプロフェッショナル・フットボールであり、アーロンはプロだ。出場経験は少ないが、みなさん彼を取材しておわかりのように、非常にしっかりと振舞っている」
ブローム本人も立場を理解し、「まずしっかりとプレーブックを消化して、競争したいと思う。自分のなれる最高の選手になるため、ハードに努力するだけだ。グリーンベイはとても優れたチームだし、早く僕もその一員に加わりたい」と語っている。自分の指名がロジャースへのプレッシャーになるのでは、という質問には、「それはコーチが決めることだ。自分にできるのは、できる限りの努力をして最高の仕事をすること。そして自分の能力をコーチたちに見てもらい、判断してもらえばいい」
ブレット・ファーヴ : ファーヴが使っていたロッカーがまだ残されていて、その隣がロジャース、その隣がブロームとなっている。「ロッカーに"FARVE"の名前が掲げられていると、つい見に行っちゃうよ。彼の引退が自分の入団につながったのは、たしかにちょっと不思議な気持ちだね。彼の引退を見て僕はすごくがっかりした。彼のような伝説的人物が引退するのは見たくないよ。その彼のロースタースポットを自分が埋めることになるなんて、まったく思ってもいなかった。僕の世代の子たちはみんな彼を見て育った。彼のプレーを見るのが大好きだったし、誰もがそうだ。その彼がいたのと同じロッカールームに今こうしていられるなんてすごくいいね」
ルイヴィル大 : パッカーズがルイヴィル大の選手を指名するのはRGジェイソン・スピッツ以来2年ぶり6人目で、さらに5巡指名されたOTブレノ・ジャコミニが7人目となる。その他にルイヴィル大といえば、QBダン・マリーノ時代のドルフィンズで活躍(プロボウル5回)したWRマーク・クレイトンが、1993年に1年だけパッカーズでプレーしている。2002年にセインツから高額FA移籍して失敗に終わったDEジョー・ジョンソンもルイヴィル大。
フットボール一家 : 父オスカーも兄のグレッグとジェフも全てルイヴィル大で活躍した。長兄グレッグはWRとして活躍し、2006年からルイヴィル大の Director of Football Operations を務めている。次兄ジェフは同大でエースQBとして活躍(永久欠番)したあとNFLで控えQBを7年間務め、現在は同大のアシスタントHC兼オフェンシブコーディネーター。フットボール一家で育ち、大学で兄ジェフの指導を受けたことにについては、5月12日の記事を参照のこと。
以下のビデオは、上が大学でのハイライト映像。下はトリニティ高校のヘッドコーチや長兄グレッグへのインタビュー映像。
経歴 : フロリダ州マイアミで生まれ育ち、カトリック系男子校クリストファー・コロンバス高校で活躍した。フロリダ州屈指のCBと評価される一方、高校最後の2年はFSをプレー。バスケットボールではディフェンスの鬼として活躍し、陸上でも走り幅跳びで州大会優勝(7m26cm)を果たしている。オーバーン大では陸上も続けたかったが、フットボールコーチの要求とスケジュール上の問題のため断念した。
レッドシャツ後の1年目は控えCBとしてプレーし、2年目にスターター昇格。しかしシーズン途中のケガをきっかけにニッケルバックに下がり、2005年は5試合、2006年は4試合の先発に留まった。有力な先輩の抜けた2007年に右CBとして初めて全試合に先発し、55タックル・4INTを記録。キックオフリターンを含めてビッグゲームでの活躍が目立ち、ドラフト上位指名候補へと頭角を現した。
Strengths : 6フィート強のサイズがありフィジカルなマンツーマンタイプの選手で、パッカーズのスキームにフィットする。コンパクトでクイックなバックペダルからのターン&ランがいい。レシーバーに対してアグレッシブにジャムする。ランサポートでも犠牲をいとわずタフにプレーする。10ydsまで1.47秒は今年のCBでトップクラス。
先発昇格まで時間がかかっただけにニッケルバックの経験が豊富で、そちらで即戦力になるかもしれない。キックオフリターナーとしても昨季は11回平均25.8ydsとよい数字を残し、ガンナーとしても優秀。大学時代はCBオンリーだったが、セーフティもプレーできると本人は主張している。
Weakness : 動きの柔軟さについては見方が分かれ、スムーズな方向転換にやや問題ありとする声もある。NFLのレシーバーの鋭いカットに苦労するかもしれない。フルタイムのスターターとなったのは昨年が初めてなので(先発は通算22試合)経験不足が心配され、一人前になるまで時間がかかるかもしれない。フットワークを磨く必要がある。ゾーンなどレシーバーから離れたカバレッジでの判断力に改善の余地あり。キャッチングがイマイチで、INTチャンスにも手で捕らずボールを胸に当ててしまう傾向がある。
メンタル面 : すでに犯罪学の学位を取得しているが、ワンダーリックテストはわずか10点だったらしく、学習に時間のかかるタイプという見方もある。パッカーズのプレスカバレッジに必要な、WRに真っ向勝負を挑むようなアグレッシブなメンタリティを備えている。
指名の経緯 : 控えCB陣が昨年それなりに成長を見せたとはいえ、CBアル・ハリス(33歳)やCBチャールズ・ウッドソン(31歳)の後継者となるには物足りないので、CBの上位指名は必至と見られていた。結果的には2巡末での指名となったが、1巡30位でCBアントワン・ケイソン(アリゾナ大)が残っていれば指名するつもりだったらしい。しかしチャージャーズが27位でケイソンを指名してしまったため、トレードダウンして4巡指名権(DEジェレミー・トンプソンを指名)を手に入れた。
2004年には小兵のCBアマド・キャロル(5フィート10)を1巡指名して失敗したパッカーズだが、トンプソンGM就任後はかつての大型CB路線に戻り、ホーキンズ(2005年)、ブラックモン(2006年)そしてリーと、大き目のCB指名を続けている。「彼はタフガイだ。バンプ&ランを好む。我々のディフェンスによくフィットすると思う。エネルギッシュで優れたアスリートだ。全体60位で指名できるとは思っていなかったし、非常によいバリュー・ピックだったと我々は感じている」とトンプソンGM。
パッカーズにとって : 今年の上位指名CBでは最もサイズに恵まれた選手の1人で、マンカバー、プレスカバレッジ向きとの評価が多い。オーバーン大でのパスカバレッジ戦術についてCBリー本人は、「オフカバレッジは全体の4%か5%ぐらいで、それ以外はプレスカバレッジだった。片側がゾーンで片側がマンであったり、いろいろと変化はつけたけど。強気で挑戦的なタイプのコーナーだと自分では思っている。WRのルート取りをラインで(ジャムして)混乱させる。相手を釘付けにする長い腕もある。だからグリーンベイのバンプ&ランはうってつけだよ」
「フィルムで分析して我々のスキームに求められる資質は見て取れたし、パトリックなら我々のディフェンスにフィットすると確信している。サイズがあって、フィジカルなところが非常にいい。タックリングやバンプ&ランでのアグレッシブさを見ても、あの気性や姿勢はウチのスタイルに合っている」とマッカーシーHCは評価している。
プロボウルCBが2人揃っているので、2巡指名選手とはいってもすぐに先発を任せるわけではなく、将来の後継者候補。さしあたって今年はトラモン・ウィリアムズやウィル・ブラックモンらと3番手・4番手を争うことになるだろう。「年上の選手たちをよく見て学び、言われたことはどんどん取り入れようと思う。アル・ハリスにチャールズ・ウッドソン、彼らはすごいよ。彼らから学んで最高の選手になりたい」
遅咲き : 大学4年目までフルタイムのスターターになれなかった理由について、「2004年はすごい先輩たちがいた(現WASのCBカーロス・ロジャースや現ATLのCBデヴィッド・アイアンズ)。2005年に5試合に先発した後でケガがいろいろあって、コーチたちは僕の健康を優先したんだ」と本人は説明している。トンプソンGMも、「オーバーン大は非常に優秀なチームなので、遅咲きと言えるかどうか。3年までもずっとニッケルやダイム・パッケージで出場していたし、フルタイムの先発となった昨年は素晴らしい内容だった」
オーバーン大 : パッカーズにとってオーバーン大選手のドラフト指名は1993年5巡のLBジェームズ・ウィリス以来15年ぶり12人目。1987年1巡4位のRBブレント・フルウッド指名は失敗に終わったが、TEエド・ウェスト(在籍1984-94)やKアル・デル・グレコ(在籍1984-87)は、ドラフト外入団してNFLで長く活躍している。
以下のビデオは昨年9月半ばのインタビュー映像。意外にソフトな話しぶり。
経歴 : テキサス州東部、人口5400人のディボール出身。高校では同校記録の通算2217yds、30TDレセプションを記録。TEだけでなくWRやDEやSやKやP(平均37.9yds)もプレーし、なんと1試合平均101スナップも出場(つまりほとんど出ずっぱり)していた。地区の最優秀オフェンス選手に選ばれたほか、バスケットボールでも平均24点20リバウンドの大活躍で、地区のMVPに選ばれている。アリゾナ大からは両スポーツで奨学金をオファーされたが、結局地元の名門テキサス大でフットボールに専念することに。
大学入学時205ポンド(93kg)しかなかった彼は1年目はレッドシャツで過ごし、スカウトチームでプレーしつつ体作りに励んだ。デヴィッド・トーマス(3巡でNE)が抜けた2006年には全試合出場(4試合先発)して31キャッチ372yds・3TD。2年目の昨季は初めて全試合に先発して45キャッチ575ydsを挙げ、同大のTE史上3位の記録だった。出場資格はまだ2年も残っていたが、ドラフトへのアーリー・エントリーを発表し、惜しまれつつテキサス大を去った。
Strengths : 素晴らしいサイズとアスレチック能力に恵まれている。非常にキャッチがうまく、難しいボールを引き寄せるボディコントロールと集中力がある。クイックにリリースし、ライン取りも無駄な動きがなくスムーズ。フィールドをストレッチするスピードがあり、各種タイムよりもプレーぶりの方が速い。まだまだスリムなので、さらに20ポンドぐらいバルクアップできる余地がある。大学で出場した2年間に大きなケガをしていない。
Weakness : 実質的には大型のワイドレシーバーとしてしか貢献しておらず、ブロッキングが一人前になるためにはかなりハードな努力が必要。ランプレーのポイントオブアタックで相手DLを押し込むパンチも下半身の馬力も物足りない。レッドシャツのあと2年しかプレーせず、かなり荒削りなタイプなので、1年目からどれだけ使いものになるか。身長のわりに線が細く、汚れ仕事をこなすタフネスは疑問視されている。コンバインでの40yds走などの数字が予想よりも悪く、指名順位を下げた。
メンタル面 : ワンダーリックテストの点数は不明(受けていないのかも)だが、フットボール頭はよい方と見られている。ハードワーカーで、フィジカルなポジションに必要なだけの鼻っ柱の強さもある。すでに子供が2人いることや、プロ入りが早すぎたことは、NFLスカウトからはマイナス要素と見られている。
指名の経緯 : 昨年TEドナルド・リーをスターターに育てたパッカーズは、ベテランのTEババ・フランクスを2月に解雇した。昨季3番手を務めたTEライアン・クラウスとも再契約せず、TEトリー・ハンフリーは大きなケガからの復帰途上。FA市場で物色したタイトエンドもいたが結局獲得には至らなかった。そのためドラフトで2番手TE候補を指名することは確実視され、1巡指名の可能性も取り沙汰されていたほど。
実際1巡30位の時点ではTEが誰も指名されていなかったが、パッカーズはトレードダウンし、代わりにジェッツがTEダスティン・ケラー(パデュー大)を指名。くしくもTEババ・フランクスのFA移籍先もジェッツだった。パッカーズは最近タイトエンド指名が少なく、2000年1巡14位でフランクスを指名して以来、2001年6巡のデヴィッド・マーティン、昨年7巡のクラーク・ハリスしか指名していなかった。
パッカーズにとって : 前述のようにTEの層が薄いので、OTAではすでにドナルド・リーに次ぐ2番手。昨年ケガをしていたトリー・ハンフリーも復帰しているが、その他はドラフト外ルーキー3人なので、フィンリーが2番手を確保するにはハンフリーに勝つだけでよさそう。
もともとマッカーシーHCは複数タイトエンドをフレキシブルに動かすことを好むので、今年は昨年よりダブルTE隊形の出番が増えるのではないか。QBが若いロジャースにかわるだけに、セーフティバルブとなるTEの存在は重要のはず。ここ数年はフランクスのスピード不足に泣かされてきたパッカーズだが、フィンリーが評判通りの活躍をしてくれれば、優勝当時のマーク・チュムラ&キース・ジャクソンのようなコンビが期待できるかも。
課題はブロッキング : 大学ではレシーバーとして使われることが多く、本人によると、50%がインライン(つまり普通のTEの位置)、50%がフランカーだったという。ランブロッキングについては、「自分で評価するなら、Bマイナスだね。ランゲームについては努力が必要だ。グリーンベイに行ったら、必死で頑張るつもりだ」と認めている。
マカドゥーTEコーチは、「選手のフィルムを見るときは、コーチできない天性の才能を持っているかどうかをまず探すものだが、彼にはそういったものがいくつもあると思う。彼はまだ身体能力のごく一部をあらわしたにすぎない。あの身長にしてはスリムな243ポンドで、若く未熟な選手だ。向上の余地は大きく、トレーニングを続ければもっと体重を増やせるだけの骨格がある」
アーリー・エントリー : まだ21歳になったばかり。レッドシャツのあと2年しかプレーしていないので、2年も出場資格が残っていて、本人のためにも大学に残るべき、という見方が強かった。最近結婚して2人の子供がいるので、アーリー・エントリーは家族のためだと報道されていたが、フィンリー本人は家族のことととは関係ないとしている。「フィールドの中でも外でも、人生のより大きなチャンレンジへの準備ができていたからだ。だからNFLに入る決断をした。迷いはなかった。暮れのボウルゲーム(アリゾナ州立大に快勝)の前に決心はできていたし、やっていける自信はあった」
21歳という若さについて、トンプソンGM。「彼は非常に若いが、我々はさほど心配はしなかった。アーリーエントリーの選手で用心が必要なのは、4年生と比べてスカウティングの対象となる試合が少ないことだ。しかし彼はとても才能ある選手だと我々は思った。素晴らしいキャッチ力があり、非常にアスレチックだ。ドナルド(TEリー)とトリー(TEハンフリー)に彼を加えることができて、コーチたちはとても喜んでいる」
マルチ・アスリート : 高校時代バスケットボールでも大活躍し、平均24得点・20リバウンドを挙げて地区のMVPにも選出された。アリゾナ大からはバスケとフットボールの両方で奨学金をオファーされたという。「でもテキサス大を選んだときに、どちらかに絞るようにマック・ブラウンHCから言われ、フットボールに夢を賭けた」とのこと。
家族 : 妻コートニーとの間に息子ケイドン(4ヶ月)がいて、別の女性との間に娘ジェイラ(3歳)がいる。そちらは母親と一緒に暮らしているようだ。
テキサスA&M(今年からマイク・シャーマンがHCを務める)のRBジョヴォスキー・レーンは腹違いの兄で、生まれが2ヶ月弱しか違わない。フィンリーは珍しいことに両親の名前をプロフィールに載せておらず、RBレーンも両親でなく祖父母の名前をプロフィールに載せている。同じテキサス東部の5マイルほど離れた街で、それぞれの母方の祖母に育てられたらしい。子供の頃から毎日のように一緒に遊び、大学ではライバル校同士で、「1年間いばる権利」を賭けて毎年対戦した。
テキサス大 : パッカーズテキサス大選手をドラフトするのは、1991年8巡のWRジョニー・ウォーカー(プレーせず)以来17年ぶり10人目。1952年3巡指名のDBボビー・ディロンは94試合で52INTを挙げ、パッカーズの殿堂入りをしている。パッカーズ指名ではないが1985年から2年間在籍したSモシー・ケイドは、1987年に性的暴行事件を起こして15ヶ月服役している。2002年に在籍した名リターナーのエリック・メトカーフやCBブライアント・ウェストブルックもテキサス大の出身。
以下のビデオはYouTubeのハイライト映像。Rivals.comのハイライトビデオはこちら
経歴 : ノースカロライナ州シャーロット出身。子供の頃から兄のOTオーリン・トンプソンと競い合いながら育った。高校ではDEをプレーする以外に、バスケットボールでも活躍した(高校時代の情報があまりない)。同州のウェイクフォレスト大に進むと、レッドシャツを経ず1年目から全試合に出場して3試合に先発。しかし2年目シーズンの終盤にヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂し、3年目まで悪影響が残った。
4年目の昨季は肩のケガに悩まされながらも、シーズン6.5サック、46タックル、11ロスタックルの活躍を見せた。開幕戦ではボストン・カレッジのQBマット・ライアン(1巡3位でATL)を二度サックしている。大学では右サイドオンリーでプレーしていたようだ。
Strengths : 十分なサイズのある優れたアスリート。嗅覚に優れ、常にボールのそばにいる。素早いフットワークとフレキシブルなボディバランスで、相手OLに崩されにくい。腕が長く、見た目は細いが、ポイントオブアタックで持ちこたえる馬力もある。逆サイドへのランプレーでもしっかりコンテインする。3コーンドリルが6.97秒は全DE中2位のタイム。複雑なディフェンスでも問題なく理解できる頭脳がある。
Weakness : 爆発的な加速でOTの外を回り切るようなスピードラッシャーではない。パスラッシュ技術のバリエーションが少なく、コンスタントにQBにプレッシャーがかけられない。ときどき腰高になることがある。しっかりラップアップせずタックルミスすることがある。大学2年目でヒザの前十字靭帯(ACL)断裂、昨年は肩の打撲に苦しんだ。
メンタル面 : ハードワーカーで頭もよく、人格面は申し分ない。全米スポーツマンシップ賞のファイナリスト(10人)にも選ばれた。ワンダーリックテスト24点は、DL選手としては高いほう。学業も順調で、最後の科目の試験がドラフトの翌日とのこと。今日はお祝いを早めに切り上げて必死に勉強し、月曜に試験を受け、火曜からフットボールに集中する、と本人は指名直後のインタビューで語っていた。
指名の経緯 : 昨年は先発右DEのカレン・ジェンキンズがケガに苦しみ、バジャ=ビアミラがもう30歳、マイケル・モンゴメリーも伸び悩んでいるため、ドラフト中位でのDEはニーズに合った指名と言えそう。
ドラフト初日に1巡30位から2巡5位にトレードダウンし、ジェッツから4巡14位を手に入れていたパッカーズは、5巡27位指名権をジェッツに譲渡して4巡14位から4巡3位にトレードアップして彼を指名した。テッド・トンプソンGMはシーホークス時代を含めて昨年まで8回のドラフトを指揮し、トレードダウン14回、トレードアップゼロ。その彼が9回目のドラフトで初のトレードアップしたのだから、評価の高さがうかがえる。
ドラフト後のトンプソンGMの会見では、記者から「初トレードアップおめでとう」の声。「みなさんに見せるためにやったんだよ(笑)。本当のところ、我々が非常に気に入った選手がそこにいて、トレードアップも決して軽率でない、と考えたからだ。以前にもやろうとしたことはあるが、結果としてまとまらなかっただけだ。今回はジェレミーを手に入れることができて我々はとても喜んでいる。我々は彼を非常に高く評価していたので、4巡で残っていることに驚いた。そのことがトレードアップの原動力になった」
パッカーズにとって : 快速パスラッシャー的なタイプではなく、ラン守備もよい万能タイプ。メンタルのしっかりしたハードワーカーという点も含め、「アーロン・キャンプマンに似たタイプ」との評判がドラフト前から少なくなかった。キャンプマンの控えにうってつけと見られているが、大学では右サイド専門でプレーしていた。先日のOTAで左サイドばかりやらせていたのは、左右の適性を見極めるためかもしれない。
キャンプマンはケガも少なく、全スナップの90%以上プレーできるスタミナがあるので、控えの必要性は見過ごされがち。しかし今年はDTコーリー・ウィリアムズが抜け、インサイドからのパスラッシュ力のダウンが懸念されるため、パスシチュエーションではできるだけDEカレン・ジェンキンズをDTで使いたい。そのために、モンゴメリー、ジェイソン・ハンター、そしてこのトンプソンなど、若手DEの押し上げが重要となる。
サック数が物足りない : 大学通算32試合に先発してサックは計8.5回(昨季6.5回)。指名順位が4巡まで下がったのはそのせいかもしれない。しかし後述のように、大学2年目でのヒザの大ケガをしたことや、チームが戦術的に彼を自由にパスラッシュさせることが少なかったことが大きかったようだ。
担当地区スカウトのブライアン・グートクンスト。「普通の大学と違って、彼はサックを量産するような仕事には専念させてもらえなかった。カバレッジへのドロップバックなども含めてたくさんのread-and-react的な役割を担当していた。彼が1つのことに集中する機会を与えられたらどれだけやれるか楽しみだ。容易に倒されないところを非常に高く評価している。多くの選手と違って、地面に倒されずに残って追い続けることができる」
ヒザのACL断裂から2年半 : 2005年シーズンの終盤にヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂したため、当然翌シーズンにも悪影響が残り、昨年はシーズンが進むうちにようやく完調に戻ってきた。彼についてのネガティブ評価は復調以前のものが多いようなので、期待できるかもしれない。左ヒザの大ケガから2年半が経ち、もう影響は全く残っていない、と本人。「リハビリの専門家のところで本当にハードに頑張ったからね。今では反対のヒザよりも強くなっているぐらいだ」
兄弟でパッカーズ : 兄のOTオーリン・トンプソン(デューク大出身)は一昨年パッカーズのプラクティス・スクワッド、昨年はついにロースター入りを果たした。しかしジェレミーはフットボールシーズンになれば自分も試合があるので、昨年までグリーンベイに来たことは一度もないとのこと。兄オーリンとは大学が違ったので、同じチームでプレーするのは高校時代以来となる。
大学では2004年10月30日に直接対決し、弟のウェイクフォレストが24-22で兄のデュークを下している。当時の兄オーリンはDTをプレーしていたので(ドルフィンズでOTにコンバート)、フィールド上で直接マッチアップしたわけではない。パッカーズではDEとOTなので、キャンプではたっぷりと対戦する機会がある。「弟が来たのは嬉しいね。小さかった弟が、見ている前で成長し、こうしてチャンスをもらい、自分と同じチームにいるなんて。本当に素晴らしいよ」と兄オーリン。
ウェイクフォレスト大 : パッカーズがウェイクフォレスト大の選手を指名するのは、1987年9巡のOGグレッグ・ハリス以来21年ぶり5人目。1980年3巡5位のOGシド・キトソンが4シーズンで計12試合に先発出場したぐらいで、あまり活躍した選手はいないようだ。しかしそれ以外に、かつてコーチやスカウトとして長く活躍したジョン・"レッド"・コクランが同校の出身。(2003年5月の記事および2004年9月の死亡記事参照)
経歴 : フロリダ州の西端、アラバマ州境にあるペンサコラ出身。高校ではOLで3年間スターターを務め、オール・フロリダ州の2ndチームに選出。DLとしても最後のシーズンには50タックル、6サックを決めている。オーバーン大など複数から奨学金オファーがあった中でセントラルフロリダ大を選んだのは、すぐに出番があると思ったから。その目論見どおり1年目から4試合に先発し、デビュー戦がウィスコンシン大のキャンプ・ランドール・スタジアムだった。
1年目は右ガードで4試合、2年目・3年目は右タックルで全試合先発し、全米9位のラッシング成績に貢献した。4年目の昨季は右タックルで8試合先発したほか、チームメイトのケガのために右ガードで3試合、左ガードで1試合に先発し、ヴァーサタイルな能力をプロのスカウトにアピール。コンバインには招かれなかったが、プロ・デイでは20ydsシャトル4.50秒(全OL中2位)など好タイムを出した。
Strengths : 肩幅が広く、フットワークのよい柔軟なアスリート。素早く外にスライドしてスピードラッシャーを封じ込める。よくヒザを曲げて持ちこたえることができる。しっかり脚を動かし続けドライブ・ブロックができる。TEの外への小さなプルブロックが上手く、セカンドレベルへのブロックも速い。大きなケガがなく、1年目の終盤から42試合連続先発出場した。レッドシャツの年がなかったため、今月22歳になったばかり。
Weakness : プロでタックルをやるには上背がなく、腕が短いずんぐり型。パスプロテクションではアグレッシブなハンドパンチがなく、相手を懐に入れてしまって押し込まれる傾向あり。激しい当たりに欠け、迫力が足りないところがある。柔らかそうな体つきからして、トレーニングが足りているのかどうか(そこがまたタウシャーに似ている)。
メンタル面 : オフェンシブライン向きのタフでアグレッシブなメンタリティを持っている。2004年に注意欠陥障害(ADHD)と診断されたことがあるが、ワンダーリックテスト25点は平均以上の数字で、OLとしては標準的。2006年に飲酒運転と駐車違反で免停処分を受けたことがある。
指名の経緯 : 無名選手だったが、RBケヴィン・スミス(3巡でDETへ)を見るためにセントラルフロリダ大のプロ・デイに集まったスカウトたちの前でよい動きを見せて注目された。とくに強い興味を示したチームの1つがパッカーズだった。トンプソンGMは、「一流のNFL選手であるマーク・タウシャーと比べるのはなんだが、マークと似ている点が多いのはたしかだ。あの動きや、相手の攻撃を吸収しブロックする能力がよく似ている」と評している。一見すごそうに見えない体格ながら、相手を丸め込むように仕留めてしまうテクニックが、タウシャーをほうふつとさせたらしい。
「ドラフト3週間前にパッカーズを訪問したときの面談の内容が素晴らしかった。黒板での演習も非常によく、彼の頭のよさを示した。フィールドでは、いったん彼が相手DLに触れるとまるでVelcro(日本で言うマジックテープ)のようで、彼を突き放すことはできない。そして最大の強みの1つが、あの激しい情熱と大きなエネルギー、ホイッスルが鳴るまでファイトするタフガイだ」とキャンペンOLコーチ。
パッカーズにとって : 入団すぐから先発ガードを争えるか、との質問にキャンペンOLコーチは、「もちろんだ。彼を含めて(先発両OTとCを除いた)13人が先発スポットを激しく争うことになる」と答えている。OGシットンにゾーンブロッキングの経験は?との質問には、「彼らはゾーンも多少やり、パワーギャップ的なスキームもやっていた。だから我々のスキームにうまくアジャストできると思う」
ドラフト直後にキャンペンOLコーチはガードとタックルの両方で考えていると語っていたが、その後のOTAやミニキャンプでは右ガード専業でプレーている。先日のミニキャンプでCウェルズの負傷によりRGスピッツがセンターに回ると、シットンが1stチームの右ガードに入った。昨年右ガードを争ったジュニアス・コストンやトニー・モールが現在それぞれ別のポジションをプレーしているのは、シットンにできるだけチャンスを与えて能力を見極めたい、とコーチたちが考えているからだろう。
パッドも着けないOTAやミニキャンプでラインマンの真価は評価できないとはいえ、先日のミニキャンプでの記者たちの評判はかなりよく、2巡のWRジョーディ・ネルソンと双璧だった。開幕ロースター入りは確実と見られている。「予想以上にアスレチックで、インサイド向きのタフガイだ。将来的にはスピッツをセンターにして彼を右ガードに据えるといいかも」と見る向きもある。
飲酒運転について : 4巡b指名OGシットンと5巡指名OTジャコミニの2人とも飲酒運転で逮捕歴があることについて、トンプソンGM。「まず第一に、飲酒運転というのは重い犯罪だ。両選手にとって大きな過ちであり、我々としてもその点は詳しくチェックした。2人とも過ちを重く受け止め、汚名返上しようと頑張っている。将来に向けて問題になるとは考えていない。我々は個々の人間についてケースバイケースで判断している。誰もが過ちを犯すものだ。よい人間と悪い人間がいて、もし悪い人間だと判断すれば、その選手はチームから取り除くだろう」
セントラルフロリダ大 : セントラルフロリダ大ではSSアタリ・ビグビーの3年後輩にあたり、2004年に1年だけ一緒にプレーしている。同大からのドラフト指名は2000年7巡のWRチャールズ・リー以来2人目。パッカーズでプレーするのはWRリー、Pライアン・フリン(2005年終盤に2試合だけ)、SSビグビー以来4人目となる。
パッカーズを含め3球団で6年間プレーしたWRチャールズ・リーは、すでにコカイン所持で保護観察処分を受けていたが、昨年12月に母校セントラルフロリダ大の学生を相手に拳銃強盗事件を起こし、5年の実刑が先月決まったばかり。
経歴 : マサチューセッツ州モルデン出身。ブラジル移民の息子なので中学まではサッカーをプレーし、長身を活かしてフォワードやキーパーをしていた。高校時代はDEやLBとしてプレーし、高校3年目はフットボールを休んでバスケットボールで平均21得点(リーグ2位)の大活躍も見せている。ルイヴィル大に進むと1年目は控えTE兼OT、2年目はTEとして13試合に出場し、先発も2試合。3年目は左タックルとして2試合先発など両OTおよびセンターをプレーした。
4年目の昨季ようやく先発右タックルに定着し、QBブローム率いる全米6位(1試合平均488yds)の強力オフェンスに貢献した。ビッグ・イースト・カンファレンスの2ndチームにも選出されている。
Strengths : サイズに恵まれ、しっかりヒザを曲げてパスプロできる。まずまずのクイックネスでアウトサイドのパスラッシャーに対処できる。競争心が強く、ホイッスルが鳴るまで頑張る。体重242ポンドのTEとして入学し、TEと両OTを行ったりきたりしてきたので、伸びシロはかなり残っているはず。40yds走はそこそこだが、10ydsまでならOT中トップタイムで、20ydsシャトルや3コーンドリルも優秀。
Weakness : NFLの速いパスラッシャーを相手にするにはクイックネスやアジリティに欠けるので、LTよりRT向きか。ブルラッシャーをスローダウンさせるハンドパンチがなく、懐に入られて押し込まれやすい。タックルをプレーするにはアスレチック能力に欠け、ガードをプレーするには馬力やタフネスに欠ける、という評も少なくない。経験が浅く荒削りなので、NFLで一人前になるには手の使い方やフットワークなどテクニックを磨く必要がある。
メンタル面 : タフで激しいメンタリティの持ち主。ワンダーリックテスト24点はOLとしては標準的な数字。前回のOGジョシュ・シットンと同じく、飲酒運転で逮捕歴がある。今年のルーキーの中では最もよく喋る外向的な選手で、記者の側からすると面白いコメントが取れるありがたい選手らしい。
ライバルのケンタッキー大との試合前、敵地のファンに対して中指を立てる事件を起こしたことがある。公式に謝罪を行い、ヘッドコーチからの処罰(公共奉仕とダッシュ何本か)を受けた。「僕の過ちだった。二度とあのようなことは起こさない。ライバル校との試合で、気合が入りすぎてコントロールできなくなったしまった。僕は激しいタイプで、喋るのも大好きだ。どんどん声を出してチームを盛り上げるのが好きだけど、口だけの人間じゃない。言葉を実証することでリーダーシップを示す方だ」
パッカーズにとって : 先発の左右両タックルが30歳を過ぎたため、そろそろ後継者を考えるべき、という見方が一般的だった。4巡のシットンは大学では右タックルだったがパッカーズではガード専任、こちらのジャコミニは右タックルの控え候補となるようだ。
ドラフト直後のキャンペンOLコーチの話では両サイドをやらせてみるとのことだったが、入団からここまでは右タックル専門でプレーしている。先発OL5人(LGはバーバーとする)に加えてLGカレッジとRGシットンまで開幕ロースター入り確実と見られている。OL9人枠とすれば、あと2つの枠をこのジャコミニ、C/Gコストン、OTモール、OTトンプソンらで争うことになる。
長身OT : 長身の右タックルといえば、2003年6巡指名入団のOTブレナン・カーティン(ノートルダム大)はケガにも悩まされてモノにならず、1試合も出場できないままNFLから姿を消した。一般に長身すぎるOL選手は、たとえ直線スピードが速くても成功しないことが多く、スカウトから敬遠されやすい傾向がある。ジャコミニはOTAやミニキャンプで軽いフットワークを見せていてなかなか評判がよいものの、現状ではランブロッキングの迫力に欠けるようだ。これまでの経験則から、やはり長身すぎるのがマイナスに働くにでは、と懸念する声は消えていない。
元タイトエンド : 高校ではDEやLB、大学に入ってTEにコンバート、やがてOT兼任となり、3年目は代役左タックルやセンターを務め、4年目の昨季初めて先発右タックルに定着した。大学入学時は242ポンドだったが、昨年は303ポンド。それでも身長からすると線が細すぎるので、馬力をつけることが大事になるだろう。タイトエンドとしては通算パスキャッチ4回19yds・1TD。
「彼は元タイトエンドで、今もまだ大型ラインマンに成長しつつあるところだ。デカい骨格、デカい脚、非常にアスレチックだ。秋にルイヴィルに見に行ったとき、他の選手たちも全て見たが、彼はスタッフから非常に賞賛されていた。あの競争心の強さもいい」とトンプソンGM。
イタリア系ブラジル経由 : コテコテのイタリア系の姓名だが、まず曽祖父がイタリアからブラジルに移民し、そして両親がブラジルから合衆国に移民し、その1年後に彼が生まれたとのこと。父は191cmの長身サッカー選手で、母は173cmのバレーボール選手だった。親戚の住むマサチューセッツのブラジル系の多い街に移民し、父はビルのメンテナンスの仕事、母は掃除婦として5人の子供たちを育てた。ポルトガル語の家庭だったため、ジャコミニが小学校に入るときには英語の補助クラスも受講したという。
ブラジル系のNFL選手はジャコミニが初めてなのかどうか、NFL本部も確認できていないとのこと。
ルイヴィル大 : 2巡のQBブロームのチームメイトであり、RGジェイソン・スピッツの2年後輩でもある。パッカーズがルイヴィル大の選手を指名するのはRGスピッツ以来2年ぶり、QBブロームが6人目でOTジャコミニが7人目となる。その他にルイヴィル大といえば、QBダン・マリーノ時代のドルフィンズで活躍(プロボウル5回)したWRマーク・クレイトンが、1993年に1年だけパッカーズでプレーしている。2002年にセインツから高額FA移籍して失敗に終わったDEジョー・ジョンソンもルイヴィル大。
経歴 : テキサス州タイラー出身。高校では走れるQBとして大活躍し、4年時はパスで9TD、ランで12TDを挙げた。有力選手ひしめく同州でトップクラスのQBと評価されてニック・セイバン率いるルイジアナ州立大に進むが、不幸にも同期にジャマーカス・ラッセル(現OAK)がいた。3年間は控えに甘んじたものの、ラッセルが1年早くNFL入りした昨年先発QBに昇格し、同大をNCAA王座に導く活躍を見せた。オハイオ州立大とのBCSチャンピオンシップでも4TDを成功させ、優勝に貢献している。
2006年までの3年間はフィールドゴールのホルダーとして38試合に出場している。
Strengths : まずまずの肩の強さがある。フットワークがよくメカニックがしっかりしていて、リリースもクイック。ミドルレンジまでのパスのタッチがよくコントロールが正確。頭がよく、判断がしっかりしている。リーダーシップを含めた精神面は高く評価されている。40yds走のタイムではQBブロームに劣るものの、昨年215ydsを走って4TDを挙げるなど、実際のフィールドではけっこう足を活かしたプレーをしている。
Weakness : スケールの大きさを感じさせるものがなく、スターターの器でないと見られている。サイズが小さめで強肩ではなく、パスの正確性も「そこそこ」どまり。狭いところに合わせるタイミングも今ひとつ。プレッシャーをかわすクイックネスやアジリティに欠けるのか、ボールを持ちすぎてサックをくらう癖がある。先発経験が1年しかないため、相手ディフェンスの読みなど戦術眼にまだ未熟な点が多い。今オフに肩の手術を受けたのは減点材料だが、OTAやミニキャンプではすでに普通にプレーできている。
メンタル面 : ワンダーリックテスト26点はQBとしては平均的な数字。精神的にタフで気骨のあるタイプで、リーダーシップ、勝負強さといった"Intangibles"に優れた選手と見られている。
指名の経緯 : 事実上ロジャースの控えがいない状態でドラフトを迎えたが、2巡のQBブロームとあとはベテランのFA選手でまかなうだろう、という見方が一般的で、2人目のQB指名はやはり意外。「若手ばかりのQB構成でもかまわない」というマッカーシーHCのコメントが、強がりでなかったことが証明されたことになる。その後、パッカーズがドラフト前にQBダンテ・カルペッパーに$1ミリオンのオファーをして断られていたことが明らかになった。
フリンを指名した理由についてトンプソンGM。「我々はかなりマットを気に入っていて、それが7巡でも残っていたということだ。彼が残っていたのはとても驚いた。試合に強いタイプだ。ジャマーカス・ラッセルがいたために1年しか先発経験がないが、見れば見るほど我々は気に入ってきた。それにQBというのはデプスが重要なポジションだし、この3人がいればチームの助けになると思っている」
パッカーズにとって : 前述のように、一般的にはスターターの器ではないと見られていて、将来「頼れる2番手」に成長すれば十分だろう。キャンプの結果フリンの能力が物足りないと判断すれば、ロースター入りさせずに(昨年のように)QB2人体制をとる可能性もある。その場合はプラクティス・スクワッドの有力候補。
90年代にはドラフト下位指名からマーク・ブルネル、タイ・デトマー、マット・ハッセルベック、アーロン・ブルックスといった先発級QBを輩出したパッカーズだが、2000年以降はあまり成功していない。
控え期間の長さ : テキサス州の有力QBとして進学したものの、大学3年までQBジャマーカス・ラッセル(現OAK)の控えに甘んじた。しかし2005年シーズン末のボウルゲームでは、負傷欠場のラッセルに代わって初先発し、ランク9位のマイアミ大に40-3の大勝を収めている。初めてフルタイムの先発QBとなった昨年のLSUは、12勝2敗でみごと全米制覇。最後のBCSチャンピオンシップでも彼が4TDを挙げて優勝の原動力となっている。
3年間控えを務めた経験についてQBフリン本人は、「たしかにつらい状況だった。2003年にジャマーカスと一緒にLSUに入ったんだ。(先発はラッセルだったが)彼とは毎年タイトなバトルをしたし、大きな差があったとは思わない。そういった経験全てが将来の助けになると思いたい」と振り返っている。QBブロームと同期入団となったことについては、「ある意味で、僕とジャマーカスのいた状況と同じだね。お互いに切磋琢磨して、2人ともよりよく成長していけると思う」
肩の強さ : 「僕はアスレチックなプレーヤーだし、ほとんどのパスは投げられると思っている。大学時代にはストロングアームの持ち主でないと言われたけど、そりゃあジャマーカスが100yds投げるのを見れば、隣の僕は見劣りしてしまう」
ルイジアナ州立大 : LSU出身のパッカーズ選手といえばなんといっても殿堂入りFBジム・テイラー。しかしそれに次ぐ選手となるとDEアブナー・ウィンバリー(1950-52)の35試合出場が最多で、目立った活躍をした選手はいない。ドラフト指名は2000年7巡のRBロンデル・ミーリー以来で、フリンがパッカーズ史上10人目。移籍組ではSマーク・ローマン(現49ers)やDTケンドリック・アレン(現MIN)も同大の出身。
経歴 : サンディエゴの北にあるカールスバッド市の出身で、高校の先輩には今年パッカーズに加わったLBブランドン・チラーがいる。高校ではWR兼Sとしてプレーし、野球や陸上でも活躍した。地元のサンディエゴ州立大に進むと3年目の2006年からフルタイムのスターターとなり、47回528yds、2TD。昨年はさらに大きく伸ばして58キャッチ973yds(平均16.8yds)、5TDを挙げ、それまでの3年間を足したよりも数字を稼いでいる。カンファレンスの2ndチームにも選出された。
Strengths : 飛びぬけた部分はないもののボディバランスがよく、キャッチ力もまずまず。頭がよく、ショートエリアで手薄なゾーンを見つけるのが上手い。ルート取りがよく、密集でのキャッチを恐れないタフさがある。リバース等でもよい結果を出している。またパントリターン経験もあり、昨年は(おそらく代役として)10回平均8.8ydsの成績を残している。
Weakness : エリート級のスピードや、CBをぶち抜くような爆発的な加速はない。キャッチは決して下手ではないが、ときどき手で捕らず体で受けてしまう癖がある。ランアフターキャッチのセンスはよいが、ディフェンダーを振り切るクイックネスに欠ける。下半身はしっかりしているものの全体的にまだ線が細く、バルクアップが必要。
メンタル面 : 2006年には指の腱を断裂しながら全試合に出場するなど、精神的タフさには定評がある。ワンダーリックテスト17点は平均以下だが、WRとしてはそれほど悪くない。
指名の経緯 : 無名選手のためコンバインには招待されなかったが、QBケヴィン・オコネル(3巡でNEへ)を見に来たスカウトたちの前で40yds走を4.41秒で走るなど、プロ・デイの出来がよかったため数チームの興味を引いた。その後パッカーズは彼をグリーンベイに呼んでワークアウトを見ている。
有望な若手が揃っているパッカーズWR陣だけに2人目のWR指名は意外で、チーム首脳の日ごろからのコメントどおり、その時点でのベスト・プレーヤーと評価したのだろう。「秋に現地を訪れたスカウトたちがQB相手のプレーも見てみたのだが、彼をとても気に入った。そこで先日グリーンベイにも呼んでさらに見てみたのだ。とてもよい選手だし、7巡だし、よいピックだと思っている」 とトンプソンGM。
パッカーズにとって : 即戦力WRは必要ない状況なので、あくまで将来性を買っての指名。ネルソン(2巡)と同じように、どちらかといえばミドルからショート寄りのオールラウンダーか。
昨年のWR陣は6人枠だったが、5人の年も少なくない。ドライバー、ジェニングス、ジョーンズ、ネルソン(2巡指名)までは開幕ロースター入りが間違いなく、ルヴェル・マーティンもほぼ確実とすれば、そこまでで5人枠が埋まってしまう。スウェインが6人目に滑り込むには、スペシャルチームでの活躍が不可欠。ミニキャンプではパントリターナーやキックオフリターナーとしてもテストされている。もしロースター入りできなければプラクティス・スクワッドの有力候補。
スピード : スピードのないレシーバー、という見方に本人は強く反発している。コンバインには招待されなかったが、大学でのプロ・デイでは4.41秒を出したと強調している。「僕のスピードについて、4.6秒級という見方ばかりされ、そのせいで全て(ドラフト指名)が影響を受けてしまったように感じている。スピードは僕のプレーの重要な部分だし、プロ・デイではそれを証明する必要があった」
白人レシーバー : 自分たちのような白人レシーバーが評価されるのは、ウェス・ウェルカー(NE)の大活躍のおかげだ、とスウェイン。「僕らのような選手たちがドラフトされたり注目されたりするのは、ウェス・ウェルカーのおかげだ。彼が台頭する前は、あのサンディエゴ州立の白人の子は誰だ、って感じだっただろう。彼のおかげで僕らの存在が認知されたと思う」
サンディエゴ州立大 : DEバジャ=ビアミラ(2000年5巡)の後輩にあたる。同大からパッカーズに指名されたのは、2005年のSマーヴィール・アンダーウッド以来3年ぶり11人目。パッカーズで80試合以上に出場した選手がCBウィリー・ブキャノン(在籍1972-78)、LBマイク・ダグラス(1978-85)、OGリッチ・モラン(1985-93)、そしてDEバジャ=ビアミラと4人もいる。中でもCBブキャノンはプロボウルに3回選ばれるなど、70年代パッカーズを代表する名選手の1人。LBダグラスはパッカーズの殿堂入り、OGモランはファーヴのデビューした1992年まで先発左ガードを務めていた。