2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001

2001年 ルーキー紹介

2001 Green Bay Packers Draft Picks
Pick Overall Pos. Name College 備考
1巡10位 10位 DE Jamal Reynolds Florida State まじりっけなし、完全なBUST
2巡10位 41位 WR Robert Ferguson Texas A&M 3年目でようやく先発に
3巡9位 71位 CB Bhawoh Jue Penn State スターターに昇格できず
3巡10位 72位 LB Torrance Marshall Oklahoma スターターに昇格できず
4巡10位 105位 OG Bill Ferrerio Wisconsin 2年限りで解雇
6巡35位 198位 TE David Martin Tennessee スターターに昇格できず


DE ジャマール・レイノルズ Jamal Reynolds
ドラフト1巡(10位) 背番号99 190cm 120kg Florida State 1979年2月20日生

経歴 : 高校時代にオールアメリカン。フロリダ州立大では大学2年途中からスターター。4年生となった昨季はシーズン途中からケガに悩まされながら12サック・15ロスタックル・58タックル・4ファンブルフォース・2セイフティ。ロンバルディ賞受賞。 父も大学フットボールでDE(今は高校で陸上を教えている)。2人の兄も大学でLB。母は陸上の短距離選手。完璧なアスリート一家に育つ。「父や兄達は全員ディフェンスをプレイしたんだ。大きな影響を受けたよ」

セールスポイント : 優れたスピードとクイックネスでQBに迫る生粋のパスラッシャー。逆サイドまでボールキャリアーを追いかけるスピードを持つ。純粋にスピードだけで巨漢OTを振り切ることもしばしば。素早く強烈に手を使ってOTのバランスを崩すのもうまい。常に全力を出し、集中力が切れるタイプではない。非常にしっかりした性格のハードワーカー。

弱点? : サイズとパワー。プロのレベルではランディフェンスに不安があるのではないかと言われている。プロの巨漢ラインマンに対抗するにはさらにバルクアップが必要かも。「自分はオールラウンダーだと思っている。ランディフェンスが苦手だという見方は間違っていたと証明してみせる」と彼は語る。

ジンクス : フロリダ州立大は良いDEを輩出することで知られているが、いっぽう上位指名されたDE達がNFL入りしてからは振るわないというジンクスもある。レイノルズ本人は当然そのような指摘に反発している。「自分は全く別の人間だから、比較するのは馬鹿げている。フロリダ州立大のDLに関する固定観念が間違っていることを示したい」

バトラー・レポート : レイノルズと同じフロリダ州立大出身のわれらがSリロイ・バトラーはドラフト時点ですでに彼とは親しく、「彼は静かで控えめな男だ」と語る。「彼はただプレイするだけだ。サックダンスを踊ったりするようなことはない」 お節介なバトラーは当然アドバイスをせずにはいられない。「ここはN.Y.ではないし、L.A.でもない。トラブルに巻き込まれるような場所はないんだ。フットボールしかない。パッカーズがあるだけ。それが伝統なんだ」「君は世界でNo.1の町に来るんだ。君はラッキーだ」

◆ 一年目を終えて ◆

本来なら17位指名だったのだが、2番手QBハッセルベックをシアトルにトレードして指名順位を上げたのだ。それほどまでして獲得した念願のパスラッシャーだったが、今のところ"ハズレだった"と言われても仕方がない。

ドラフト前から懸念されていた通り、軽量とパワー不足に苦しみ、手の使い方の上手いプロのOT相手では、自慢のスピードだけでは振り切れない。キャンプではLTクリフトンにいいようにあしらわれ、しかもキャンプ中盤でヒザを痛めてしまい、首脳陣にアピールすることができないまま開幕を迎えた。

チームにとっては福音だったが、レイノルズ本人にとっては不運だったのが、2年目DEバジャ=ビアミラの大ブレーク。バジャ=ビアミラは開幕から異常なペースでサックを積み重ねて一躍話題の人となり、一方レイノルズはヒザのケガが癒えても出る幕はなかった。「ラン守備には難がある3rdダウン専門のパスラッシュスペシャリスト」という点でバジャ=ビアミラとはカブってしまうからだ。なんと第11週まで、試合当日の45人ロースターに登録されることが一度もなかった。

ようやく出場の機会が与えられたのは12週の@ジャクソンビル。逆転を狙うQBブルネルの最後の望みを断ち切るサック&ファンブルフォースでようやく少し存在感をアピールすることが出来た。先発DEシエリーの戦線離脱もあって、翌週からは全試合に出場できたが、シーズンを終えての記録は2サック、4タックル。またプレイオフの2試合でも出場はしたものの、サックもタックルも記録することはできなかった。

シャーマンHCの評価は1月26日の記事を参照。来季はベテランDEジョン・シエリーを放出して、レイノルズかバジャ=ビアミラが先発に昇格する可能も高い。そのためにはもっとバルクアップしてパワーをつけること。スピード一辺倒でなく、さまざまなテクニックを身につけること。バジャ=ビアミラだって1年であれほど成長したのだ。レイノルズへの期待はもっと大きい。

▲ ページトップへ

WR ロバート・ファーガソン Robert Ferguson
ドラフト2巡(41位) 背番号89 185cm 93kg Texas A&M 1979年12月17日生

経歴 : 高校ではWR/DBでオールアメリカン。1998年にTexas A&M に入学するはずだったが学業成績が基準に達せず、98年と99年はジュニアカレッジでプレイ。2000年にようやくTexas A&Mへの編入を果たす。58キャッチ・885ヤード・7TDを記録し、チームのオフェンスMVP。ビッグ12のオフェンシブ・ニューカマー・オブ・ザ・イヤー。来年まで待てば1巡中位以上での指名が確実視されていたが、4年になるのを待たずにエントリー。

セールスポイント : がっちりとした体とスピードを兼ね備える素晴らしいアスリート。ビッグプレイ能力も十分。今年のWRのなかではベンチプレス最強。上体のパワーと鋭い動きを武器にスクリメージでCBのマークを外すことができる。爆発的な加速でランアフターキャッチを稼ぐ。経験が少ない分、まだまだ伸びる見込みが大きい。練習態度、優れた”work ethic”も評価されての指名。

弱点? : 一部校での経験が1シーズンしかなく、未熟な点が多い。ルート取りがまだまだ下手である。難しいパスをキャッチする一方で簡単なパスを落とすなど、ときおり集中力に欠けるという指摘もある。プロの複雑なシステムをマスターするのに手間取るかもしれない。

パッカーズにとって : 全国的な知名度は高かったChris Chambers(ウィスコンシン大)を見送って、ファーガソンを指名したのはスケールの大きさを買ったものと思われる。典型的なディープスレットWRを指名しなかったのはC・ブラッドフォードのケガからの復活に期待してのことかもしれない。大きくフィジカルな点を生かしてスクリメージでカバーマンを振り切る能力は、シュレーダーが最も苦労している点である。シュレーダーとの2番手争いに勝って、遅くともシーズン途中にはスターターになることが期待されている。

抱負 : 「他の上位指名WRたちはすでに能力のピークに達しているけど、自分はまだまだピークに達していないと思う。まだぜんぜん才能を磨いていないんだ」 「アントニオ(フリーマン)は最高のWRの1人だし、ブレット(ファーヴ)はリーグ最高のQBだろう。勉強するには非常によい状況だし、できる限り早く、できる限り多くチームの力になりたいと思っている」

◆ 一年目を終えて ◆

こちらはレイノルズよりさらに貢献度が低く、第12週の@ジャクソンビルで何度かパントリターンしただけでルーキーシーズンを終えた。彼をドラフト2巡で指名するとき、地元ウィスコンシン大のスターWRクリス・チェンバースを指名することもできたのだが、サイズなど潜在能力の高さを買って、経験の乏しいファーガソンをパッカーズは指名。そしてドルフィンズに入ったチェンバースは883ydsを記録してチームの主力選手となり、ファーガソンはパスキャッチなし、と明暗が分かれた。地元ファンが怒るのも無理はない。

ファーガソンはジュニアカレッジ出身で、しかも3年生からNFL入りしたため、一部校のテキサスA&Mでの経験はわずか1年しかない。経験不足のため、プロのシステムに習熟するのに時間がかかることは予想されていた。いくつもの小さなケガに悩まされた時期もある。ただ、それにしても時間がかかりすぎた。トレーニングキャンプ中盤にはQBファーヴがファーガソンの勉強態度を公に批判するなど、周囲の信頼を勝ち取ることが出来なかった。シーズンに入ってからも、チームは順調に勝ち星を重ねて地区優勝を争っている。一つのルート取りのミスがインターセプトにつながってしまうような未熟なWRを実戦投入するようなリスクを、慎重なシャーマンHCが避けたという面も否めない。

「2001年ドラフト組はWR豊作の年」と言われてはいたものの、上記のチェンバース以外のWRたちは、なかなか一年目から大活躍することは出来なかった。ドラフト3位のデヴィッド・テレル(CHI)でさえ415ydsに終わったように、ルーキーWRが複雑なNFLのオフェンスシステムを身に付けて、すぐに活躍するのは難しい。

本来彼はバカッ速いディープスレットというよりも、ガタイがあってパスキャッチが上手く、ランアフターキャッチに優れた、どちらかというとエースレシーバータイプ。今季は結局5番目のWRのままシーズンを終えることになってしまったが、来季ははっきり言ってチャンスだ。サラリーキャップのことを考えると、フリーマン、シュレーダー、ブラッドフォードのうち誰か1人は抜けることになる、と見る記者は多い。ファーガソンが先発WRに成長できるかどうかは、今後数年間のパッカーズオフェンスのカギを握ることになるかもしれない。

▲ ページトップへ

CB バウ・ジュー Bhawoh Jue
ドラフト3巡a(71位) 背番号21 183cm 89kg Penn State 1979年5月24日生

経歴 : アフリカの小国リベリア生まれ。彼が1歳の時、内戦を逃れてアメリカに移住。カリフォルニア、ロードアイランドを経て、ヴァージニア州に住む。高校時代はアメフト(QB・RB・DB)のほかバスケ、陸上。ペン州立大では4年次の昨年初めてスターターに定着。急成長を見せてドラフト指名。

セールスポイント : CBとしては大きい6フィート(183cm)。スピードもあり、カバースキルも十分。タックルが強烈で、ランサポートは優秀。4年ではじめてスターターになったにも関わらず、リーダーシップを発揮したことも評価されている。

弱点? : ファーガソンと同様にスターター経験が少ないため、未熟な点も多い。複雑なスキームを消化しきれないことがある。不安定でポカがときどきある。動きが硬いのでは、という声も一部にはある。

パッカーズにとって : このディビジョンは大きなWRが多いためCBにも絶対サイズが必要、というのがロン・ウルフGMの一貫した考え。とりあえずスターターの2人は安泰のため、彼が1年目からスターターになる必要はない。しかし彼が3番手か4番手の座を確保すれば、A・エドワーズかT・マクブライドのどちらかをセイフティの控えに固定できるかもしれない。

故国 : 彼が生まれたリベリアには、1歳の時以来帰ったことがない。「アフリカに帰るっていうのは1週間どころじゃ済まないからね。ゆうに1ヶ月はかかる。今までの学生時代にそんな時間はなかったんだよ。だけどリベリアに帰るっていうのはもちろん絶対にしてみたいことの一つだ」

◆ 一年目を終えて ◆

ルーキーの中では最も貢献度が高かった。CBの控えとして修行するはずが、エドワーズの戦線離脱によってニッケルバックに。そしてリロイ・バトラーのケガによって先発SSを任されるハメになってしまった。きっと嵐のようなルーキーシーズンだったに違いない。7試合に先発し、大きなミスはなく、「なかなか良くやった」というのが大方の評価。

「同地区に大きなWRが集まっているので、小さいCBは獲らない」という方針を貫いてきたのが元GMのロン・ウルフ。ジューはその中でも、大学時からフィジカルには定評があり、ハードタックルは得意とするところだった。そしてその強さを買われてのSS転向。先発して最初の試合は第11週の@デトロイト。なんと最初のプレーで相手WRジョニー・モートンに後ろから追いついてファンブルフォースするというビッグプレー。結局39タックル、2インターセプトでシーズンを終えた。

セーフティにコンバートされたとはいっても、これはあくまで一時的なもの。ケガ人たちが復帰する来季には、本来のCBに戻って先発を目指すことになる。マイク・マッケンジーは不動のスターターとしても、もう1人の先発、タイロン・ウィリアムズをバウ・ジューが脅かす日は意外と近いのではないか、という見方も多い。

▲ ページトップへ

LB トランス・マーシャル Torrance Marshall
ドラフト3巡b(72位) 背番号51 188cm 108kg Oklahoma 1977年6月12日生

経歴 : マイアミ生まれ。いくつもの養親の家に住み、路上生活も経験したというのがオクラホマ大の公式な説明だが、本人は否定している。なにしろ本人がほとんど話したがらないため、高校時代以前については不明な点が多い。オレンジボウルの際に本人が語ったところによると、実の母親には11年間も会っていないという。ともかく、荒れた少年時代の彼をフットボールが救ったことは確か。96年にスカウトされてマイアミ大に入ることになっていたが、学業を怠ったツケが回り成績が基準に達せず、入学することが出来なかった。そのため2年間をジュニアカレッジで過ごしたあとついにオクラホマ大へ。2年目の2000シーズンは急成長を遂げてオクラホマ大ディフェンスのキャプテンとしてチームを全米王座へ導く。99タックル、67ソロタックル、5サック、16ロスタックル。

セールスポイント : 素晴らしいスピード、ジャンプ力を備えた優れたアスリート。ビッグプレイ能力は高い。強烈なタックルなどランディフェンスが優秀なだけでなく、パスカバーも良い。ブリッツが得意。大学ではILBだったがOLBもできるスピードがある。弱点といわれたプレイの読みや嗅覚も、昨年からは試合ごとに良くなってきたとの評価もある。

弱点? : ポテンシャルは高いがまだ未熟な点が多く、ミスも多い。システムに習熟するのに時間を要するかもしれない。読みや判断を磨く必要がある。まだ下半身が弱く、プロのブロックを振り切るにはバルクアップが必要という声も。昨年の開幕戦でチームから出場停止処分(理由は不明)を受けたり、2月のスカウティング・コンバインでマリファナ陽性反応が出るなど、私生活などに問題があるとの懸念から指名順位を下げた。そうでなければ2巡目下位で指名されただろうと言われている。

パッカーズにとって : ブライアン・ウィリアムズが解雇された今、パッカーズLBの中でマーシャルが最も優れたアスリートのようである。層の薄いLB陣の中で、ILBのハリス、ウィークサイドOLBのウェインの控えをつとめることになる。とりあえずはパッカーズのシステムに習熟するのが最優先。それさえスムーズに行けば、早いうちから(例えばシーズン途中から)スターターの座を奪うこともありうる。CBバウ・ジューと同様、スペシャルチーム要員でもある。

私生活のトラブルを越えて : 以前のマリファナ問題に加え、ドラフト指名直後にオクラホマの女性から実父確定訴訟を起こされたりと、私生活のトラブルばかりが取り上げられるマーシャル。しかしチーム側は彼のことを徹底的に調査して、全てを承知の上で彼を指名した。まとめると、「彼は子供の頃から多くの困難を経験し、それを乗り越えてここまで来た。彼は良い人間であって問題児などではない。本人も認めているようにいくつもの過ちを犯したが、それは困難な家庭環境によるところが大きい。さまざまな問題は過去のこととして、グリーンベイでフレッシュなスタートを切らせたい」というのがシャーマンHCたちの考えのようである。もちろん本人の目も現在、そして未来に向けられている。

◆ 一年目を終えて ◆

ミドルLBのベルナルド・ハリスの控え。シーズンのほとんどをスペシャルチーマーとして過ごす。しかしシーズン終盤にはダイム隊形でのLBとしての起用など、限定された役割だったが出番は徐々に増えた。LBとしてのタックルは11。スペシャルチームでのタックルは9。

知能・一般常識テストでの点数が低かったり、ドラフト前のスカウティング・コンバインの時にマリファナ陽性反応が出たこともあってドラフトの指名順位が下がったが、大学時からフィジカル能力の高さではずば抜けたものを持っていた。キャンプの時のさまざまなドリルでもチーム内でトップクラスの運動能力を発揮していたように、潜在能力の高さは疑うべくもない。

驚いたことに、先日発表されたエクスパンション・ドラフトのリストの中に、先発MLBのベルナルド・ハリスの名前があった。裏返せば、それだけマーシャルの能力をチーム首脳が評価しているということだ。しかもその能力が花開くのは、早ければ来シーズンになるかもしれない。

▲ ページトップへ

OG ビル・フェラリオ Bill Ferrario
ドラフト4巡(105位) 背番号63 189cm 142kg Wisconsin 1978年9月22日生

経歴 : 地元ウィスコンシン大でこの4年間、全試合スターター。なんと50戦連続先発。強力ラインの中心選手。パッカーズOTのタウシャー(2000年ドラフト7巡)と昨年までチームメイトだった。

セールスポイント : 胸板が厚く、肩幅が広い。ボディビルダー的筋肉質ではないが典型的なラインマン体型。非常にタフで、60分間全力を出し切る。頭がよく、体を上手に使う。判断も速く、フィールド上では40ヤード走のタイム以上に素早い動きができ、ウェイトルームでの数字以上に力強いプレイができる。

弱点? : やや身長が低い。手が長くない。スカウトコンバインの1週前にケガをしたため、コンバインでの数字は芳しくなかった(しかし、その後の個人ワークアウトでは大分いい数字を示した)。「ウィスコンシン大のオフェンスのシステムでは良いが、プロではそれほど良くないのでは」との指摘もある。

パッカーズにとって : LGのポジションはロス・ヴァーバがFAで抜けたため、後継候補の一番手はマイク・ウォール。ウォールで不十分なら、RTタウシャーをコンバートすることになる。しかしこのフェラリオがウォールと高レベルの争いができるようであれば、タウシャーをRTのままでE・ドットソンの控え(またはスターター争い)に専念させることができる。昨年は同じくウィスコンシン大のタウシャーが1年目からスターターがつとまったので、フェラリオへの期待も大きい。

指名エピソード : 「フェラリオの実際のプレーをビデオで見ただけの人がいたら、ドラフト3巡までに指名するるかもしれない。ワークアウトでの数字や身長・リーチの長さを見ただけの人がいたら、全くドラフトしないかもしれない」という評価がある。

もちろんロン・ウルフGMはフェラリオに惚れ込んだ方。ドラフト初日(3巡まで)が終わった夜、ウルフは「3巡でフェラリオを指名すべきだったか」と悔やんだとのこと。2日目の最初も、4巡の10位まで残っているかどうか、祈るような思いで見守っていたそうだ。オフェンスラインを見抜く達人であるロン・ウルフの見る目を信じる他ない。

◆ 一年目を終えて ◆

今シーズンは一度も試合当日の45人ロースターに登録されず。LGマイク・ウォールの控えとはいっても、実際のLGの控えはバリー・ストークスがLTの控えと兼任していた。フェラリオはウィスコンシン大で4年間全試合に先発したわけだから、かなり不満の残るルーキーシーズンだったと言っていいだろう。トレーニングキャンプ中からパスプロテクションに苦労していたので、そのあたりが課題か。この春はNFLヨーロッパに派遣して経験を積ませることになりそう。

▲ ページトップへ

TE デヴィッド・マーティン David Martin
ドラフト6巡(198位) 背番号87 193cm 109kg Tennessee 1979年3月13日生

経歴 : 高校2年からフットボールを始めたので、フットボール歴は6年。高校時代はバスケもプレーしていたが、バスケで奨学金を得ることが出来ず、バスケのコーチに「君の進む道はフットボールだ」と薦められてテネシー大へ。テネシー大で3年、4年とスターター。ただし毎試合先発ではない。2000年は、パスキャッチ29回・285ヤード・3TD。「プロでやるにはTEが向いている」というプロのスカウトの評価を聞いて、シーズン終了後に肉体改造に取り組む。ウェイトルーム通いとプロテインで、スカウティング・コンバインまでに15ポンド体重を増やすことに成功。

セールスポイント : 193cm・108kgの体を生かしたフィジカルなプレイ。ジャンプ力もあるので高いパスに競り勝つ。昨年急速に成績を伸ばした。3年生までは、ボディキャッチをする癖もあってパスキャッチ能力は「そこそこ」と言われていたが、その点も昨年は成長したらしい。スピード・クイックネスはWRとしては不十分だが、TEに転向するなら十分なスピードを持っている。シャーマンHCは以前にもT・デイヴィスをWRからTEに転向させた経験もあって自信を持っている。

弱点? : WRとしてはスピードに欠ける。歩幅が大きく、細かいステップに難がある。ランアフターキャッチが稼げず、ボールを捕ったところで倒されることが多い。TEとしてやっていくにはさまざまなブロックを一から勉強しなければいけない。それまではスペシャルチーム要員でもある。

パッカーズにとって : 一言で彼を表すとしたら”Project”つまり長期計画とのこと。仮にフィジカル能力が十分だったとしてもTEとしてのブロックを短期間に身に付けるのは容易ではない。しかし4月のミニキャンプが終わったとき、シャーマンHCは出来の良かった選手としてマーティンの名を挙げている。2番手TEのT・デイヴィスが太り過ぎた体でミニキャンプに参加して、首脳陣は不満を募らせている。デイヴィスの尻を叩くためにもマーティンが早く戦力になることが必要であろう。

ロン・ウルフ最後のドラフト指名 : 彼はロン・ウルフGMの生涯最後のドラフト指名でもある。過去にも下位指名からいくつものダイヤモンドを掘り出してきたウルフらしい大胆な指名といえる。ただし、ロン・ウルフは「オクラホマ大のJosh Heupel(QB)を指名したかったのだが、ドルフィンズが先に指名してしまった」とも告白している。

ルーキー・ミステイク : ドラフト指名を受けたとき、彼は早くもひとつのルーキー・ミステイクを犯した。「グリーンベイに行くのを楽しみにしています。パッカーズの多くの選手、特にブレット・ファーヴとプレーすること、さらに楽しみなのはホルムグレンHCと一緒に仕事ができることです」

◆ 一年目を終えて ◆

意外なことに、今年のルーキーの中で最も早く出場機会が与えられた。大学時にはWRをプレー。サイズの大きさとパスキャッチの上手さを買って、最初からタイトエンドへ転向させるつもりでのドラフト指名だったため、当然使い物になるまでは時間がかかるものと思われていた。しかしキャンプでは、パスキャッチの上手さとルート取りの良さをアピールし、課題のブロックもそこそこクリア。早くも2番手TEの座を勝ち取って開幕を迎えた。

しかし、やはり経験を必要とするタイトエンドのポジションはルーキーにとっては甘いものではなく、なかなか思うようにプレーできない。しかもシーズンが進むにつれて、チームはRBグリーンのためのブロック力を必要とするようになり、ケガから復帰したベテランTEタイロン・デイヴィスに2番手の座を明け渡すことに。13パスキャッチ、144yds、1TDでシーズンを終えたマーティンは、プレーオフ2試合では45人ロースターに加わることさえ出来なかった。

パスキャッチもルート取りも、先発のフランクスより上ではないか、と評価する声も多い。それを生かすためには、今オフの間にしっかり鍛えてバルクアップし、ブロック力を向上させることだ。

▲ ページトップへ

updated : 2002/02/01