おくればせながら2012年を振り返って、レギュラーシーズンのチームスタッツのまとめ。今季前半終了時・2011年・2010年も参照のこと。
ディフェンス | |||||||||||||||
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Total | 失点 | ラン | ラン(1回) | ランTD | Fum | FumRec | パス | パス% | パスavg | パスTD | INT | Rating | サック | 3rd% | Red |
336.8 | 21.0 | 118.5 | 4.5 | 12回 | 18回 | 5回 | 218.2 | 55.1% | 6.7 | 24回 | 18回 | 76.8 | 47回 | 37.9% | 60.4% |
11位 | 11位 | 17位 | 26位 | 16位T | 20位T | 28位T | 11位 | 4位 | 7位T | 16位 | 8位T | 4位 | 4位 | 15位 | 27位 |
昨季NFL最下位まで落ちたトータルディフェンスが11位へとV字回復し、オフェンス成績のダウンをかなり補った。失点も11位と上出来。MIN2戦とプレーオフ49ers戦でラン守備が崩壊したので印象はよくないものの、ドラフト5巡まで6人すべてディフェンスで固めた補強策が成果を上げたのはたしかだ。過去2年間はヤーデージとくらべて失点が少なかったが、今季が同順位だったのはインターセプト(1位→8位タイ)が減ったからだろうか。
ラン守備は昨季の14位から17位へとすこし下がったが、1回平均ヤードは4.7ydsから4.5ydsへと改善している。今季前半のラン守備12位(平均は18位)からダウンしたのは、12月のMIN2戦でRBエイドリアン・ピーターソンに計409ydsも走られたためだ。平均ヤードが改善したといっても4.5ydsはとても褒められた数字ではない。打つ手なしだったリード・オプション対策も来季の重要な課題。
例年どおりよくないのはファンブルフォース&リカバーの部分。とくに相手ランプレーではファンブルフォース3回(最下位タイ)、リカバー1回(27位タイ)と非常に悪い。ハードヒッター不在(とくにILB陣)はあきらかで、ファンブルフォースを得意とするウッドソンの9試合欠場も響いた。
パス守備は昨季の最下位から11位へとジャンプアップした。パス1回あたりのゲインは昨季の7.8ydsから6.7ydsへと大幅に改善し、相手レーティングも76.8と申し分ない。
新人CBヘイワードの加入、CBシールズとCBウィリアムズの復調によるパスカバレッジの向上が非常に大きな力になった。OLBマシューズが4試合欠場したにもかかわらずサック(29回→47回)が大幅に増えたのは、純粋なパスラッシュ力の向上よりもカバレッジの向上によるところが大きいのでは。インターセプトのチャンスを逃すプレーが多く昨季よりも数字が下がったが、昨季は追い上げを狙う相手の無理投げが多かったかもしれない。
残念なのはレッドゾーンTD率が27位へと下がったこと。自陣深くに攻め込まれると踏ん張り切れない脆さがあった。
スペシャルチーム | ||||||||||||||
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Kickoff | Punt | Kickoff Ret. | Punt Ret. | Field Goals | ||||||||||
Avg. | TB | TB率 | Coverage | Avg. | In20 | TB | Coverage | Net | Avg. | Long | Avg. | Long | 成功率 | 回数 |
65.2 | 35回 | 39.8% | 23.4 | 42.9 | 30回 | 5回 | 7.5 | 38.9 | 25.0 | 46 | 11.0 | 75 | 63.6% | 21回 |
11位T | 16位 | 19位 | 15位 | 26位 | 7位T | 12位T | 5位 | 22位 | 10位 | 24位 | 8位 | 9位T | 32位 | 28位T |
昨季躍進したスペシャルチームは今年もほぼその成績をキープした。Dallas Morning News紙のリック・ゴセリン記者によるスペシャルチームランキング(22部門のスタッツを総合)では昨季の13位から1つ上げて12位に。FG成功率が最下位なので、その他の部門が昨季より成績を上げたということだろう。 Football Outsiders によるスペシャルチーム総合ランキングでは昨季の8位から18位へと下がっている。
Kメイソン・クロスビーのキックオフは少しだけ飛距離が伸びたが、タッチバック率がダウン。フィールドゴールでスランプの時期は練習過多のせいかタッチバックの飛距離も下がっていた。
問題はなんといってもKクロスビーのフィールドゴール。昨季は自己ベストの85.7%だったのに今季はNFLダントツ最下位の63.6%(21/33)に。ただ失敗12回のうち7回は50yds以上で(2/9の22.2%)、40yds未満は83.3%(10/12)、40yds台は75%(9/12)。50yds以上を5回以上トライしたのは11チームしかない。それでも大スランプだったのは明らかで、クビにならなかったのが不思議なほどだ。
ここ数年はNFL全体のパント成績がぐんぐん上がっていて、寒冷地球団がそれについていくのは容易ではない。以前はネットで40yds超といえば夢のような数字だったのに、今季はなんと15チームも40ydsを越えている。5年前は2チーム、10年前はゼロ。ネット38.9ydsは10年前ならNFLトップだった。
今季のPティム・マステイのパントはあきらかに飛距離よりハングタイム重視。相手のフェアキャッチ数は昨季の10回(28位タイ)から26回(3位タイ)へと躍進し、パントカバレッジ(相手のリターン)も12.7ydsから7.5ydsへとよくなり、許した最長が25ydsどまり(3位タイ)だった(昨季は75ydsのリターンTDあり)。その結果、Pマステイは昨年作ったネット38.6ydsの球団記録をさらに更新。”インサイド20”30回も球団記録タイ。第6週HOU戦でパントブロック&リカバーTDを許したのはプロテクションチームのミスだった。
カバレッジチームはパントが5位へと大幅に向上。前述のようにPマステイのハングタイムも貢献している。キックオフカバレッジは昨季とまったく変化なし。チーム全体にケガ人が多く、代役スターターとなってスペシャルチームから外れる選手もいる中で、頻繁にメンバーを入れ替えながらカバレッジチームはよくやったと言えるのでは。第7週JAX戦ではパントブロック(CBハウス)&リカバータッチダウン(OLBモーゼス)も成功させている。
リターンではキックオフ、パントの両部門ともNFLのトップ10に入った。WRランドール・コブが両リターンともよく頑張ったが、贅沢を言えばキックオフリターンの最長が46ydsというのはやや物足りない。来夏のキャンプでは、レシーバーとして大活躍のコブをWRに専念させるかどうかが1つの焦点となりそうだ。コブ負傷で代役を務めたWRジェレミー・ロスはパントリターン4回平均25.8ydsと成績向上に貢献したが、第15週CHI戦ではラテラルをキャッチミスしてファンブルロスト、プレーオフの49ers戦でもパントをマフしてファンブルロストしている。
今季目立ったのはトリックプレーを5回も敢行したこと。成功3回、失敗2回。なぜか5試合とも勝利している。こうした決断はSTコーチではなくヘッドコーチが下すもので、「勝利にはスペシャルチームのビッグプレーが必要」というマッカーシーHCの気持ちから出たものだろうか。いつもスペシャルチームで苦しめられてきたベアーズ相手に2回やったことも興味深い。