グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2012年2月10日

2011年スタッツ集 ディフェンス・スペシャルチーム編

今季レギュラーシーズンのチームスタッツのまとめ。今季前半終了時2010年2009年も参照のこと。

ディフェンス
Total 失点 ラン ラン(1回) ランTD Fum FumRec パス パス% パスavg パスTD INT Rating サック 3rd% Red
411.6 22.4 111.8 4.7 10回 19回 7回 299.8 61.2% 7.8 29回 31回 80.6 29回 42.6 54.1
32位 19位 14位 26位 6位T 20位T 26位T 32位 19位 27位 27位T 1位 10位 27位T 26位 18位

昨季は5位だったトータルディフェンスがNFL最下位に、2位だった失点が19位へと急降下。シーズン最後まで立て直すことができないどころか、やればやるほど悪くなる一方だった。

ヤーデージの割に失点が少ないのは、進まれてもインターセプト(1位)でしのいでいること、大量リードした終盤にプリベントディフェンスのために(大勢に影響のない)ヤードを許したこと、それにこちらのオフェンスが無駄なターンオーバーでピンチを招かないことも寄与しているだろう。

ラン守備はほぼ横ばい。1回平均4.7yds(26位)も許したわりに1試合あたりのランydsが少ないのは、大量リードされた相手がランをコールできなくなる試合が多かったせいだろう。NTピケットを除いてDL陣はプレー内容が悪くなった選手ばかりで、中でもB.J.ラジの伸び悩み(または悪化)がひどい。

ゴールライン守備はまずまずだったのでTDランは少ないが、TDパスを簡単に許すので相手はランで勝負する必要がなかったのかもしれない。ファンブルリカバーが少ない傾向はここ数年ずっと続いている。

昨季優勝の原動力だったパス守備の悪化はまるで悪夢のよう。ヤーデージは5位から最下位へ、パスTD数は4位から27位タイへ、パス成功率は4位から19位へ、パス1回あたりのゲインは5位タイから27位へ、3rdダウン成功率は9位から26位へとダウンしている。パス守備4796ydsはNFL史上最悪記録。

先日書いたようにサック数が2位タイから27位タイへと暴落。プレッシャー不足がパス守備悪化の最大の要因だった。FSコリンズの戦線離脱とCB陣の不調によるカバレッジ能力のダウンもたしかに大きかったが、あれだけQBに時間を与えてはいずれレシーバーに振り切られてしまう。二線級のQBたちがGB戦になるとシーズン最高クラスの数字を残したのはそのためだ。

唯一がんばったのはテイクアウェイ(1位タイ)で、1試合あたり2回ちかいインターセプト(31回で1位)を奪った点は素晴らしい。優れた"Ball Hawk"が揃っていることもあるが、ふつうに3rdダウンを止められないためにINT狙いのギャンブル的なカバレッッジに頼った面もある。「INTで止めなければ失点」というパターンは明らかだった。

スペシャルチーム
Kickoff Punt Kickoff Ret. Punt Ret. Field Goals
Avg. TB TB率 Coverage Avg. In20 TB Coverage Net Avg. Long Avg. Long 成功率 回数
64.8 49回 44.5% 23.4 45.6 23回 4回 12.7 38.7 24.5 108 10.9 80 85.7% 24回
19位 3位 15位 15位 15位 19位T 8位T 28位 19位 12位 1位 12位 6位T 10位 17位T

スペシャルチームは多くの部門で成績を向上させ、チームの足手まとい状態からついに脱却した。 Football Outsiders によるスペシャルチーム総合ランキングでは昨季の26位から8位へと躍進。フィールドポジションの向上がディフェンスの大不振をある程度補った。

キックオフのタッチバック率は昨季の29位(4.8%)から15位(44.5%)へと向上。昨季まではプレースメント重視でKクロスビーが短く高いボールを蹴らされる場面も多かったが、今季はキックオフ位置の5yds前進により、本来の飛距離を活かしたタッチバック狙いができるようになった。なお、今季NFL全体でキックオフのタッチバック(1120回)は全キックオフの43.5%にのぼり、昨季の16.4%から激増している。

Pマステイのパント成績はリーグ全体では真ん中あたりだが、寒冷地球団としては素晴らしい数字で、グロス45.6ydsもネット38.7ydsも球団新記録となった。タッチバックが4回しかなかったのも立派。Pクレイグ・ヘントリック移籍(1998年)以来のパンター問題にようやくピリオドを打つことができたようだ。開幕戦でRBスプロールズに許した72ydsのリターンTDだけが惜しまれる。

リターナーでは新人WRランドール・コブが活躍し、こちらもCBアレン・ロッサム移籍(2002年)以来の人材不足が解消した。同一年にキックオフリターンとパントリターンの両方でタッチダウンを挙げた選手は球団史上初めて。余計なダンスをせず、密集を恐れず縦に突っ込む勇気が素晴らしく、クイックネスやビジョンもいい。問題はボールセキュリティで、パントのマフによるロストが2回、キックオフリターンでのファンブルロストが1回。ただ、本来キャッチング自体は下手ではないので、経験を積んで判断が早くなっていけば問題ないのではないか。

なお、キックオフリターンはNFL全体で昨季より平均1.5yds伸びた(22.3→23.8)。ただし、前述のようにタッチバックが激増してリターンに至らないプレーばかりなので、実際の平均オフェンス開始ポジションはかなり下がったはず。(スタッツが見当たらない)

カバレッジチームはキックオフがほぼ昨年並み、パントが28位へと悪化している。50yds台後半のパントをまっすぐ蹴ってしまうとどうしてもカバーチームの足が追いつかず、相手リターナーは数字を稼ぎやすい。「パントが56yds飛んで16ydsリターンされてネット40ydsでオッケー」といった展開の多いシーズンだった。今後はもう少し飛距離よりハングタイムとコントロール重視にさせた方がよいのかもしれない。

フィールドゴールはKクロスビーがキャリア最高の成功率85.7%を記録。開幕から第10週まで23本連続成功の球団新記録も作った。ただ、失敗ゼロだったシーズン前半と違い、後半は9/13の69.2%へとダウンしている。4回のFG失敗はすべて屋外スタジアム(ホーム2回、アウェー2回)で、低温や強風のゲームが多かったのはたしか。

カテゴリ : Football