グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2013年2月 9日

2012年スタッツ集 オフェンス・ターンオーバー編

レギュラーシーズンスタッツのまとめ、今回はオフェンス、ターンオーバー、反則について。今季前半終了時2011年2010年のスタッツも参照のこと。

オフェンス
Total 得点 ラン ランavg ランTD Fum Lost パス パス% パスavg パスTD INT Rate サック 3rd% Red TOP
359.4 27.1 106.4 3.9 9回 16回 8回 253.1 67.0% 7.8 40回 8回 108.3 51回 42.3 68.6% 30:29
13位 5位 20位 22位 25位T 7位T 9位T 9位 3位 6位 2位 1位T 1位 31位 9位 2位 16位

昨季は数々の球団記録を打ち立てたオフェンス力が大幅にダウンした。トータルオフェンスでトップ10から外れたのは7年ぶり。マッカーシーHCが就任して以来初めてのことだ。

トータルヤーデージの割に得点が多く、5位をキープしたのは立派。自軍ディフェンスによるテイクアウェイが昨季の38回から23回へとダウンし、しかもFG失敗が多かったことを考えると、この得点効率はほぼオフェンス独力によるものだ。レッドゾーンTD率は昨季より向上して2位となり、インターセプトによる逸機がきわめて少ない。

総タッチダウン数は昨季の70回(1位)から53回(4位)へと減少したが、それでも一昨年の優勝シーズン(46回で8位)よりも多い。タッチダウンの内訳はパス40回(2位)、ラン9回(25位タイ)、ディフェンス2回(INT1回・Fum1回)、スペシャルチーム2回(パントリターン1回・パントブロック1回)。

OL陣の弱体化、WR陣の相次ぐケガ、相手に研究されたことなどでパス攻撃は9位へとダウン。こうした状況でレーティング1位を守ったのはQBロジャースのたいへんな功績であり、昨季(NFL史上最高レーティング)よりも価値が高い、という声もある。少なくなったチャンスを着実にタッチダウンに結びつけ、それでいて無理投げをしないクォーターバッキングが11勝の原動力となった。

悪化した中でも、パス1回平均ヤーデージが9.3ydsから7.8ydsへと下がったのが目立つ。40yds以上のパス成功が昨季の16回(2位タイ)から9回(12位タイ)へ、20yds以上のパス成功も昨季の70回(2位)から55回(9位タイ)へと大幅に減り、破壊力の低下を裏付けている。Pro Football Focus によるとQBロジャースのロングパスの精度(53.2)は今季もNFL1位だが、昨季(ダントツの60.7)よりはかなり下がった。パス全般の正確性(80.2)は昨季(80.6)とほぼ同じでNFL1位を守っている。

もともと多かった被サックはNFL31位へとさらにダウン。Cウェルズの退団やRTブラガの戦線離脱でOL陣の戦力が低下したのはたしかだが、問題はパスプロテクションだけではなかった。Journal Sentinel紙の判定ではQBロジャースに原因のあるサックが14回もあり(昨季は6.5回)、2009年(16.5回)に次ぐ多さ。昨季と比べてレシーバーがダウンフィールドでフリーになれず、通してもらえるのはショートパスばかり。そうした状況が長く続き、打開の兆しが見えてきたところでシーズンが終わってしまった。

ラン攻撃は昨年や一昨年とほぼ同じ低空飛行。シーズン序盤の攻撃不振の後はパス一辺倒を改めてバランスド・オフェンスを志向した。1試合あたりのラン回数は昨季の23.9回から26.1回に。「逃げ切りモード」の時間が昨季より少なかったことを考えると、実質はもっとランの比重が増えている。こちらからそう仕掛けたというよりも、両セーフティを深く下げてパスを警戒する相手に、ランを増やすよう仕向けられたという意味合いが強い。つまり、パスだけで攻め切る破壊力が今季はなかった。

ランブロッキングはCウェルズのFA移籍でインサイドが弱くなり、頼みの右サイドでもRTブラガが戦線離脱して苦しいやり繰りを強いられた。ランの比重を増やそうという矢先にRBセドリック・ベンソンが負傷。代役スターターのRBアレックス・グリーンは1回平均わずか3.4yds、先発した4試合では平均2.8ydsと悲惨な成績だった。終盤にようやくRBドゥワン・ハリスが台頭して平均4.6ydsとよく頑張ってくれた。

タイムオブポゼッションでなんとか30分以上をキープできたのは、オフェンス力の低下をディフェンスの改善で補ったということだろう。

ターンオーバー 反則
Takeaways Giveaways DIFF 回数 ヤード
Total Int FumRec Total Int FumLos      
23回 18回 5回 16回 8回 8回 +7 103回 923yds
18位T 8位T 28位T 2位T 1位T 9位T 10位 18位T 23位

過去3年連続でトップ5をキープしていたターンオーバーレシオが10位にダウン。オフェンスの被インターセプトとファンブルロストが少なく、ディフェンスのファンブルリカバーが少ない、という傾向は今季も変わらない(QBロジャース時代に入ってからは常にそうだ)。ただ、昨季1位だったインターセプトが13も減ってしまった。

オフェンスの被インターセプトが1位タイなのは素晴らしいのひと言。昨季(おなじく8INT)はQBフリンによるインターセプトが2つあり、レシーバーの弾いたミスが3つあったことを考えれば、今季はQBロジャースのミスがそれだけ増えたということだ。昨季が素晴らしすぎたのだが。QBロジャースがINTリターンTDを喰らったのはキャリアわずか1回(2009年TB戦)。QBファーヴは1997年からの11シーズン、年平均2.1回あったらしい。

ファンブルの少なさは今年も健在だが、QBロジャースのファンブルロストが昨季のゼロから4回へと増えた(キャリア最多タイ)のはよくない傾向だ。ファンブル5回のうち4回はRTブラガが戦線離脱したバイウィーク以降のもの。その他のファンブルロストはRBグラント1回、TEフィンリー1回、WRコブ1回(パントリターン)、QBハレル1回。そのほか、RBベンソン、RBグリーン、RBスタークスの3人はゼロだった。

ディフェンスの奪ったインターセプト18回の内訳は、CBヘイワード6回(NFL5位タイ)、CBシールズ3回、CBトラモン・ウィリアムズ2回、OLBウォルデン2回、Sバーネット2回、Sジェニングス1回、Sマクミリアン1回、Sウッドソン1回(GB移籍以来最少)。

ディフェンスのファンブルリカバーは例年よりさらに少ない8回。ランプレーでのファンブルフォース3回はNFL最少だった。ただでさえボールを奪える人材が少ないところへ、ハードヒッターのILBビショップがシーズン全休、Sウッドソンが9試合欠場したのも痛かった。ILBホークはなんと5年連続でファンブルフォースがゼロ。リカバーやインターセプトを合わせた彼の「ターンオーバー・プレー」は2年連続でゼロだった。

過去2年間よかった反則が103回923ydsへと大幅に増え、チームの足を引っ張った。とくに悪化したのはディフェンスで、昨季の19回から48回へと約2.5倍に。ディフェンスとしては2007年(64回)以来最悪だった。DL陣は昨季ゼロと素晴らしいシーズンだったが、今季は13回。オフサイド(エンクローチメント含む)がチーム全体で16回もあった(NFL平均は7.9回)。

DB陣の反則はCBウィリアムズとCBシールズのそれぞれ5回が最多。シーズン前半には毎週のように誤審気味のインターフェアを取られてしまい、回数よりヤードが多いのもそのせいだろう。

オフェンスの反則48回は2007年以来最少。フォルススタートは昨季の29回から17回へと大幅に減った(NFL平均は19.3回)。代役選手の出場が多かったことを考えればよくやった方か。また、相手チームの反則は123回1055yds(どちらも多い方から2番目)もあり、パッカーズ側の反則より20回132yds多い。今季は神経質な審判団に当たってしまったのかもしれない。

カテゴリ : Football