前半8試合を終えたところでチームスタッツのまとめ。2011年・2010年・2009年のスタッツも参照のこと。すでにバイウィークを終えて消化試合数が1つ少ないチームも多いので、TD数など実数の順位については参考程度に。
オフェンス | ||||||||||||||||
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Total | 得点 | ラン | ランavg | ランTD | Fum | Lost | パス | パス% | パスavg | パスTD | INT | Rate | サック | 3rd% | Red | TOP |
344.6 | 26.0 | 90.1 | 3.7 | 2回 | 7回 | 3回 | 257.4 | 68.9% | 7.3 | 22回 | 4回 | 109.0 | 28回 | 41.9% | 72.0 | 29:39 |
21位 | 10位 | 26位 | 27位 | 30位T | 7位T | 6位T | 12位 | 1位 | 13位T | 1位 | 4位T | 1位 | 31位 | 12位 | 2位 | 19位 |
トータルヤーデージが3位から21位へと転落。主にパス攻撃の悪化によるものだ。得点力のダウン(1位→10位)がこの程度で済んでいるのは、ディフェンス(昨季が悪すぎた)の向上とスペシャルチームのビッグプレーによるものだろう。この表には載せていないが、ディフェンスやスペシャルチームを含めた総TD数はNFL2位の26回。
パス攻撃は昨季が素晴らしすぎたという面も大きく、WRジェニングスのケガなどで破壊力が大幅にダウンしているところ。ランが出ない上に被サックで下がるために、3rdダウン成功率が低下している。レシーバー陣の落球は昨年も多かったが今年はさらに悪化(ESPNによるとNFL最多の19回)。それでも、ショートからミドルレンジのパスをよく通し(成功率1位)、無理投げせずにレーティング1位を維持しているQBロジャースは立派のひとこと。
中でも問題はビッグプレー不足。昨季全体で70回(2位)あった20yds以上のパス成功が今季はまだ22回(17位)しかなく、40yds以上のパス成功も、昨季の16回(2位タイ)から4回(8位)へと半減。ビッグプレーの減少がヤーデージの悪化(1回平均9.3→7.3)に直結している。敵陣レッドゾーンでのTD率は昨季より向上し、ビッグプレー不足を決定力の高さで補っている。
ラン攻撃の悪さはあいかわらず。せっかく補強したRBセドリック・ベンソンが長期欠場中で、代役RBアレックス・グリーンの能力不足やCジェフ・サタデーの衰えが指摘されているところだ。パス主体のチームとはいえ、3rdダウンショートでランをコールできないのはつらい。TD数がパスに偏っているのは(ラン2回 : パス22回)、敵陣ゴール前でもランをコールしないためだ。RB陣がファンブルロストを1つも犯していないのは立派。
ターンオーバー | 反則 | |||||||
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Takeaways | Giveaways | DIFF | 回数 | ヤード | ||||
Total | Int | FumRec | Total | Int | FumLos | |||
10回 | 9回 | 1回 | 7回 | 4回 | 3回 | +3 | 52回 | 504yds |
19位T | 7位T | 29位T | 3位T | 4位T | 6位T | 9位T | 23位T | 31位 |
ターンオーバーレシオはなんとか+3を維持しているものの、昨季の+24(2位)から大幅ダウン。昨季はディフェンスの悪さをインターセプトで補っていたが、今年はヤーデージが回復した代わりにインターセプトが奪えない。
ファンブルロストはTEフィンリー、QBハレル(ハンドオフ失敗)、QBロジャース(サック)のそれぞれ1回だけで、RB/FB陣はゼロ。ファンブルもRB陣ではベンソンが1回あるだけだ。ラン攻撃不調が強調されるなか、ボールセキュリティの高さはチームに貢献している。QBロジャースは昨季ファンブルが4回だけだったのが、今季はさらに向上してわずか1回。NFL最多の28サックを喰らいながら、これだけボールをこぼさないのは驚異的だ(ファンブル4回以上のQBが11人いる)。負け試合でもすべて1ポゼッション差に収まっているのは、被インターセプトを含めたボールセキュリティのおかげだろう。
いっぽうディフェンスのテイクアウェイは大幅にダウン。昨季1位だったインターセプトが大きく減り、ヤーデージの向上を相殺してしまっている。INTチャンスに味方がぶつかり合うなど、運が向かない面も大きかった。いっぽうファンブルフォースの少なさはここ数年続いていて、今年はさらに悪化。8試合目のジャガーズ戦でようやく今季初ファンブルリカバーを決めることができた。ラン守備で積極的にボールを狙う意識や技術の問題ではないか。
反則は1位タイ(回数)だった昨季から大幅に悪化した。オフェンスはパスプロ不振によるホールディングが多く、ディフェンスはつまらないオフサイドが目立っている。反則ヤーデージはさらに悪く、すでに昨季(2位)の13試合分にあたる504ydsも失った。ただし今季は誤審によるパスインターフェア(しかもロングパスが多い)やアンネセサリーラフネスがやたらと多く、選手ばかりを責められない部分はある。
ディフェンス | |||||||||||||||
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Total | 失点 | ラン | ラン(1回) | ランTD | Fum | FumRec | パス | パス% | パスavg | パスTD | INT | Rating | サック | 3rd% | Red |
342.1 | 21.2 | 103.9 | 4.1 | 5回 | 7回 | 1回 | 238.2 | 58.2% | 6.9 | 12回 | 9回 | 80.0 | 26回 | 36.0 | 60.0 |
13位 | 12位T | 12位 | 18位 | 13位T | 26位T | 29位T | 19位 | 8位 | 13位 | 20位T | 7位T | 11位 | 1位T | 10位 | 24位 |
昨季NFL最下位だったディフェンスが大幅に回復し、ザルディフェンスから脱却できたのは喜ばしい。とくにサック数の増加が著しく(すでに昨季のトータルに迫る)、若手揃いのDB陣を助けている。いっぽう失点が意外に減っていない(22.4→21.2)のは、テイクアウェイが減ったからだろう。
パス守備が回復したといっても、強力オフェンスとの対戦が少なかったせいもある。その証拠に、第4週セインツ戦では昨季開幕戦とほぼ同じ474ydsを許した。新戦力の加入でパスラッシュが向上したのはたしかだが、それは弱体OL陣との対戦が多かったからでもあり、サック数増加を喜んでばかりもいられない。パスydsは1試合あたり約60ydsも減ったのに、レーティングがほぼ同じなのはインターセプトが減ったため。また、レッドゾーンTD率は昨季の54.1%(18位)から60.0%(24位)とやや勝負弱くなっている。
ラン守備は昨年の1回平均4.7ydsから4.1ydsへと大きく向上。DEウィルソン、DEウォージー、OLBペリー、OLBウォルデン、SSマクミリアンなど若手の新加入と成長、それにギャップ・ディリプリンの向上のおかげだろう。それでも、ランを止めて3rdダウンロングに追い込んでパスラッシュ勝負、という理想の形にはまだ足りない。ファンブルフォースの少なさは前述のとおり。
スペシャルチーム | ||||||||||||||
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Kickoff | Punt | Kickoff Ret. | Punt Ret. | Field Goals | ||||||||||
Avg. | TB | TB率 | Coverage | Avg. | In20 | TB | Coverage | Net | Avg. | Long | Avg. | Long | 成功率 | 回数 |
66.8 | 23 | 54.8 | 25.1 | 43.7 | 21回 | 3回 | 6.9 | 40.4 | 27.4 | 46 | 9.7 | 75 | 69.2 | 9回 |
5位 | 10位 | 9位 | 19位 | 23位 | 1位 | 15位T | 9位 | 15位T | 7位 | 18位 | 11位 | 4位 | 32位 | 28位T |
昨季大きく伸びたスペシャルチームが今年もよく頑張っている。上記の数字以外に、フェイクFGからのTDパス成功、フェイクパントからのラン成功、サプライズオンサイドキック成功と、3つのビッグプレー成功がどれも勝利に結びついた。いま気がかりなのはKクロスビーのスランプだけだ。
キックオフはタッチバック率がさらに向上。ただ今季はホームで好天、アウェーでドーム球場が多く、これから気候が悪くなれば飛距離が多少ダウンしてくるはず。カバレッジは昨季より1.7yds悪くなっているものの、今はタッチバックが多くリターン回数が少ないので、この程度なら大勢に影響はない。相手リターンの最長を38ydsに抑えているのもいい。
Pティム・マステイのパントはラインのミスでブロックされたのが1回あったほかは文句なし。今後天候が悪くなってからがパンターの腕の見せどころだ。「インサイド20」が1位なのは、オフェンスがドライブ途中で失速してハーフライン付近から蹴る機会が増えたためだろう。じっさい、1試合あたりのパント回数は昨季3.4回(少ない方から数えて3位)だったのが、今季は4.9回(22位)へと急増している。
リターンはどちらもWRランドール・コブが一手に引き受け、キックオフリターンで7位、パントリターンで11位と、昨年よりさらによくなっている。懸念されたボールセキュリティの点では、第1週と第3週にパントのマフがあったが(自らリカバー)、全体としては昨季より向上している。
スペシャルチーム唯一のマイナス材料はKメイソン・クロスビーのフィールドゴール。50yds以上のFGは4本のうち3本失敗し、どれも蹴った瞬間に失敗とわかる外れ方。第7週まで50yds未満のFGをすべて決めていたのが、先日のジャガーズ戦ではなんと32ydsを失敗してしまった。チームも本人も平静を装ってはいるが、久しぶりのスランプに自信が揺らいでいるはず。ミドルレンジのFGまでおかしくなると、敵陣でのオフェンスの組み立てに悪影響を与えかねない。