グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2012年10月31日

2012年シーズン前半 スタッツ集

前半8試合を終えたところでチームスタッツのまとめ。2011年2010年2009年のスタッツも参照のこと。すでにバイウィークを終えて消化試合数が1つ少ないチームも多いので、TD数など実数の順位については参考程度に。 

オフェンス
Total 得点 ラン ランavg ランTD Fum Lost パス パス% パスavg パスTD INT Rate サック 3rd% Red TOP
344.6 26.0 90.1 3.7 2回 7回 3回 257.4 68.9% 7.3 22回 4回 109.0 28回 41.9% 72.0 29:39
21位 10位 26位 27位 30位T 7位T 6位T 12位 1位 13位T 1位 4位T 1位 31位 12位 2位 19位

トータルヤーデージが3位から21位へと転落。主にパス攻撃の悪化によるものだ。得点力のダウン(1位→10位)がこの程度で済んでいるのは、ディフェンス(昨季が悪すぎた)の向上とスペシャルチームのビッグプレーによるものだろう。この表には載せていないが、ディフェンスやスペシャルチームを含めた総TD数はNFL2位の26回。

パス攻撃は昨季が素晴らしすぎたという面も大きく、WRジェニングスのケガなどで破壊力が大幅にダウンしているところ。ランが出ない上に被サックで下がるために、3rdダウン成功率が低下している。レシーバー陣の落球は昨年も多かったが今年はさらに悪化(ESPNによるとNFL最多の19回)。それでも、ショートからミドルレンジのパスをよく通し(成功率1位)、無理投げせずにレーティング1位を維持しているQBロジャースは立派のひとこと。

中でも問題はビッグプレー不足。昨季全体で70回(2位)あった20yds以上のパス成功が今季はまだ22回(17位)しかなく、40yds以上のパス成功も、昨季の16回(2位タイ)から4回(8位)へと半減。ビッグプレーの減少がヤーデージの悪化(1回平均9.3→7.3)に直結している。敵陣レッドゾーンでのTD率は昨季より向上し、ビッグプレー不足を決定力の高さで補っている。

ラン攻撃の悪さはあいかわらず。せっかく補強したRBセドリック・ベンソンが長期欠場中で、代役RBアレックス・グリーンの能力不足やCジェフ・サタデーの衰えが指摘されているところだ。パス主体のチームとはいえ、3rdダウンショートでランをコールできないのはつらい。TD数がパスに偏っているのは(ラン2回 : パス22回)、敵陣ゴール前でもランをコールしないためだ。RB陣がファンブルロストを1つも犯していないのは立派。

ターンオーバー 反則
Takeaways Giveaways DIFF 回数 ヤード
Total Int FumRec Total Int FumLos      
10回 9回 1回 7回 4回 3回 +3 52回 504yds
19位T 7位T 29位T 3位T 4位T 6位T 9位T 23位T 31位

ターンオーバーレシオはなんとか+3を維持しているものの、昨季の+24(2位)から大幅ダウン。昨季はディフェンスの悪さをインターセプトで補っていたが、今年はヤーデージが回復した代わりにインターセプトが奪えない。

ファンブルロストはTEフィンリー、QBハレル(ハンドオフ失敗)、QBロジャース(サック)のそれぞれ1回だけで、RB/FB陣はゼロ。ファンブルもRB陣ではベンソンが1回あるだけだ。ラン攻撃不調が強調されるなか、ボールセキュリティの高さはチームに貢献している。QBロジャースは昨季ファンブルが4回だけだったのが、今季はさらに向上してわずか1回。NFL最多の28サックを喰らいながら、これだけボールをこぼさないのは驚異的だ(ファンブル4回以上のQBが11人いる)。負け試合でもすべて1ポゼッション差に収まっているのは、被インターセプトを含めたボールセキュリティのおかげだろう。

いっぽうディフェンスのテイクアウェイは大幅にダウン。昨季1位だったインターセプトが大きく減り、ヤーデージの向上を相殺してしまっている。INTチャンスに味方がぶつかり合うなど、運が向かない面も大きかった。いっぽうファンブルフォースの少なさはここ数年続いていて、今年はさらに悪化。8試合目のジャガーズ戦でようやく今季初ファンブルリカバーを決めることができた。ラン守備で積極的にボールを狙う意識や技術の問題ではないか。

反則は1位タイ(回数)だった昨季から大幅に悪化した。オフェンスはパスプロ不振によるホールディングが多く、ディフェンスはつまらないオフサイドが目立っている。反則ヤーデージはさらに悪く、すでに昨季(2位)の13試合分にあたる504ydsも失った。ただし今季は誤審によるパスインターフェア(しかもロングパスが多い)やアンネセサリーラフネスがやたらと多く、選手ばかりを責められない部分はある。

ディフェンス
Total 失点 ラン ラン(1回) ランTD Fum FumRec パス パス% パスavg パスTD INT Rating サック 3rd% Red
342.1 21.2 103.9 4.1 5回 7回 1回 238.2 58.2% 6.9 12回 9回 80.0 26回 36.0 60.0
13位 12位T 12位 18位 13位T 26位T 29位T 19位 8位 13位 20位T 7位T 11位 1位T 10位 24位

昨季NFL最下位だったディフェンスが大幅に回復し、ザルディフェンスから脱却できたのは喜ばしい。とくにサック数の増加が著しく(すでに昨季のトータルに迫る)、若手揃いのDB陣を助けている。いっぽう失点が意外に減っていない(22.4→21.2)のは、テイクアウェイが減ったからだろう。

パス守備が回復したといっても、強力オフェンスとの対戦が少なかったせいもある。その証拠に、第4週セインツ戦では昨季開幕戦とほぼ同じ474ydsを許した。新戦力の加入でパスラッシュが向上したのはたしかだが、それは弱体OL陣との対戦が多かったからでもあり、サック数増加を喜んでばかりもいられない。パスydsは1試合あたり約60ydsも減ったのに、レーティングがほぼ同じなのはインターセプトが減ったため。また、レッドゾーンTD率は昨季の54.1%(18位)から60.0%(24位)とやや勝負弱くなっている。

ラン守備は昨年の1回平均4.7ydsから4.1ydsへと大きく向上。DEウィルソン、DEウォージー、OLBペリー、OLBウォルデン、SSマクミリアンなど若手の新加入と成長、それにギャップ・ディリプリンの向上のおかげだろう。それでも、ランを止めて3rdダウンロングに追い込んでパスラッシュ勝負、という理想の形にはまだ足りない。ファンブルフォースの少なさは前述のとおり。

スペシャルチーム
Kickoff Punt Kickoff Ret. Punt Ret. Field Goals
Avg. TB TB率 Coverage Avg. In20 TB Coverage Net Avg. Long Avg. Long 成功率 回数
66.8 23 54.8 25.1 43.7 21回 3回 6.9 40.4 27.4 46 9.7 75 69.2 9回
5位 10位 9位 19位 23位 1位 15位T 9位 15位T 7位 18位 11位 4位 32位 28位T

昨季大きく伸びたスペシャルチームが今年もよく頑張っている。上記の数字以外に、フェイクFGからのTDパス成功、フェイクパントからのラン成功、サプライズオンサイドキック成功と、3つのビッグプレー成功がどれも勝利に結びついた。いま気がかりなのはKクロスビーのスランプだけだ。

キックオフはタッチバック率がさらに向上。ただ今季はホームで好天、アウェーでドーム球場が多く、これから気候が悪くなれば飛距離が多少ダウンしてくるはず。カバレッジは昨季より1.7yds悪くなっているものの、今はタッチバックが多くリターン回数が少ないので、この程度なら大勢に影響はない。相手リターンの最長を38ydsに抑えているのもいい。

Pティム・マステイのパントはラインのミスでブロックされたのが1回あったほかは文句なし。今後天候が悪くなってからがパンターの腕の見せどころだ。「インサイド20」が1位なのは、オフェンスがドライブ途中で失速してハーフライン付近から蹴る機会が増えたためだろう。じっさい、1試合あたりのパント回数は昨季3.4回(少ない方から数えて3位)だったのが、今季は4.9回(22位)へと急増している。

リターンはどちらもWRランドール・コブが一手に引き受け、キックオフリターンで7位、パントリターンで11位と、昨年よりさらによくなっている。懸念されたボールセキュリティの点では、第1週と第3週にパントのマフがあったが(自らリカバー)、全体としては昨季より向上している。

スペシャルチーム唯一のマイナス材料はKメイソン・クロスビーのフィールドゴール。50yds以上のFGは4本のうち3本失敗し、どれも蹴った瞬間に失敗とわかる外れ方。第7週まで50yds未満のFGをすべて決めていたのが、先日のジャガーズ戦ではなんと32ydsを失敗してしまった。チームも本人も平静を装ってはいるが、久しぶりのスランプに自信が揺らいでいるはず。ミドルレンジのFGまでおかしくなると、敵陣でのオフェンスの組み立てに悪影響を与えかねない。

カテゴリ : Football