グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2011年2月18日

2010年スタッツ集 ディフェンス・スペシャルチーム編

今季レギュラーシーズンのチームスタッツのまとめ。プレーオフの数字は含まない。今季前半終了時2009年2008年のスタッツも参照のこと。

ディフェンス
Total 失点 ラン ラン(1回) ランTD Fum FumRec パス パス% パスavg パスTD INT Rating サック 3rd% Red
309.1 15.0 114.9 4.7 6回 22回 8回 194.2 56.2% 6.5 16回 24回 67.2 47回 36.2% 48.4%
5位 2位 18位 28位 3位 15位T 24位T 5位 4位 5位T 4位 2位 1位 2位T 9位 12位

昨年2位へと飛躍したトータルディフェンスが5位に下がったが、失点2位は文句なしに素晴らしい。ドム・ケイパースDCによる3-4導入から2年目となって選手がシステムに習熟したこと、若手の成長でパス守備が向上したことが最大の理由だろう。今季前半は平均失点17.0点、後半は13.0点。スケジュール的にはむしろ後半の方がキツかったにもかかわらずだ。

ギブアウェイ(ターンオーバー献上)は2009年の16回(1位)から22回(10位)へと増えているので、失点が減ったのは純粋にディフェンスの向上によると見ていい。ラン・パスともに「曲がっても折れない」ディフェンスが勝利に結びついた。

ただしラン守備は1位(83.3yds)から18位(114.9)へと悪化し、1回平均も3.6yds(2位タイ)から4.7yds(15位)へとダウン。理由はよくわからないが、LB陣のケガ人続出や先発ノーズタックル交代(ピケット→ラジ)と関係があるのかどうか。しっかり止める場面と、コンテインをしくじって10yds以上走られる場面がはっきり分かれていた印象で、ずるずるとランで圧倒されたゲームは少ない。TDランをわずか6回に抑えたゴール前の強さも評価できる。

パス守備は素晴らしい数字が並び、優勝の原動力となったことがよく表れている。相手QBレーティングはNFL1位の67.2。2009年は未熟なQBをコテンパンにするゲームと優秀なQBにコテンパンにされるゲームが両極端だったが、今季は粘り強さが増した。パスTD数が29回から16回へと激減、レッドゾーンTD率も28位から12位へと向上。そのおかげで、2009年は30失点以上のゲームが6回(プレーオフ含む)もあったのが、今季は1回(NE戦)だけだった。

サックは大幅に増えてNFL2位タイの47回に。マシューズの逆サイドは相変わらず物足りないが(それでもゾンボとウォルデンで計7サック)、NTラジ(6.5)とDEジェンキンズ(7)がよく頑張った。インサイドからのパスラッシュ向上がサック増につながり、3メンラッシュでもそれなりにプレッシャーがかけられるため、3rdダウンロングでのパス守備が安定した。

テイクアウェイは計32回でNFL6位。"Ball Hawk"軍団は今季も健在で、インターセプトはすこし減ったものの2位をキープ。ただしファンブルリカバーはわずか8回で24位タイ。ラン守備でのファンブルフォースが少なく、相手QBのファンブルも少ない。右OLBによる背後からのサックが少ないからだろうか。

スペシャルチーム
Kickoff Punt Kickoff Ret. Punt Ret. Field Goals
Avg. TB Coverage Avg. In20 TB Coverage Net Avg. Long Avg. Long 成功率 回数
61.6 4回 21.8 43.9 25回 5回 11.0 37.6 20.1 51 7.9 52 78.6% 22回
29位 29位 12位T 11位T 16位 10位T 25位T 16位 26位 22位 22位 17位T 23位T 24位T

スペシャルチームはパント部門で大きな進歩が見られたものの、それ以外は2009年とさほど変わらず、チームの足手まといという状況から抜け出せていない。Football Outsider によるスペシャルチーム総合ランキングでパッカーズは27位。Dallas Morning Newsのリック・ゴセリン記者の集計によるランキングでは29位(2009年のセインツも29位で優勝した)。今年こそショーン・スローカムSTコーチを解任すべき、という声はまだくすぶっている。

キックオフの飛距離は2009年よりさらに悪化し、タッチバックはわずか4回だけ。新人の頃はあんなによく飛んでいたKメイソン・クロスビーだったのに、なぜこんなに飛ばなくなったのか。ただ、コーナーを狙ったり転がしたり高く蹴ったりと、小技はうまくなった。今季1回だけ蹴ったオンサイドキックも成功させている(NE戦)。

明るい材料はPティム・マステイのパント。序盤はやや苦しんだものの、シーズン半ばから安定感を増し、ピンチにも強くなった。平均飛距離はさほど変わっていないが、相手リターンを差し引いたネットが37.6ydsと大幅アップしたのはハングタイムがあるせいだ。ネットNFL16位は地味に見えるが、寒冷地のチームとしては優秀な成績。当たったときの長距離パントだけでなく、敵陣レッドゾーンに落とすプーチパントが非常に上手い。2009年のPカピノスは「インサイド20 : フェアキャッチ : タッチバック 」の比率が15:7:10と最悪だったが、今季のPマステイは25:18:5。とくに第7週NYJ戦と第17週CHI戦では、好パントの連続でヒーローの1人になった。

12位タイのキックオフカバレッジは及第点だが、前述のように飛距離が出ていないので、少々カバレッジがよくても相手に良いフィールドポジションを与えてしまっている。パントカバレッジ(相手がリターンした場合のみ)は第3週CHI戦でTDを許すなどやや悪化したものの、敵陣エンドゾーン手前でボールを押さえる好カバレッジもあり、ネット平均の向上に貢献した。

Kメイソン・クロスビーのフィールドゴール成功率は2009年より回復したものの、NFL23位タイの78.6%と今年も今ひとつだった。失敗6回のうち、20yds台が1回(SF戦)、30yds台が1回、40yds台が2回、50yds台が2回。WAS戦では53ydsの決勝FGを決められず。これまで彼が終了直前の決勝FGを決めたのは、依然として2007年デビュー戦の1回だけだ。今年はフリーエージェントとなるので、再契約するかどうか考えどころだろう。

毎年同じことを書いているが、今年もリターンゲームはパンチに欠け、オフェンスを助けることができなかった。CBトラモン・ウィリアムズに任せたパントリターンは、キャッチングの確かさを加味すればまずまずか。

キックオフリターン不振は明らかに人材不足で、フロントの責任もあるだろう。ケガのCBウィル・ブラックモンを開幕前に放出すると、ロクなリターナー候補が残っていなかった。WRネルソンは平均22.5ydsと一番よかったが、第4週DET戦で2回もファンブルロストを犯し、コーチの信頼も自信も失ってしまった。代わったCBパット・リー(13回平均20.4yds)は横に逃げる走りが目立ち、CBサム・シールズ(21回平均21.5yds)もブロッカーの使い方にセンスが感じられない。

カテゴリ : Football