グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2011年11月10日

2011年シーズン前半 スタッツ集

前半8試合を終えたところでチームスタッツのまとめ。2010年2009年2008年のスタッツも参照のこと。消化試合数が1つ多いチームもあるので、TD数など実数については参考程度に。

オフェンス
Total 得点 ラン ランavg ランTD Fum FumLos パス パス% パスavg パスTD INT Rate サック 3rd% Red TOP
416.4 34.4 104.4 4.0 5回 5回 4回 312.0 72.2% 9.8 24回 4回 127.1 20回 50.0% 59.4% 31:54
4位 1位 20位 20位 17位T 3位T 11位T 3位 1位 1位 1位 2位T 1位 21位 4位 8位 6位

トータルオフェンス4位、得点1位と申し分ない成績。1試合あたりのヤーデージが昨季より58ydsアップ、得点が8.2点アップ、1プレーあたりのゲインも昨季の5.7yds(6位)から6.7yds(1位)へと伸びている。今季の向上分はほとんどパス攻撃のおかげと言っていい。総TD数も昨季46回(8位タイ)だったのが今季すでに33回(1位タイ)と破壊力が増している。

ラン攻撃の向上はわずかだが、RB陣だけのラン1回平均を計算してみると、昨季の3.53ydsから今季は4.22ydsとかなり良くなっている。今季はQBロジャース(5.6yds→3.4yds)がスクランブルで昨季ほど走れていないうえ、勝利決定後のニーダウン(9回-9yds)もカウントされるため、表面上の数字が悪くなる。敵陣ゴール前でもパスで攻め切ってしまうのでランTD数は伸びないが、ラン攻撃の質そのものは一昨年並みに回復したと言えそう。

パス攻撃は球団史上に残る絶好調で、昨季開幕時に思い描いたようなオフェンスができるようになった。QBロジャースの的確な読みと判断力と正確無比なパス、そしてレシーバー陣の充実により、相手がどんなディフェンスを仕掛けてきても手詰まりになっていない。開幕前は「LTクリフトンのケガだけは困る」と言われていたが、OLのアラを目立たせないのも一流QBの手腕。

唯一よくないのは被サックだが、必ずしもOLのパスプロが崩れたわけではなく、QBロジャースの持ち過ぎによるものが多い。無理投げしないこととセットになっているので、ある程度は仕方がない。被サック後の3rdダウンロングをちゃんと成功させられるところが立派。

ターンオーバー 反則
Takeaways Giveaways DIFF 回数 ヤード
Total Int FumRec Total Int FumLos      
19 16回 3回 8回 4回 4回 +11 43回 315yd
2位T 1位 24位T 4位T 2位T 11位T 3位 4位 1位

ターンオーバーレシオは今年も非常によく、8連勝を支えている。パス守備がインターセプトを量産し、ファンブルリカバーが少なく、オフェンスの被インターセプトとファンブルロストが少ない、という傾向はここ数年ずっと続いている。

QBロジャースの被インターセプトが少ないのはさんざん報道されているとおり。4INT(うち1つはQBフリン)のうち3つはWRが弾いたもので、明らかなQBの判断ミスはベアーズのMLBアーラカーにやられたものだけだ。判断がよく、コントロールがいいので、「あわやインターセプト」という場面さえ今年は少ない。

RB陣のボールセキュリティがしっかりしているので、ファンブルロストは今年も少ない。WRコブがパントリターンで2つロストしたのが半分を占め、ランプレーでのファンブルロストはRBスタークスとRBグラントがわずか1回ずつ。QBロジャースが20サックを浴びながらファンブルわずか1回、ロストゼロという点は特筆に値する。(ファンブル4回以上のQBは18人)

ディフェンスはNFL最多の16インターセプトで不振を補っている。FSコリンズが戦線離脱したが、代役のFSバーネットとSSペプラーが合わせて7INT。昨季はLB陣も計6INTを挙げたが、なぜか今年のINTはすべてDB陣によるもの。

反則は一昨年まで毎年NFL最多を争っていたが、昨年(少ない方から)3位へと躍進し、今年もそれをキープしている。OLによるフォルススタートやホールディングが多くを占めていて、ディフェンスのオフサイド系やスペシャルチームのブロッキングの反則が少ない。アンネセサリーラフネスなどパーソナルファウルも少なく、規律の高さを示している。

ディフェンス
Total 失点 ラン ラン(1回) ランTD Fum FumRec パス パス% パスavg パスTD INT Rating サック 3rd% Red
399.6 22.4 100.0 4.6 4回 10回 3回 299.6 59.2% 7.9 16回 16回 80.3 19回 43.6% 50.0%
30位 17位 8位 22位T 5位T 14位T 24位T 31位 11位 24位T 30位 1位 10位 17位 27位 15位

トータルディフェンスは5位から30位へ、1試合あたり90ydsもダウン。後述のようにパス守備の悪化が著しい。ヤーデージのわりに失点は悪化していないが、それはインターセプトでしのぐ場面が多いことや、オフェンスがターンオーバーを犯さないおかげだろう。ただ後半途中で大量リードを奪うゲームが多く、相手が無理やりパスで攻めてくる(こちらは少々のヤーデージなら許す)ために数字が悪化しやすい面はある。

パス守備の悪化は目を覆うばかりで、すでに昨季全体と同じ16TDを許している。20yds以上のパスは昨季全体で44回(10位タイ)だったのが、今季はすでに38回(29位タイ)。パス1回あたりのゲイン(5位タイ→24位タイ)も大幅に悪化している。頑張っているのはインターセプト(1位)だけで、それができなければ即失点。その結果、1試合あたりの相手パント回数は昨季の4.8回から今季は3.6回(31位)になっている。3rdダウン成功率も43.6%(27位)へと大幅悪化。

パスラッシュ不振はサック数(2位タイ→17位)を見れば明らか。昨季は47サックのうち、通常のパスラッシャーであるDL陣/OLB陣のサックが39.5回を占め、ILB陣/DB陣によるサックは7.5回だった。今季は19サックのうち、DL陣/OLB陣のサックが10回、ILB陣/DB陣によるサックが9回。つまり、ブリッツに頼らなければサックを奪いにくい。ロングパスがよく通るのはDB陣のカバレッジミスとパスラッシュ不振の相乗効果によるのだろう。

ラン守備はほぼ昨年並で、けっしてよくはない。1試合あたりのヤードが少なくなったのは、大量リードされた相手が後半にランをコールできなくないだけ。ファンブルリカバーが少ないのも昨年までと同じ傾向。リカバー数は運不運にもよるが、ブラインドサイドからのサックが少ないことも影響していそうだ。

スペシャルチーム
Kickoff Punt Kickoff Ret. Punt Ret. Field Goals
Avg. TB TB率 Coverage Avg. In20 TB Coverage Net Avg. Long Avg. Long 成功率 回数
65.7 29回 52.7% 25.3 44.5 7回 2回 17.5 34.2 26.1 108 8.3 43 100% 15回
12位 4位 10位 24位 19位 30位 10位T 32位 31位 6位 1位 21位 10位 1位T 12位T

スペシャルチームは全体としてみれば向上したと言える。FG成功率とキックオフとキックオフリターンがよくなり、パントカバレッジの不振を上回っている。ここまでの8試合、フィールドポジション争いは6勝1敗1分け。昨季まで頻繁にあった、「得点直後にビッグリターンを喰らって即ピンチ」という場面がほとんどなくなり、安定感あるゲーム運びができるようになった。

キックオフ位置の変更でビッグリターンの脅威が小さくなり、最も恩恵を受けているのはパッカーズかもしれない。昨季Kクロスビーは滞空時間重視のキックオフを求められたが、今年は飛距離優先のタッチバック狙いが可能になり、すでにタッチバック29回(昨季はわずか4回)。オフェンスが得点する回数が多いだけに、直後の相手オフェンスが敵陣深くから始まるのは大きい。

Kメイソン・クロスビーはフィールドゴール成功率100%と絶好調で、ほとんどが両アップライトの真ん中近くを通っている。50yds超は2本ともドームでのものだが、飛距離はまだ余裕があった。後半8試合のうち5試合が(天候の厳しくなる)ホームゲームなので、このまま100%をキープするのはなかなか難しい。それでもKクロスビーにとってベストシーズンになるのは間違いなさそう。

ひどいのはパントカバレッジで、NFL最下位の17.5ydsと低迷している。カバーチームのミスばかりではなく、シーズン序盤にPティム・マステイは滞空時間の短いパントが多かったことも響いている(開幕戦のRBスプロールズの一発TDを除けば12.9yds)。ただ好調オフェンスのおかげでパント回数(少ない方から3番目)そのものが少ないため、パントリターン合計227ydsは22位とダメージはさほど大きくない。

長年人材不足に悩まされてきたリターナーだが、2巡指名WRランドール・コブの入団で一気に解消。開幕戦の108ydsリターンTDの他にも、彼らしい思い切りのいいプレーが随所に見られる。パントのキャッチングでマフが2回(どちらもロスト)あったのは大きな減点材料だが、本来キャッチングは非常に上手いので、経験を積んで判断力を磨いていけば問題ないのではないか。無駄なダンスをせず縦に突っ込むところがいい。

カテゴリ : Football