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NPBのランボーフィールド巡礼記 1

■ はじめに

ファンサイト管理人としての最大の悩みが、現地観戦経験のないことだったのはご存知の通り。しかしそれももう終わりだ。事の起こりは今年の2月、ちょうどサイト開設1周年のあたりのこと。「グリーンベイに行こう」企画でお世話になったジャスティンさんに、「あのー・・・、もし今年行かれるなら、よろしければご一緒に」と思い切ってお願いしたところ、「こちらも皆さんとのツアーを考えていたところです!」との快諾をいただき、夢が現実になる道筋が見えてきた。

2人が実際に顔を合わせて打ち合わせをしたのは、ジャスティンさんが8月末に名古屋出張に来た時の一度だけ。こちらは秋冬には仕事がかなり暇になるため、日程はどのようにでもなる。だから、「全てそちらに合わせますので、なにとぞよしなに」とお願いし、全面的にジャスティンさんの能力に依存した計画が本格始動した。Packer Zone掲示板で参加者を募り、さらに今回の打ち合わせ専用の掲示板を、ジャスティンさんが設置して話を煮詰めた結果、けんちゃんkobyさんも参加してくれることになり、合計4人で11月10日のデトロイト戦に乗り込むことが決まった。

年齢は、「スーパーボウル観戦記」でおわかりのように、けんちゃんが50代で、ファン歴30余年の大ベテラン。他の3人はみな30代のようである。私は名古屋、ジャスティンさんは東京、けんちゃんは広島、kobyさんはサンフランシスコ在住。けんちゃんはこの機会にニューヨークの旧友を訪ね、ついでに東海岸の各地を旅行するとのことなので、11月の始めに渡米し、グリーンベイで落ち合うことにした。もちろんkobyさんも現地集合。観戦チケットはジャスティンさんがEvent USAで4枚まとめて購入してくれて、1人170ドル。私の場合、航空券の購入まで一緒にお願いしてしまったから、もう何から何までお世話になりっぱなしだ。もちろん、向こうではもっとお世話になることになる。
 

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4席並びを買うことができた

■ 11月 9日(土) シカゴからグリーンベイへ

11時間あまりの空の旅を終え、私とジャスティンさんがシカゴ西郊のオヘア国際空港に降り立ったのは昼少し前。我々がパッカーズのフリースやらジャンパーを着込んでいるため、係員の女性に「グリーンベイに行くの?」と笑顔で聞かれる。考えてみればここは敵地シカゴ。私には大雑把な返事しか出来ないが、ジャスティンさんは英語が堪能なのでちゃんと対応できてうらやましい。もっとも今年のベアーズの成績では、なんと声を掛けていいものやら。

外に出ると、空はどんよりと曇っている。この日はかなり気温が高く、東京や名古屋と変わらない気温17℃。北海道並の寒さを覚悟して来ているので、少し拍子抜けだ。慣れたジャスティンさんにくっついてレンタカー会社Hertzのシャトルバスの巡回スポットへ。しばらく待つとバスが来て乗り込む。運転手は太った黒人のおにいさん。まるで歌うように節をつけて、この周辺のハイウェイの番号などを紹介してくれる。

すぐにHertzの営業所に到着。驚くほど広い。東京ドーム何個分だろう。ジャスティンさんが”Hertz #1Gold Club”の会員として予約してあるので、会員専用スペースへ行き、サインボードで指示された番号のパーキングまで行くと、キーの付いた車に乗り込むだけ。大きなマーキュリーだ。ジャスティンさんの運転で、ゲートを通っていざ出発。

94号線を通って一路北を目指す。シカゴ - ミルウォーキー間はかなりの交通量だ。この日から3連休のせいか、トラックが少なく、自家用車の比率がかなり高いように感じる。アメリカのハイウェイは日本のように壁に囲まれていないので、景色がよく見えて開放感がある。北海道旅行が好きなので地平線は珍しく感じないが、やはり雰囲気がどこか違う。すぐにイリノイ - ウィスコンシン州境を越えた。紅葉はすでに終わっているが、ところどころに銀杏か何か黄色く色づいていて、北海道で見た黄金色に輝く落葉松の林を思い出した。

一時間ほどでミルウォーキーを通過。大きなビルも多く、都会だ。教会の尖塔があちこちに見える。どれもとても立派だが、なぜこんなに教会が要るのだろう。ミルウォーキー市街を抜けたあたりで運転を交代。私はアメリカでの運転は初めてだ。とは言ってもミルウォーキーより北は交通量が少ないし、ウィンカーとワイパーを間違える他には何も問題はなかった。左右には延々と田園風景が続いている。牧草地が多く、あちこちにサイロが建っている。ときどき牛の群れがいる。ホルスタイン種のような白黒模様なので、乳牛なのだろう。

美しい冬枯れのウィスコンシンを北へ向かって走り続ける。空は北国らしい鉛色だが、こちらは気分爽快だ。ジャスティンさんおすすめのクラシック・ロック専門のラジオ局を聞きながら、話も弾む。「時速70マイルなら取り締まりも大丈夫」とジャスティンさんは言うのだが、道が空いているので、すぐに80マイル(128km/h)を超えてしまう。幸いネズミ捕りには引っかからなかったが、次回は気を付けなければ。シカゴからおよそ3時間のドライブで、いよいよグリーンベイ市内に到着。胸が高鳴ってくる。

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updated : 2002/12/20