QBアーロン・ロジャースが2011年シーズンNFLのMost Valuable Playerに選出された。今季の彼はパス4643yds(球団新)、成功率68.3%(球団新)、45TD(球団新)、6INT、レーティング122.5(NFL新)の大活躍。全米のベテラン記者50人のうち48票を集め、2位QBドリュー・ブリーズ(2票)を大きく引き離した。もちろん彼にとっては初めての受賞で、現役で受賞している選手はQBペイトン・マニング、QBブレイディ、RBトムリンソン、QBロジャースの4人しかいない。
1957年に始まった同賞の歴史において、パッカーズではRBポール・ホーナング(1961)、FBジム・テイラー(1962)、QBバート・スター(1966)、QBブレット・ファーヴ(1995・96・97)に次いで球団史上5人目、7回目のMVP受賞となった。球団別ではコルツ(ボルチモア時代含む)の9回に次いで2番目に多い。また、同一球団のQBが2代続けてMVPに輝くのはコルツのジョニー・ユナイタス→アール・モラル、49ersのジョー・モンタナ→スティーヴ・ヤングに続いて3例目。
なお、AP通信による同賞は事実上NFLの公式MVPとなっている。投票はすでに1月3日に行われており、プレーオフは加味されない。今回は初めての試みとして、スーパーボウル前夜に"NFL Honors"と銘打った大イベントを開催し、NBCが2時間番組で録画放送した。昨年までは新人王やコーチ・オブ・ザ・イヤーなど各賞がスーパーボウル・ウィークに順次発表されていたが、今回はアカデミー賞やグラミー賞のような一挙発表となった。
式典にはQBアーロン・ロジャースの他、WRグレッグ・ジェニングスやWRランドール・コブも出席している。授賞式ではQBペイトン・マニング(史上最多の4回受賞)がMVPのプレゼンターを務めた。
ここ数日のパッカーズ関連ニュースをまとめて。
ジョー・フィルビンの後任オフェンシブ・コーディネーターとしてトム・クレメンツQBコーチを昇格させることをパッカーズが正式発表した。フィルビンがドルフィンズの新HCに就任した時点で予想されていたことであり、きわめて順当な人事と言える。オフェンスのプレーコーラーをマッカーシーHCが兼任するシステムにも変わりはなさそうだ。
「トムは我々の成功にとって不可欠な存在であり続けてきた。彼を昇格させるのは当然の選択であり、この機会は彼が実力で勝ち取ったものだ。2012年もオフェンスの成功を続けていけることを我々は期待している」とマッカーシーHCは声明の中で述べている。
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トム・クレメンツはペンシルヴェニア州出身の58歳。名門ノートルダム大のエースQBを3年間務め、通算29勝5敗、1973年には無敗での全米王座に貢献し、ハイズマン賞投票でも4位に入った。その後はCFLで12年間活躍し、新人王、MVP、グレイカップ制覇2回、オールスター選出7回。すでにCFLの殿堂入りも果たしている。
CFLでプレーするかたわら、ロースクールにも通って優秀な成績で卒業した。引退から4年間弁護士としてシカゴで働いたあと、1992年から母校ノートルダム大でQBコーチに。その後セインツ(1997-99)、チーフス(2000)、スティーラーズ(2001-03)でQBコーチを務めた。2004年からビルズのOCを務めたものの、2年目が終わるとマイク・ムラーキーHCとともに解雇され、それ以来パッカーズのQBコーチを務めていた。
妥協を許さぬ厳しいQB指導はアーロン・ロジャースやマット・フリンの成長に大きく寄与した、と最近とみに評価が高まっている。パッカーズ以前には、エルヴィス・ガーバック、コーデル・スチュワート、トミー・マドックスといった必ずしも一流と呼べないQBたちも彼の下でキャリア最高のシーズンを過ごした。
今オフはペン州立大とバッカニアーズのヘッドコーチ職を目指したものの、残念ながら選ばれず。「ヘッドコーチになれなかったことは後悔していないし、再びOCになれたことを喜んでいる。ジョー(フィルビン)がヘッドコーチになったことも、彼の後任になれたことも嬉しい。数年前には(ビルズで)やっていたし、ずっと戻りたかった仕事に、グリーンベイで就くことができて感謝している。素晴らしいチャンスだと思う。数年にわたって成功を収めているとはいえ、我々はまだ若いチームであり、成長の余地を大きく残している」
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問題は後任のQBコーチだが、こちらは依然として候補がはっきりしない。クレメンツが兼任する可能性もなくはないが、そうであれば今回一緒に発表されているはず。ベン・マカドゥーTEコーチの場合も同じだろう。となると、やはり外部からの招聘をマッカーシーHCは考えているのではないか。
パッカーズディフェンスのサック数は昨季の47回(NFL2位タイ)から今季は29回(27位タイ)へと激減し、パスラッシュ不振がディフェンス悪化の最大の原因となった。ポジション別の内訳(下表)を見てみると、通常のパスラッシュ要員であるDLおよびOLBがサックを奪えず、ブリッツに頼らざるをえない現状がよく表れている。
昨季はDL陣のサックが合計18回(うちDEジェンキンズ7回、NTラジ6.5回)もあり、全体の38.3%を占めたが、今季はわずか6回(ラジとDEウィンが3サックずつ)で全体の20.7%。逆にILB陣およびDB陣によるサックの割合が昨季の16.0%から37.9%へと大幅アップしている。
Journal Sentinel紙によると、ケイパースDCはブリッツの割合を昨季の33%から今季は42.2%へと大きくアップさせた(プレーオフを含む)。6メンラッシュの割合も3.7%から6.7%へと増加。少人数でプレッシャーをかけられずにパス成功を許し、やむなくブリッツを増やしてさらに痛い目に遭う、という悪循環はシーズンを通して変えられなかった。
| 2010 | 2011 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| Position | Sack | % | Sack | % | |
| Defensive Line | 18.0 | 38.3% | → | 6.0 | 20.7% |
| Outside Linebacker | 21.5 | 45.7% | → | 12.0 | 41.4% |
| Inside Linebacker | 4.5 | 9.6% | → | 6.5 | 22.4% |
| Defensive Back | 3.0 | 6.4% | → | 4.5 | 15.5% |
| Total | 47.0 | → | 29.0 | ||
個人レベルではおおよそ以下のとおり。
空席の目立つアロハ・スタジアムで繰り広げられる、フラッグフットボールに毛の生えたような競技、といった趣のプロボウル。大事なのは選ばれることで、試合には報じるような内容は何もないが、いちおうパッカーズ選手たちのプレーぶりをまとめると以下のとおり。
ケガ人の多かった2011年オフェンシブラインの変遷は下表のとおり(黄色い文字は負傷で途中退場の選手)。昨季は5人中4人が全試合出場を果たし、変化があったのは右タックルでタウシャーがケガでブラガに先発の座を譲っただけだった。一昨年はこちらの記事参照。
LTクリフトンが10試合欠場、RTブラガが4試合欠場、RGシットンが3試合欠場、3人合わせて途中退場6回。これだけOLにケガ人を出しながらオフェンスのリズムを崩さず、15勝もできたのは大変なことだ。今年はLTクリフトンを残留させるのか世代交代を進めるのかが1つの焦点となる。
| 2011 Packers Offensive Linmen | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Week | Opponent | 勝敗 | Sack | LT | LG | C | RG | RT |
| 1 | New Orleans | W | 2 | Clifton | Lang | Wells | Sitton | Bulaga |
| 2 | Carolina | W | 1 | Clifton | Lang | Wells | Sitton | Bulaga |
| 3 | Chicago | W | 2 | Clifton | Lang | Wells | Sitton | Bulaga/ Newhouse |
| 4 | Denver | W | 2 | Clifton | Lang | Wells | Sitton | Newhouse |
| 5 | Atlanta | 4 | Clifton/ Newhouse |
Lang | Wells | Sitton | Newhouse/ Sherrod |
|
| 6 | St. Louis | W | 1 | Newhouse | Lang | Wells | Sitton | Bulaga |
| 7 | Minnesota | W | 4 | Newhouse | Lang | Wells | Sitton | Bulaga |
| 8 | bye | |||||||
| 9 | San Diego | W | 4 | Newhouse | Lang | Wells | Sitton | Bulaga |
| 10 | Minnesota | W | 3 | Newhouse | Lang | Wells | Sitton | Bulaga |
| 11 | Tampa Bay | W | 2 | Newhouse | Lang | Wells | Sitton | Bulaga |
| 12 | Detroit | W | 2 | Newhouse | Lang | Wells | Sitton/ Dietrich-Smith |
Bulaga |
| 13 | NY Giants | W | 2 | Newhouse | Lang | Wells | Dietrich-Smith | Bulaga |
| 14 | Oakland | W | 1 | Newhouse | Lang | Wells | Dietrich-Smith | Bulaga |
| 15 | Kansas City | L | 4 | Newhouse | Lang/ Dietrich-Smith |
Wells | Sitton | Bulaga/ Sherrod/ Lang |
| 16 | Chicago | W | 1 | Newhouse | Dietrich-Smith | Wells | Sitton | Lang |
| 17 | Detroit | W | 3 | Clifton/ Newhouse |
Lang | Wells | Sitton | Newhouse |
| 18 | bye | |||||||
| 19 | NY Giants | L | 4 | Clifton/ Newhouse |
Lang | Wells | Sitton | Bulaga |
パッカーズの来季16戦の対戦相手は下表のとおりとなっている。来季のNFC北地区チームは、NFC西地区およびAFC南地区と対戦するローテーション。それに加えて同カンファレンス同順位の2チームと対戦する仕組みなので、パッカーズは東地区1位のジャイアンツおよび南地区1位のセインツと対戦する。
対戦相手の2011年成績は合計120勝136敗、つまりパッカーズにとっての"Strength of Schedule"は.468となっている。しかし来季どの相手が強くなるかは、シーズンが始まってみなければわからないもの。2011年開幕時点でパッカーズの"Strength of Schedule"は.508だったが、シーズン終了時点で計算してみると.457と、かなり楽なスケジュールだった。
なお具体的な日程は毎年4月に発表される。
| Packers 2012 Regular Season Opponents | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Opponent | Division | 2011年 | 前回の対戦 | ||||
| Arizona Cardinals | NFC西 | 8 | 8 | L | 45-51 | '09 | |
| San Francisco 49ers | NFC西 | 13 | 3 | W | 34-16 | '10 | |
| New Orleans Saints | NFC南1位 | 13 | 3 | W | 42-34 | '11 | |
| Jacksonville Jaguars | AFC南 | 5 | 11 | L | 16-20 | '08 | |
| Tennessee Titans | AFC南 | 9 | 7 | L | 16-19 | '08 | |
| Chicago Bears | 同地区 | 8 | 8 | 2勝 | |||
| Detroit Lions | 同地区 | 10 | 6 | 2勝 | |||
| Minnesota Vikings | 同地区 | 3 | 13 | 2勝 | |||
| @ | St. Louis Rams | NFC西 | 2 | 14 | W | 24-3 | '11 |
| @ | Seattle Seahawks | NFC西 | 7 | 9 | W | 48-10 | '09 |
| @ | New York Giants | NFC東1位 | 9 | 7 | L | 20-37 | '11 |
| @ | Houston Texans | AFC南 | 10 | 6 | L | 21-24 | '08 |
| @ | Indianapolis Colts | AFC南 | 2 | 14 | W | 34-14 | '08 |
| @ | Chicago Bears | 同地区 | 8 | 8 | 2勝 | ||
| @ | Detroit Lions | 同地区 | 10 | 6 | 2勝 | ||
| @ | Minnesota Vikings | 同地区 | 3 | 13 | 2勝 | ||
| 計 | 120 | 136 | |||||
| Strength of Schedule | .468 | ||||||