パッカーズは3巡30位(全体94位)でスタンフォード大のWR/KRタイ・モンゴメリーを指名。リターナーとして素晴らしい実績を残している選手だ。ドラフト2日目でもILBを獲らなかったことで、クレイ・マシューズは今年もILBをプレーすることが濃厚になったのではないか。昨年4巡指名のILBカール・ブラッドフォードをそれだけ高く評価しているから、という見る向きもある。
Bio : テキサス州ダラス出身。高校ではフットボール、野球、ラクロス、陸上で活躍。スタンフォード大ではレッドシャツを経ず1年目からキックオフリターナーを務め、WRとしても4試合に先発した。3年目の2013年に大ブレークし、キャッチ61回958yds・10TD、キックオフリターン平均30.3yds・2TDを挙げ、カンファレンスの1stチーム(KRとして)および2ndチーム(WRとして)、オールアメリカンにも選ばれた。オール・パーパス2208ydsは同大史上3位。
4年目の2014年シーズンはキャッチ61回604yds・3TDと成績を落としたが、クイックスクリーンなどが増えてダウンフィールドでのキャッチが減ったのが原因らしい。この年はパントリターナーも務めて12回平均19.8yds・2TDと素晴らしい成績だった。40yds走はコンバインでは4.55秒と今ひとつだったが、プロデイでは10ポンド減量して4.38秒を出した。
Strengths : まるでRBのような分厚い体型。下半身ががっちりしていて腕も長い。ランアフターキャッチやキックリターンのように、ボールを持ってからの動きが素晴らしい。ショートからミドルレンジへのパスでDBからセパレートする加速とクイックネスがあり、アーム・タックルを破っていく。密集したミドルでキャッチするタフネスと集中力があり、ビッグヒットを恐れない。テイルバックやワイルドキャットQBの経験もある。熱心なブロッカーで、ボールキャリアーのためにうまくアングルを作る。今ドラフトでの最高のリターナーの1人と目されている。
責任感が強く、練習熱心。物静かだが、行動でお手本を示すタイプ。各球団との面談も評判がよかった。学業の厳しいスタンフォードで政治学を専攻。
Weaknesses : キャッチングが不安定で、(手でなく)体で受けてしまうことがある。体から遠いボールのキャッチがうまくない。過去3年間で落球16回、ファンブル3回。ルート・ランニングをもっと磨く必要がある。TDを量産したのは3年時だけで、昨年は自信を失ったのではないかとの懸念がスカウトたちにはあるらしい。
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チーム事情 : 考えてみれば、2014年パッカーズ最大の弱点はディフェンスよりもキックオフリターナーだった。その最大の穴がすっぽりと埋まり、WRアブレデリス(昨年5巡もACL断裂)の回復をアテにしなくてすむ。これでWRコブやCBハイドをリターナー任務から解放できる見通しが立った。
今年はTEが不作でWRが大豊作らしいので、オフェンスの武器を増やすにはWRの方がマシ、ということはあっただろう。当面は4番手WRを争い、うまくいけば数年前のような強力WR陣を再現することができるかもしれない。悪い方へ転べば、WRコーダレル・パターソン(MINの2013年1巡)のように使いどころの難しい選手になりかねない。
テッド・トンプソンGM : 「私がこの球団に来たときから、QBはブレット・ファーヴやアーロン・ロジャースだ。だから彼らが投げる相手をできるだけ獲ろうと努力してるよ」
サム・シール(西部地区担当スカウト) : 「デカいランドール・コブ」 「ボールに触れるや、ホールに突っ込んでいく。デカく、破壊力がある。彼なら入団すぐからスペシャルチームの連中をプッシュしてチームに貢献してくれると私は信じている」
サム・シールは息子のリッキー(控えRB)がスタンフォードでWRモンゴメリーとチームメイト。そのため、この4年間は息子の試合でWRモンゴメリーをよく観ていたという。
スタンフォード大 : パッカーズでスタンフォード大といえば、なんといっても殿堂入りWRのジェームズ・ロフトン(在籍1978-86)。その他は目だった選手はいない。
紹介記事 : NFL.com / ESPN / CBS Sportsline / スタンフォード大 / ゲーム映像集