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Draft Notebook 2: WR Randall Cobb
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2011年5月 5日
今日は2巡32位(全体64位)指名のWR/KRランドール・コブ(ケンタッキー大)について。指名直後の記事も参照のこと。
身長5フィート10¼(178.4cm)はジェニングスより2cmほど小さく、パッカーズのWRでは最も小さい。しかし全身が筋肉の塊で腰回りもがっちりしており、タックルを振り切る馬力がある。'96年優勝時にリターナーとして貢献したWRデズモンド・ハワードは5-9½(176.5cm)だった。
- 大学ではレッドシャツなし、3年を終えてアーリーエントリーしたため、まだ20歳8か月の若さ。
- 人口7,734人のテネシー州アルコア出身(地図)。アルミニウムで世界的に有名なアルコア社の大きな精錬工場があるためについた地名らしい。
- 彼のいた時代にアルコア高校はテネシー州クラスAA校の選手権で4年連続優勝。後半2年は彼がQBを務め、27勝3敗の好成績だった。高校4年時はパス89/139・1765yds・22TD・2INT、ラン793yds(平均9.0yds)・13TDの猛烈な数字を残し、同州クラスAA校の最優秀選手にも選出された。
- 高校では陸上短距離でも4年間活躍し、100mで10.75秒(州大会3位)、200mで21.89秒のベストタイムを残している。そのほかバスケットボールでも地区の優秀選手に選ばれた。
- 学業でも優等の成績を収め、地元テネシー大からの誘いを蹴ってケンタッキー大へ。レッドシャツを経験せず、1年目からWRで4試合先発(21回197yds・2TD)、QBで4試合先発(パス52/99・542yds・2TD・5INT、ラン316yds)を果たした。
- 大学2年目からは(普通の)QBはプレーせず、WR/KR/ワイルドキャットQBとして走りまくり、パス回数は2年で計23回にとどまっている。レシービングは'09年が39回447yds・4TD、'10年が84回1017yds・7TD。ラッシングは'09年が94回573yds・10TD、'10年が55回424yds・5TD。
- ケンタッキー大のワイルドキャット攻撃は彼の姓から"WildCobb"と呼ばれた。
- パントリターンは通算63回619yds(平均9.8)・2TD。キックオフリターンは通算44回1081yds(平均24.6)。
- 2年連続でオールSECの1stチームに選出。'10年のオールパーパス2396ydsはSECのカンファレンス新記録だった。パスキャッチ84回は昨季のSEC最多。
- ケンタッキー大のWRコーチはかつてスティーラーズで控えQBを務めたティー・マーティン。
- パッカーズ史上、ケンタッキー大出身選手で長く活躍した選手はいない(最多で48試合出場)。ドラフト指名は1972年7巡のDTビル・ブション以来39年ぶり。現在のロースターにはPティム・マステイがいる。
- ボールハンドリングの上手さから、大学ではフィールドゴールのホルダーも務めていた。おもしろいことにその前任者がPティム・マステイ。「ティムと再会するのが待ち切れないよ。彼からホルダーの座を奪えるし」と本人。
- 今ドラフトでは会場に招待された選手の中で最後に指名され、ようやくグリーンルームから出ることができた。6年前にもQBロジャースがそうだったことに気付いたTV司会者は、「テッド・トンプソンはグリーンルームの救い主だ!」
- テッド・トンプソンGMの就任以来、2巡指名WRはこれで4人目。
- 背番号は大学時代と同じ18番に決定。これまではQBダグ・ピダーソンなど控えQBが着けることが多かった。他球団と比べてパッカーズの主力WRが80番台以外を着けることは珍しいが、リターナーも兼ねるマルチなタレントにはぴったりかもしれない。
- ワイルドキャットQBで使う可能性についてマッカーシーHC。「ワイルドキャットができるからランドールを指名したのではない。そこははっきりさせておきたい。こうしたタイプの選手が加わったことを考慮して毎週のプランを立てていくし、これまでと違ったフォーメーションを使えるフレキシビリティができるのはたしかだ。ワイルドキャット流行は知っているし、我々が使えばこれまでになかった要素を加えることにはなるだろう。しかしそのためにドラフトしたのではない」
- 本人のインタビューから。
- 「長時間待つのはとてもつらかったけど、グリーンベイ行きが決まって素晴らしい気分だ。神様の考えることは測りがたい。グリーンベイの指名順にまだ残っていて、僕は幸運だった」
- ロックアウト中だがさしあたってどうする? 「何とかアーロン・ロジャースと連絡を取って彼のいるところならどこへでも行き、できるだけ早く練習を始めて彼とフィールド上での絆を築きたい」
- WRパーシー・ハーヴィン(MIN)に似ているとされていることについて。「彼はたくさんの違った仕事ができるし、非常にアクティブなプレーヤーで、フットボールをよく理解した、とても優れたタレントだ。そして僕もそのタイプによくあてはまると思っている」
- パントリターンとキックオフリターンのどちらが好き? 「パントリターンの方が好きだけど、両方好きだよ。とにかくフットボールをプレーするのが大好き」
- テッド・トンプソンGMの記者会見から。
- 「我々が惚れ込んでいるのは彼の多才さだ。彼はあらゆるポジションをプレーし、どのポジションでもよく機能してきた。フットボールを理解している。QB経験から、ルートやスペースのことをよく理解している。素晴らしいプレーヤーだよ」
- 「スペシャルチームにとって素晴らしい補強であるのは言うまでもない。しかし何といっても彼は本物のレシーバーなのだ」
- 5フィート10¼(178cm)というサイズについて。 「5-7や5-8といった選手はあまり獲らないが、5-10から6-0の間であればウチとしては問題ない」
- WR経験の浅さについて。 「WRとして遅れているとはけっして思わない。むしろ実績が非常に豊富な選手だと我々は考えている」
- エドガー・ベネット新WRコーチの記者会見から。
- 「彼を獲得できて幸運だった。非常に頭のよい子だ。人間的に成熟し、人格の優れた人物だ」
- ポジションはスロット、それともアウトサイド? 「彼なら両方できると思う。そう思うよ。彼を加えるにあたって、そうした制限は設けない」
- コブの強みについて。 「キャッチング能力が高いことはもちろん重要だ。そしてスペースを作り出す能力。ランアフターキャッチの能力。ウチは常にそれを重視しているし、彼の大きな強みの1つだ。バランスがよいのでなかなか倒されず、チャンスを最大限に活かすことができる」
- 大学で実質2年しか本格的なWR経験がないため粗削りなのでは? 「しかし彼は非常に頭がよく、理想的な練習熱心さを備え、フットボールへの強い情熱と愛情を持っている。彼のような若者と一緒に取り組めるのがとても嬉しいよ」
- サイズが小さいことについて。 「NFLには彼より小さい選手たちもいるし、彼には(横幅を含めて)十分なサイズがある。だいいち、彼は非常に耐久性がある。あれほど多くボールに触れる選手でありながら、その点は際立っているよ。WR、QB、RB、そしてリターナーとね。彼は体作りを大事にしているし」
- QB経験があることはオフェンス理解の役に立つのでは? 「そのとおり、彼はそのプレーにおけるチーム全員の役割をよく把握している。QB経験があることで、スクリメージでのリリースの重要性、ルートランナーとしてのフットワーク、どのようにスペースを作り出すかといった点をよく理解できている。NFLに順応する上で必ず役に立つはずだ」
- 下は指名の際のESPN映像。元FBジム・テイラーがクリーム色の殿堂ジャケットを着て指名アナウンスをしている。解説の音声はジョン・グルーデンやメル・カイパーなど。背後では"Go Pack Go!"のチャントも。