他のポジションは代役スターターたちが大きな結果を残したが、このタイトエンド陣に限ってはジャーマイケル・フィンリーの戦線離脱後は誰も穴を埋めることができなかった。元スターターのドナルド・リーはシーズン途中で新人アンドリュー・クウォレスに先発の座を奪われ、出番は減る一方だった。とはいえ新人TEにいきなりの活躍を求めるのが無理な話で、ユニット全体の将来性についてはさほど心配はない。30歳のドナルド・リーを先日解雇したのも、若手への期待の大きさの表れだろう。
今年は大エースのフィンリーが復帰し、2年目のクウォレスとクラブトリーの成長も期待できるので、補強不要のオフシーズンと言っていいかもしれない。ドラフト下位でよほど魅力的な素材がいれば指名も、といったところ。
サイズとスピードに恵まれ、フィンリーによく似たタイプのレシービングタイトエンド。4番手として開幕を迎え、少しずつ勉強していくはずのルーキーシーズンだったが、フィンリーの戦線離脱で実質エースTE役を担うことに。しかし21回238yds・1TDの成績に終わり、パスオフェンスを助けることはあまりできなかった。なかでもチーム最悪の落球率14.3%とパスキャッチが不安定。アサインメントミスはシーズンが進むにつれ減り、ブロッキングもそれなりのレベルになってきた。
オフシーズンからしっかり鍛えたいプロ2年目だが、ロックアウトでコーチの目の届かないのが残念なところ。練習熱心さなど、プロ入り前に指摘されたメンタル面の懸念を払拭したわけではまだない。彼が一人前に成長すれば、マッカーシーHCの好む複数TE隊形から攻める選択肢が増え、オフェンスの幅が広がるはず。
'09年にチーフスにドラフト外入団し、シーズン途中でパッカーズのプラクティス・スクワッドに加わった。昨夏は強力なブロッキング能力が認められ、ヘイヴナーを退けて開幕ロースター入りを果たし、全試合に出場。スペシャルチームではチーム2位タイの12タックルを決めている。スピードはフィンリーやクウォレスに遠く及ばないが、パスキャッチは決して悪くなく、スーパーボウル最後のシリーズでは1ydsのダイビングキャッチで貴重な40秒を稼いだ。
フィンリーが戻ってくる今年はロースター残留も確実ではなく、今オフの成長が重要になる。ヘイヴナーや新人との3番手争いになりそう。
'07年にはエースTEとして575yds・6TDを記録したが、'09年には先発の座を失い、'10年はTEフィンリー離脱後も復活どころかさらに出番が減った。出場スナップでもクラブトリーを下回り、プレーオフではけっきょくパスキャッチゼロ。まだ30歳なのにかつてのスピードはなく、ブロッキングTEとしてならクラブトリーの方が将来性がある。5年契約の最終年となるはずだったが、3月初めに解雇されている。(解雇記事)
シーズン序盤は4試合で21回301ydsを挙げ、実質エースレシーバーの活躍だった。ところが第5週WAS戦、TEリーがファンブルロストした後でタックルしようとしてヒザの半月板を損傷、即インジャリーリザーブ入りとなってしまった。半月板の完全切除ならば数週で復帰も可能だったが、修復(ヒザの将来のためには良い)が可能な状態だったため、予後の長い修復手術を選択することに。その後もひどい感染症のため再手術を受けるなど大変だったらしいが、今はリハビリの最終段階にいるはず。
ストロングサイドLBとして2年間で4試合に出場したあと、'09年にTEにコンバートされていきなり4TDの活躍。しかしTE2年目の'10年はオフシーズンに飲酒バイク自損事故を起こし、トレーニングキャンプでもクラブトリーに競り負けて解雇された。ウェイバーでライオンズに拾われたが、ハムストリングを負傷してけっきょく退団となり、11月半ばにパッカーズに戻ってきた。しかし数週後に再びハムストリングを負傷してインジャリーリザーブへ。現状では4番手にすぎず、今夏は再びクラブトリーや新人たちとの争いが待っている。