2007年から続いてきたジョン・クーン&コーリー・ホールの組み合わせに新人クイン・ジョンソンを加え、きわめて珍しいFB3人体制のまま押し通したシーズンだった。その意図は戦術面でFBを多用したいというのではなく、先輩2人のスペシャルチーム能力を活かしながら、器の大きそうなジョンソンを育てたい、という考えによるもの。クーンの成長はもう頭打ち、ホールはそれなりに伸びているがケガが多く、新人ジョンソンは不安定でアテにしづらい。ランでもパスでもさほど大きく成長したユニットとは言えない。
9日の記事で述べたように、今春はジョン・クーンが制限つきフリーエージェント(RFA)になる。チームとしては2年目のクイン・ジョンソンを軸とし、開幕までにベテランのどちらかに見切りをつける、というのが既定路線のはず。FAでもドラフトでも補強はなさそう。
力の差はあまりないが、いちおうスターター。ショートヤーデージでボールキャリーでき、パスキャッチでも2TDを挙げた。スペシャルチームで頑張ってはいるものの、バッカニアーズ戦ではパントチームで致命的なミスを犯し、パントブロック・リターンTDを許した。どの面でもそこそこの力しかなく、もう伸びシロがなさそうなのが弱点。RFAとして最低額オファーにサインし、キャンプでロースター争いか。
入団と同時にLBからFBに転向。ブロッキングでは着実な進歩を見せ、以前よりも相手を押し込めるようになってきている。サイズは小さめだがアスレチック能力が高く、レシービングでも他の2人より頼りになる。スペシャルチームでは中核の1人。問題はケガの多さで、プロ入り3年間で一度もフル出場したことがない。昨年もふくらはぎとヒジのケガで10試合しか出場できなかった。今年こそスターターの座をつかみたい。
QBフリンと同じルイジアナ州立大から昨年のドラフト5巡指名で入団。サイズを活かしたパワフルなランブロッキングが魅力で、1試合に1回か2回は目をみはるようなブロックをぶちかますが、まだまだ粗削りで不安定。さらに大きな問題はレシービングが下手なことで、ウェストコーストオフェンスで頼りになるレシーバーに成長してくれるかどうか、まだわからない。スペシャルチーマーとしても上記2人に大きく見劣り、出場9試合でタックルを1回も決められなかった。