伝統的にパス主体のパッカーズにしては、ラッシングでかなりの成果を挙げたシーズンだった。チームラッシング1885yds(NFL14位)、ラン1回平均4.3yds(11位タイ)はどちらもマッカーシーHC就任以来最高の成績。RB陣のレシービング成績も前年を上回り、シーズン後半にはスクリーンパスでロングゲインが増えた。またファンブルの少なさは特筆モノで、RB陣全体でファンブルわずか2回、ロスト1回。
ライアン・グラントは不動のエースRBとしてタフに働き、プロボウル一歩手前の好成績。物足りなかった控えRB陣も、シーズン半ばにアーマン・グリーンが復帰してからは戦力がアップし、ランシチュエーションでもグラントを休ませられるようになった。3rdダウンバックのブランドン・ジャクソンはブロッキングが飛躍的に向上し、パス攻撃で重要な役割を果たした。
こうして比較的充実したシーズンを過ごしたRB陣だが、チームがさらに上を目指すためにはもうワンパンチ欲しい、という見方が少なくなく、場合によってはドラフト上位指名もあると予想されている。グラントと争えるような本格RBでもよいし、一発ホームランのある3rdダウンバックのタイプでもいい。グリーンとの再契約は、補強がうまく進まなかった場合に検討するのではないか。
エースRBとして3年目。2008年はハムストリングの問題に苦しんで平均3.9ydsだったが、2009年(とくに後半)は彼らしいロングゲインが復活して平均4.4ydsと活躍した。プロボウル投票はNFC5位で、あと1人辞退者が出れば初プロボウラーだった。落ち着いてブロッキングの展開を見極める能力も向上。全RB中7位の282回キャリーしてファンブルゼロ(唯一のファンブルはパスキャッチ後のもの)というボールセキュリティも素晴らしい。
レシービング成績はそれなりに伸びてはいるものの、キャッチング(落球率9.1%)はやはり今ひとつ。スクリーンパスを含め、ランアフターキャッチのセンスは下記ジャクソンに大きく見劣りする。3年間フル出場して3412ydsも走ってきたので、RBの耐用年数を考えると、そろそろ後継候補を確保すべきかもしれない。
2巡指名入団から3年目。先発RBの器ではないことははっきりしたものの、3rdダウンバックとしての能力に磨きをかけ、とくにパスプロテクションでの頑張りは特筆に値する。足首のケガのため序盤は4試合に欠場したが、復帰後はとくにブロッキングでパスオフェンスの立て直しに貢献した。スクリーンパスでもセンスのよい動きで、シーズン後半はロングゲインを連発した。いっぽうラッシングでは平均3.0ydsとキャリア最低の成績。
エドガー・ベネットRBコーチとの二人三脚でハードワークを続けてはきたものの、3rdダウンバックとしてはもっと一発の魅力のある選手を、という声は少なくない。今年はライバルが入団してくる可能性が高い。
球団記録を塗り替えたかつての大エースが10月後半、2年半ぶりにチーム復帰を果たした。以前のような爆発的なスピードはないものの、ときにはタックラーをひきずるようなパワフルなランでRBグラントの負担軽減に貢献した。今日2月16日が33歳の誕生日。2年在籍したテキサンズではケガに苦しんで14試合しか出場出来ず(先発6試合)、昨年も鼠蹊部のケガで2試合を欠場。グラントの先発の座をプッシュするような働きはもう期待できない。
1年契約なので今春またFAとなるが、8日の記事で述べたように、球団側は今のところ再契約には慎重。おそらく今後の補強の成り行きを見極めた上で、(ケガ人など)展開しだいで夏になってから呼び戻せばいい、と考えているのではないか。
ブロッキング力で新人タイレル・サットン(その後パンサーズへ)に競り勝ち、3年連続開幕ロースター入りを果たしたが、4試合でヒザを負傷してインジャリーリザーブへ。穴が閉じてから突っ込む冴えないラッシング、イージーなパス落球など、負傷前のプレー内容も決してよくなかった。サイズとスピードに恵まれながら、熱意に欠け、キャンプには毎年オーバーウェイトで現れる。今夏よほど進歩を見せないかぎり、チームを去ることになるのでは。
2008年はロースター入りを果たして2試合に出場したが(その後ケガでIRへ)、昨年はまるまるプラクティス・スクワッドで過ごした。ケガ人の多かったシーズン前半も彼を昇格させずRB2人体制でゲームを乗り切ったことを考えると、チーム側の評価はあまり高くないのだろう。ウィンと同様、今年の夏が最後のチャンスになりそう。