2年連続で1000ydsレシーバー2人を輩出し、35歳のドナルド・ドライバーに全く衰えが見られなかったのは素晴らしいが、若手の成長にやや不満の残るシーズンでもあった。グレッグ・ジェニングスはプロボウラーになれず、3年目のジェームズ・ジョーンズと2年目のジョーディ・ネルソンは先発コンビをまったく脅かすことができなかった。
パスオフェンス成績の伸びはTEジャーマイケル・フィンリーの台頭によるもので、パスオフェンスにWR陣の占める割合は低下してしまった。2008年にはパスydsの76.5%、パスキャッチ数の64.7%をWR陣が担っていたが、2009年はそれぞれ70.6%と53.8%にダウン。パスプロ問題でTEやRBへのパスが増えた面は否めないが、昨年のWR陣はイージーな落球が目立ち、その点でもTEフィンリーより見劣りがした。
トップWR4人全員が残留するので、今春も大きな補強は必要なさそう。ただリターナー候補が不足しているので、リターナーのこなせるスピードのあるWRをドラフト中位以降で指名するかもしれない。RBとは違って育成に時間のかかるポジションであるため、トンプソンGMはこれまで早めのドラフト指名を繰り返してきた。
順調に成績を伸ばしてきたジェニングスだが、前年よりも12回179yds少ない68回1113yds、タッチダウンも9回から4回に減ってしまった。チーム最多の118回パスターゲットになったが、それでも2008年より22回少ない。パスプロ不振で最も損をしたレシーバーが彼で、せっかくディープを走っても、そこに投げる時間がQBにないのだからどうにもならない。しかし終盤は調子を上げ、第15週PIT戦、第16週SEA戦、プレーオフARI戦と100yds超の活躍を見せた。
能力的には申し分ないので、あとは1300ydsを超えて初プロボウラーに選ばれること。落球率は前年より改善されたが、それでも試合序盤にやや集中力を欠く悪い癖がある。
遅咲きの努力家ドライバーが6年連続7回目の1000ydsを達成し、通算パスキャッチ647回は球団史上1位、9656ydsは球団史上2位となった。あの歳になってもディープへのスピードやカットバックのキレが衰えないことには驚かされる。ただ彼らしからぬ落球(11回)が増え、プレーオフでも手痛いファンブルロストを犯すなど、シーズン終盤はやや失速気味だった。
オフシーズンの体作りはきわめて熱心なので、さほど急激に衰える心配は要らないかもしれない。それよりも、彼の先発の座を脅かすような若手がそろそろ台頭してほしいところ。
ドラフト3巡指名から3年目。ネルソンを退けて3番手WRの座を(ほぼ)確保し、32回440yds、5TDを記録した。スランプだった2年目よりはよくなったが、ルーキー年(676yds)の期待度からするとまだまだ物足りない。前年よりマシになったとはいえ落球率はWR陣で最も高く、ルート取りも先発コンビと比べるとかなり雑。ガタイは立派だがブロッキングは決してよくない。今年が契約最終年なので、伸び悩みが続くようだとパッカーズは今季かぎりになりかねない。
期待された2年目シーズンだったが、ジョーンズから3番手の座を奪うことができず、わずか22回320yds。シーズン半ばにヒザを捻挫して3試合欠場している。直線スピードやルート取りはジョーンズよりやや上かもしれないが、スターターの器であるとまだ証明できていない。CBブラックモンが戦線離脱してからは、パントとキックオフの両方で正リターナーを務めた。キックオフリターンは25.4ydsと合格点(規定数以上としてはNFL11位)だが、パントリターンはわずか5.3ydsの不振だった。
7巡指名から2年目にして初めて開幕ロースター入りを果たしたが、第7週ブラウンズ戦でヒザを負傷してシーズンエンド。詳細は明らかにされていないが、どうやら前十字靭帯(ACL)断裂らしい。負傷するまでは全試合でアクティブ登録され、パスキャッチはなかったものの、スペシャルチームでよく頑張っていた。開幕のシカゴ戦で相手パントチームのスペシャルプレーに素早く反応して好タックルを決めた。今年はヒザのリハビリを経てキャンプに間に合うかどうか。