グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年7月25日

ロースター展望 LB編 1

パッカーズはこれまでどちらかというとLBを軽視してきたが、今年は1巡5位でA.J.ホーク、さらに3巡でアブドゥル・ホッジを指名し、強力ユニットに変貌する可能性も出てきた。そもそも1巡指名選手が2人いること自体が珍しい。またナイル・ディッグスとの再契約を見送って元ブラウンズのベン・テイラーを獲得、さらにロバート・トーマスもキャンプを待たず解雇し、スターター3人のうち2人が入れ替わることになった。一昨年から残っているLBはバーネットだけだ。

ミドルの先発はバーネット、ウィークサイドはホークで確定。ストロングサイドは新加入のベン・テイラーと2年目のロイ・マニングが争い、3巡ルーキーのホッジ(大学ではミドル専門)も加わるかもしれない。昨年まではパスシチュエーションではバーネットだけを残しダイム隊形(1LB・6DB)にしてしまうことが多かったが、守備範囲の広いホークが加わったことで、ニッケル隊形(2LB・5DB)の比率が増えるという観測もある。

ロースター枠は通常6人。5人のこともある。今日紹介する4人に加え3巡指名のホッジまではほぼ確実で、最後のイスをブレイディ・ポピンガ、カート・キャンベル、トレイシー・ホワイトらが争うか。昨年の4巡指名のポピンガと7巡指名のキャンベルはどちらも昨季ヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂しており、先発争いに加わるのは難しいかもしれない。

ニック・バーネット Nick Barnett

プロ4年目の25歳。オレゴン州立大から2002年のドラフト1巡で入団し、1年目から不動の先発ミドルLBを務めてきたディフェンスのリーダー。スピードがあり、パス守備を含めて守備範囲が広い。タックルはしっかりしているが、オーバーパスートも時おり目立ち、中央からのブリッツもあまり効果的ではない。ハードワーカーでケガが少なく、3年間で1試合しか欠場していない。昨年は入団以来のベストシーズンだったが、欲を言えばもう少しビッグプレーがほしいところ。

どうやら今年はこのままミドルで先発することになりそうだが、サイズが小さく馬力がないため、大学時代にやっていたアウトサイドの方が向いているとの見方も根強い。3巡指名のアブドゥル・ホッジがミドル専門なので、ホッジの成長しだいでは将来ミドルを譲ってアウトサイドに回る可能性もある。

A.J. ホーク A.J. Hawk

オハイオ州立大から今年のドラフト1巡5位で入団した期待の星で、ウィークサイドで先発の予定。詳しくはルーキー紹介を参照のこと。恵まれた身体能力だけでなく嗅覚・判断力にも優れた欠点の少ない選手で、ブリッツ能力も高い。練習の虫でケガにも強く、メンタル面は申し分ない。まるで古きよき60年代のパッカーズを彷彿とさせるようなタフガイだと大きな期待を集めている。

ベン・テイラー Ben Taylor

プロ5年目の27歳。ヴァージニア工科大から2002年のドラフト4巡指名でブラウンズに入団したが、ハムストリング、背中、ヒジ、胸筋とケガが多く、4年間で25試合に欠場している。今春パッカーズと1年契約し、今のところストロングサイドの先発争いで下記のマニングを一歩リードしている。直線スピードはないがアジリティに優れ、フットボールセンスがよい。タフなラン守備と比べるとパスカバレッジには難があるらしい。

昨年1月の就任以来、トンプソンGMのこういった安価なFA補強は無残な失敗を続けてきた。OGマット・オドワイヤー、G/Tエイドリアン・クレム、LBレイ・トンプソン、Sアーテュロ・フリーマン、Sアール・リトル。かろうじてエイドリアン・クレムだけが控えOTとして残っているだけで、それ以外の選手は解雇どころか他チームのロースターにさえ残れていない。今年のLBベン・テイラー、Sマーカンド・マニュエル、WRマーク・ボーリクターあたりがどうなのか、GMの実績からすると心配なところだ。

ロイ・マニング Roy Manning

プロ2年目の24歳。ミシガン大からドラフト入団ながら開幕ロースター入りを果たし、15試合に出場。ケガ人に代わってアウトサイドで2試合先発している。しかしプレー内容の評判はあまり芳しいものではなく、今春のミニキャンプでもテイラーに見劣るだけでなく、トレーシー・ホワイトの方がよく見えた、との声もある。これからの先発争いに敗れれば、以前のパリス・レノンのような便利屋的な控えとなりそうだが、他の若手しだいでは解雇もある。

なお、彼は2004年にミシガン大学内のベストLBに与えられる「ロジャー・ザトコフ賞」を受賞しているが、このザトコフはミシガン大で活躍しパッカーズで1950年代にプレーしたLBとのこと。

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