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Packers Family Night !
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2013年8月 4日
パッカーズ・ファミリー・ナイトは今年が13回目。今回は晴天に恵まれ、観客動員は過去最高の63047人となった($10ドルのチケットは2年連続で完売)。たかがスクリメージ練習(実戦形式)を見るためにランボーフィールドが満員になるというのは驚異的なことだ。テレビでもウィスコンシン各地に生放送された。
注目のスクリメージ練習ではQBロジャースが最初のシリーズでTDを決め、ここでお役御免に。2番手QB争いではB.J.コールマンが2INTの乱調で、グレアム・ハレルの落ち着いたプレーぶりが際立った。1巡指名DEデイトン・ジョーンズはサックを決め、2巡指名RBエディー・レイシーも好ゲインが何度もあった。Kメイソン・クロスビーは6本中4本(うち30yds台が2つ)を失敗し、頭の痛い事態になってきた。
翌日曜は休養日、月曜も「公開練習なし」となっており、公開練習は火曜から再開される。(予定表)
- フラッグフットボールなどさまざまな前座イベントのあと、午後6時半ごろから選手たちのウォームアップ開始。試合の日と同じようにキッカーやパンターから登場し、ポジションごとの各種ドリルが行われる。しだいにスタンドも埋まってくる。
- サイドラインの特設放送席ではアナウンサーと解説ジョニー・グレイが今年のパッカーズの注目点などを取り上げている。選手たちの事前録画インタビュー、トンプソンGMのインタビューなど。
- ウォームアップを終えたチームはいったんロッカールームに引き上げ、7時半からメインイベントがスタート。
- 選手・コーチの入場。ポジションコーチの紹介のあと、そのユニットがグループで入場する。選手個人の紹介はなく、コーチやスタッフの紹介に重点を置いている。可愛らしい女の子による国家独唱(写真)。
- 7時50分からお待ちかねのスクリメージ練習がスタート。オフェンス対ディフェンスのチームドリルは5回あり、必ずその前にスペシャルチーム練習がある。今夏初めてのライブ・タックリング練習だが、スペシャルチームはその限りではない。また、赤シャツを着たQBだけは倒してはならない。
- スクリメージ練習
- スペシャルチーム : キックオフ(クロスビー)&リターン(RBフランクリン)
- ノーハドル練習 : 1stチームオフェンス 対 2ndチームディフェンス (QBロジャース)
- スペシャルチーム : パント&リターン(WRロス)
- 2ndチームオフェンス 対 1stチームディフェンス (QBコールマン→QBハレル)
- スペシャルチーム : パントカバレッジ & キックオフ(Kタヴェッキオ)リターン(WRロス)
- 1stチームオフェンス 対 2ndチームディフェンス (QBコールマンがINT2回)
- スペシャルチーム : フィールドゴール(Kクロスビーが48yds失敗)→ キックオフ(3人が蹴る)
- ノーハドル練習 : 2ndチームオフェンス 対 1stチームディフェンス (QBハレル)
- スペシャルチーム : パントカバレッジ& ハリーアップFG (タイムアウトなし状況、ランを1プレーだけやって21秒でFGを蹴る)
- 2ミニッツ練習 : 2ndチームオフェンス 対 2ndチームディフェンス (QBコールマン)
- スペシャルチーム : 両キッカーのフィールドゴール競争
練習終了直後のフィールドでは、活躍したRBエディー・レイシーとDEデイトン・ジョーンズへのインタビュー。そして、ちょうど同じ時間に行われたフットボール殿堂入り式典でのLBデイヴ・ロビンソンのスピーチ録画も大画面に映し出された。
選手が着たばかりのジャージを抽選でスタンドのファンにプレゼント。その間、選手たちは家族をフィールドに呼んで子供を遊ばせたり、記念写真を撮ったりしている。最後は照明が落とされ、音楽に合わせた色とりどりの花火とともに今年のファミリーナイトは幕を閉じた。終了は9時50分ごろ。
- QBロジャース率いる1stチームオフェンスは最初のノーハドル練習できれいにTDパスを決め、オフェンス全員でランボーリープ。3rdダウン6からWRコブに14ydsパス、WRジョーンズに16ydsパス、WRコブのロング・ランアフターキャッチで26ydsゲイン。最後はTE D.J.ウィリアムズに7ydsTDパスが通った。
- QBアーロン・ロジャースは1シリーズだけ出場して4/6、62yds、1TDのレーティング140.3。右に流れてレシーバーを探し、TEウィリアムズに通したTDパスはとても彼らしい。これだけ出番が短かったのはプロ入り以来初めてのことだが、ケガをしたわけではない。
- QB B.J.コールマンは9/18、100yds、2INTのレーティング27.3という不振。最初の2ndチームのあと1stチームオフェンスでもプレーさせてもらったが、CBニクソンにパスを読まれてINTリターンTDを食らった。やり直しのシリーズは敵陣15ydsまでオフェンスを進めたものの、エンドゾーンでカバーされているレシーバーに投げてCBブランドン・スミスにインターセプトされた。
- 最後の2ミニッツ練習は2ndチーム同士で、ここもQB B.J.コールマンがプレー。残り1分42秒で4点リードされて自陣35ydsという設定。WRジレットによいパスを通したあと、CBミーンズのパスインターフェア2回に助けられてゴール前に迫ったが、最後はWRマイルズ・ホワイトへのパスをCBハイドが防いで時間切れ。
- QBグレアム・ハレルは控え組オンリーで2シリーズ出場。9/12、88yds、1TDのレーティング122.9。レシーバーの勝負強いキャッチングにも助けられたが、1stチームディフェンス相手に落ち着いたプレーをした。コーチ陣はコールマンに2番手になってほしいと最大限のチャンスを与え続けているが、プレー内容でリードしているのはハレルの方だ。
- RB陣はスタークス、レイシー、フランクリン、グリーンの順で登場。
- 2巡指名RBエディー・レイシー(8回65yds)はやはり実戦がいい。好ブロックにも助けられて15yds超のロングゲインが2回。しかしそれよりも、穴が開かないときになんとか3、4yds稼いでくれる部分がこれまでのRB陣にはなかったところ。オープンフィールドでもクイックネスでさらに数ヤード。
- 4巡指名RBジョナサン・フランクリンはフラットへのパスから8ydsほど稼いだ他は目立たない内容。ランプレーでもスクリーンパスでもディフェンス側がよかった。キックオフもチーム唯一の落球。5番目に登場のRBアンジェロ・ピース(ドラフト外)はQBハレルからのショートパスを16ydsのタッチダウンに。
- WRネルソン不在のためか、最初のノーハドルオフェンスは2WR・2TE・1RB隊形。WRコブ、WRジョーンズ、TEフィンリー、TE D.J.ウィリアムズ、RBスタークス。2キャリーのあとRBレイシーと交代。
- FBクーンとTEマシュー・マリガンがブロッカーに並ぶ逆ウィッシュボーン隊形が何度もあった。
- 控えWR組ではWRタイロン・ウォーカー(ドラフト外)が2回連続キャッチで計37ydsとよく頑張った。WRジャレット・ボイキンもWRマイルズ・ホワイト(ドラフト外)もWRアレックス・ジレットもそれぞれ良いプレーがあった。WRジェレミー・ロスはミスがいくつか。
- 1stチームOL陣はいつものとおり、LTブラガ、LGシットン、Cディートリック=スミス、RGラング、RTニューハウス。右タックルはニューハウスとバクティアリが交替でプレーした。控えディフェンス相手とあって、1stチームはランブロックもパスプロテクションも非常によかった。
- ドン・バークレーはインサイドだけをプレーし、右タックル争いはマーシャル・ニューハウスとデヴィッド・バクティアリに絞られたという印象を受ける。バクティアリはそつのない内容で合格点。第1シリーズの最後のプレーでは、6巡指名OLBパーマーを好ブロックしてQBロジャースがスクランブルできるスペースを作った。
- 2ndチームOL陣はLTダトコ、LGレーン・テイラー、Cバークレー、RGヴァンローテン、RTバクティアリ。バークレーとヴァンローテンが途中で入れ替わり。
- 2ndチームOL陣の第2セットはLTニューハウス、LGヴァンローテン、Cバークレー、RGダトコ、RTバクティアリ。
- 3rdチームOL陣は、LTケヴィン・ヒューズ、LGガース・ゲアハート、Cパトリック・ルイス、LGレーン・テイラー、RTアンドリュー・ダトコなど。
- バークレーに次いでセンターに入ったグレッグ・ヴァンローテンはショットガンスナップを少しミスしたあと、ILBジョーンズのブリッツを止め損なうミスも。
- 先発組DL陣は左DEピケット、NTラジ、右DEウィルソン。相手が控えオフェンスとあってとくにラン守備で圧倒した。パスシチュエーションではNTラジとDEジョーンズがインサイドラッシャーとなり、CバークレーやCヴァンローテンをいじめていた。
- 1巡指名DEデイトン・ジョーンズは3メンラッシュで1stチームOL陣を破ってQBコールマンをサック。ラン守備でもバックサイドからのよいパスートがあった。ベース隊形では先発組でなかったものの、出場機会はかなり多かった。「2009年、マシューズはフィールドに足を踏み入れた瞬間から本物ということが分かった。今キャンプのDEジョーンズもそれに似ている」との声。
- DEマイク・ダニエルズはこの日の朝、フィアンセとの間に次男が誕生。ダニエルズは一睡もしておらず、ファミリーナイトを無事終えると再び病院へ向かった。「大丈夫、同じフットボールだからね。眠っていてもできるのさ。今日はそうしていた(笑)」
- 刑務所暮らしを経験したDEジョニー・ジョリーは4年ぶりのランボーフィールドとあって感慨深げ。「トンネルから入場するときは、いろんな思い出が蘇ってきたよ。気遣ってくれる仲間と一緒にいられて嬉しいし、ここに戻ってこられた僕は本当に恵まれてる」
- 1stチームはILBやDBのブリッツ多し。控えOL陣はその点でも苦しかった。
- OLB陣はマシューズの出番を少なくし、頻繁にローテーションしている。マシューズに代わってアンディ・ムルンバ、ペリーに代わってネイト・パーマー。
- 先発組DB陣はCBシールズ、CBハウス、Sバーネット、Sジェニングス。5巡指名CBハイドがニッケルバック、Sマクミリアンがダイムバック。
- 控えWRたちに対し、サム・シールズとデヴォン・ハウスの先発CBコンビは非常によい出来だった。CBマイカ・ハイドはWRタイロン・ウォーカーに連続パス成功を許す場面もあったが、最後の2ミニッツディフェンスではパスを叩き落としてTDを防いだ。
- ディフェンス最高のプレーはCBジェームズ・ニクソンのINTリターンTD。WRロスへのパスを読んで飛び込んだタイミングが素晴らしかった。左サイドライン際を疾走してエンドゾーンへ。
- この日最後のフィールドゴール練習ではKメイソン・クロスビーが2/6の大不振。成功は47ydsと51ydsだけで、33、37、43、53ydsを失敗。そのほかスクリメージ練習中にも40yds台を失敗している。例によって右ハッシュマークからのキックがきわめて不安定。昨季最悪の時期よりもさらに悪い内容で、一気にクビが危うくなった。プレシーズン前半が生き残りへの山場かもしれない。
- いっぽうKジョルジオ・タヴェッキオは5/6とまずまずの成績。33、37、43、51、53ydsを成功し、47ydsだけを失敗した(右にひっかけた)。最長の53ydsはボールがクロスバーをヒットしてからかろうじて越えた。飛距離に不安があるのはたしか。キックオフ練習でも3人の中で一番飛んでいない(弾道が低く滞空時間も短い)。クロスビーとの争いでは優位に立ったが、外部のキッカーも潜在的なライバルだろう。
- キッカー問題についてマッカーシーHC。「メイソンはもっといい仕事をしなければならない。あれではやっていけないからね」「ジョルジオ(今度は言い間違えなかった)の飛距離は春と比べて明らかに向上している。いいキックオフが2回ほどあった。とくに高さがよくなった」
- キックオフカバレッジチームは、WRボイキン、WRロス、TEテイラー、TE D.J.ウィリアムズ、ILBフランソワ、ILBマニング、7巡指名ILBバーリントン、CBブッシュ、5巡指名CBハイド、Sバーネット、Kクロスビー。
- WRジェレミー・ロスは49ydsほどのキックオフリターンあり。目の前のブロッキングがよく見えている。RBフランクリンはキックオフを落球し、さらに株を下げた。
- 反則は非常に少なかった。オフサイド気味のプレーを審判があまり取らなかったせいかも。
- ケガ人情報
- TEライアン・テイラーがパント練習で負傷。脚の後ろから倒れ込まれたようだ。
- 昨日途中退場したILBブラッド・ジョーンズ(指)は練習参加。
- 先日から休んでいるCBトラモン・ウィリアムズはヒザの骨挫傷(bone bruise)。地面に倒れ込んだときにヒザを打ったらしい。「腱に損傷はなく深刻なものではない」とドクターに言われた、と本人。しかしこのケガの場合、1か月程度かかるのは珍しくない。
- 見学組は昨日と同じ16人。RBハリス(ヒザ)、WRネルソン(ヒザ)、WRジョンソン(ヒザ)、WRドーシー(ハムストリング)、WRカニンガム(手首手術)、TEクウォレス(太もも)、OTシェロッド(すね骨折)、OTトレッター(足首骨折)、DEウォージー(ヒザ前十字靭帯断裂)、DEニール(腹部)、OLBモーゼス(つま先)、ILBラティモア(体調不良)、CBトラモン・ウィリアムズ(ヒザ)、CBヘイワード(ハムストリング)、Sデヴィッド・フルトン(ヒザ)、Sリチャードソン(首の椎間板手術)。
- 練習開始までのテイルゲートの雰囲気を取材した公式サイトのビデオ。
- 写真集1・写真集2・写真集3。
南側に完成した大スタンド
2巡指名RBエディー・レイシーはビッグゲインを連発
QB B.J.コールマンは2インターセプトの乱調
一気に大ピンチとなったKメイソン・クロスビー
フィールドから花火を見上げる選手とその家族