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2013年6月18日

Donald Driver Way

現地土曜日、グリーンベイでは「ドナルド・ドライバー・ウェイ」の命名セレモニーと「新レシーバー像」の除幕式が行われ、ドライバーのスピーチを観ようと多くのファンが集まった。翌日曜には毎年恒例のドライバー主催チャリティ・ソフトボールゲームが開催され、こちらも過去最高の9010人ものファンが詰めかける大盛況となった。

改名された街路(元Pearl Street)の場所は旧グリーンベイ駅舎を利用する Titletown Brewing のすぐ横で、ランボーフィールドの東北3kmほど、ダウンタウンからはフォックス川を西に渡ったところ(地図)。1985年から旧パッカーズ・ホール・オブ・フェーム前に飾られていた「ザ・レシーバー像」だが、同施設がスタジアムに併設されると行き場がなくなり、曲折のすえ2005年に現在の場所に落ち着いた。そのレシーバー像がすぐそばにあることも、この街路が選ばれた理由だったのだろう。これまでは背番号88の白人レシーバーだったが、80番の黒人レシーバーに塗り替えられた。顔の肉付けが多少直されたようにも見えるが、似せるところまでは行っていない。

命名セレモニーとレシーバー像の除幕式の様子はビデオ写真集も参照のこと。

新しいストリートサイン

新レシーバー像の除幕式

涙ながらに感謝のスピーチ

娘と記念撮影するドライバー そばに行くと像はこんなにデカい

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明けて日曜は毎年恒例のチャリティ・ソフトボールゲーム。ファーヴ主催で2000年に始まり、2008年にドライバーが引き継いでこれで6回目となる。会場はアップルトン市のFox Cities Stadiumで、ブリュワーズ傘下のウィスコンシン・ティンバーラトラーズ(シングルA)がここを本拠地にしている。

$12ドルから$50ドルの観戦チケットは完売となり、過去最多となる9010人ものファンがスタジアムを埋めた。「実際のパッカーズ戦はとても高くてチケットが買えないから」と、こうした機会を家族で楽しむファンは数多い。

ILBデズモンド・ビショップを正式に解雇

先日から報じられていたとおり、ILBデズモンド・ビショップがパッカーズから解雇された。A.J.ホークが大幅減俸を受け入れ、ILBブラッド・ジョーンズと再契約したことで、高給の彼には居場所がなくなった形だ。また、戦力面の都合よりも「ハムストリングの重いケガで、以前の彼には戻れないと判断したのでは」との見方も根強い。もっとファンブルフォースを、という今年の方針にもっとも合致する選手だけに、そうでも考えないと納得がいかないところだ。

この解雇により、パッカーズにはあらたに$3.464ミリオンのキャップスペースができるらしい(正確ではないかも)。2011年春に受け取った契約ボーナス$3.2ミリオンのうち、未消化分の$1.6ミリオンがデッドマネーとなる。6月1日以降の解雇であるため、キャップヒットを今年と来年に分けることができる。(現労使協定ではそれ以前に解雇しても「6月1日後扱い」の指定が可能だが)

本人はツイッターで以下のように感謝の気持ちを示している。

Journal Sentinel紙の取材に対しても、ビショップはきわめて平静なコメントを残している。「ケガのタイミングとブラッドの台頭があった。ビジネスの見地からは、ブラッドやA.J.のようなヘルシーな選手がいて、ケガから復帰してくる選手に賭ける気になるだろうか? 賢いやり方だと思うし、理解はできるよ。ブラッドと再契約した時点で、こうなることはある程度予見できていた。球団に恨みはなにもない」

「深刻なケガだったのはたしかだ。でも断裂した腱は完全に治っているし、(復帰が遅れているのは)ハムストリングに軽い肉離れがあったから。トレーニングキャンプ初日には必ず間に合ったはずだ」

「パッカーズとの関係が完全に終わったとは言えない。僕が残留する可能性もわずかながらある。テッド(トンプソンGM)とはよい話し合いができたし、僕らはよい関係を保っている。もし十分な給料を払ってくれる球団が現れなければ、馴染んだ場所に残る方がマシだから」

本人は明日さっそくヴァイキングスを訪問することになっている。今年ヴァイキングスのミドルLBは、これまでアウトサイドだったエリン・ヘンダーソンが暫定スターターとなっているが、さらなる補強を考えるのは無理からぬところ。

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ILBデズモンド・ビショップはカリフォルニア大から2008年ドラフト6巡b指名でパッカーズに入団。3年間控えに甘んじたものの、2010年第4週にILBニック・バーネットが手首を大ケガすると先発に昇格。前任者を上回る活躍で優勝に貢献し、スーパーボウルでのファンブルリカバーは苦しいチームを救うビッグプレーだった。嗅覚に優れたハードヒッターで、スピードに限界はあるもののパスカバレッジでも効果的な働きを見せる。

第45回スーパーボウルの第4Q 逆転されそうな流れを止めたファンブルリカバー

2013年6月12日

ILBデズモンド・ビショップ放出へ

OTAの公開練習終了後、地元各メディアがILBデズモンド・ビショップの放出が近いことを報じた。先陣を切った ESPN Milwaukee によると、「契約リストラやトレード(どちらも可能性は低い)がないかぎり、パッカーズはビショップを放出する」とのこと。その後地元両紙も関係筋からその情報が正しいことを確認している。

ビショップはハムストリング断裂の大ケガで昨季を全休し、今オフの練習にもまったく参加できていない(出席して見学はしている)。彼の代役スターターとしてよく頑張ったブラッド・ジョーンズは、3月にいったんFAとなったあと再契約(記事1記事2)。A.J.ホークは大幅減俸を受け入れて残留。ビショップ、ホークと合わせて3人がスターター級のサラリーを受け取る、やや珍しい事態となっていた。2011年夏にILBニック・バーネットを放出したときとよく似ている。

有力若手選手たちと契約延長する課題が目白押しという状況で、完全復帰できるかわからないベテランに$3,464ミリオンのサラリーを支払う余裕はない、というのが球団側の考えか。また、今オフのパッカーズはILB D.J.スミスとRBブランドン・セイン(どちらもACL手術明け)を解雇し、RBセドリック・ベンソン(足のリスフラン負傷)との再契約を見送り、OTデレク・シェロッド(すね骨折)に先発LT争いをさせなかった。今年にかぎらず、「できるだけ大ケガからの復帰組に頼らない」というトンプソンGMの方針ははっきりしている。

ドラフト期間中には「パッカーズがビショップをトレード候補に」という噂が流れたが、球団首脳はとくに否定しなかった。ホークに減俸を飲ませ、ジョーンズと再契約した時点で、ビショップ放出の道筋はほぼ固まっていたと見るだろう。2014年まで契約が残っていたが、彼を解雇することで、おそらく$2ミリオン強のキャップスペースが空くはず。(デッドマネーは$1.8ミリオン)

これにより、ILB陣は昨季終了時と基本的におなじ陣容となる。インサイド転向1年目で高いポテンシャルを見せたジョーンズがフルタイムのスターターを務め、ダイム隊形(1ILB)ではホークがサイドラインに退く。控えにはラティモア、フランソワ(代役先発経験あり)、2年目のテレル・マニング、今年7巡c指名のサム・バーリントンがいて、デプスはそれなりにある。

OTA: 2年目QBコールマンの進歩

Organized Team Activities(OTA)もいよいよ最終週。火曜は久しぶりに好天に恵まれ、今オフシーズン最後の公開練習が行われた。今週は火曜から金曜まで4日間練習が行われ、これが終わると選手たちは7月末のトレーニングキャンプ開始まで1か月半の休暇となる。

昨年のOTAに不満だったマッカーシーHCだが、今年の内容には満足している。「今年のチームは、昨年のいまの時点と比べ、ずっと先に進んでいる。今年のチームは、これまでとは違った強さ、より大きな切迫感を持っている。それを数字で示すことはできないが。私の切迫感の大きさの表れかもしれない。それにこのチームのリーダーシップは非常に安定していて、毎日の仕事の中で揺らぐことがない。毎日の練習を終えるとき、質の高い練習ができたという感触を私は持てている」

昨年に続き、ルーキー組だけはもう1週間居残ってトレーニングを続ける。その間は "director of player development" (私生活を含めた選手の世話役・指導役)の元LSロブ・デイヴィスが毎日なんらかのオリエンテーションを行うことになっている。そして日曜からは、全ドラフト指名選手が参加するNFLルーキー・シンポジウム。初めて大金を手に入れた選手たちをトラブルから遠ざけるために、重要な教育の時期だ。

2013年6月 7日

Minicamp: 2日目・3日目

ミニキャンプ2日目はまたも雨で屋内練習場となり、残念ながらファン非公開となった。1時間55分で今週のフットボール練習は終了し、今年のオフシーズンプログラムは来週火曜からのOTA4日間を残すのみとなった。最後の公開練習は11日(火)。

ミニキャンプ3日目は例年どおり選手同士の親睦を深めるためのイベントが行われ、今年はドッジボール大会が行われた。正式には "Team-building activity" と呼ばれ、これまでゴルフ、ボウリング、ペイントボール、クレー射撃(昨年)などが行われてきた。今回なにを行うかは直前まで秘密。ドッジボールは雨天による「プランB」だったようだ。

2013年6月 5日

Minicamp : CBシールズとDEジョリー合流

3日間にわたって行われるミニキャンプ初日の練習が行われた。NFLの規定により、このミニキャンプだけは選手全員に参加を義務付けることができ、欠席者にはチームが罰金を科すこともできる(かならず科す必要はない)。

火・水は練習が公開されるはずだったが、先週とおなじく雨のため屋内練習場に移され、ファン非公開となってしまった。気温14℃とかなり肌寒い日だったので、選手にとっては屋内練習場の方がありがたいかもしれない。

マッカーシーHCが予言していたとおり、今年のOTA/ミニキャンプでは個人やポジショングループによる基礎練習が多く、11on11のチームドリルが少ない。1時間57分の最後はノーハドル練習、RBスタークスのファンブルロストという締まらない終わり方となった。