グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2013年5月 5日

Packers' Draft Consequences

ドラフト指名選手11人が加わったことでチームがどう変化したか、おもに既存の選手たちから見たドラフトの影響をまとめてみた。記事最後の「契約最終年の選手リスト」も参考に。

■ 立場が厳しくなった選手たち

  1. ランニングバック: 2巡指名レイシーと4巡指名フランクリンの加入により競争が熾烈に。通常の3人枠だとすると、ドゥワン・ハリス、アレックス・グリーン、ジェームズ・スタークスのうち、昨季末に活躍したハリスだけが生き残りそうに見える。4人枠だとしてもグリーンとスタークスのどちらかは脱落する。FAとなっているセドリック・ベンソンはケガ人が出た場合の保険程度。ショートヤーデージ状況をレイシーが担い、フランクリンが3rdダウンバックの座を確保するなら、ジョン・クーンの役割は純粋なブロッキングFBだけになる。
  2. ディフェンシブライン:  昨季終了時の6人に、1巡指名DEジョーンズ、5巡指名DEボイドが加わり、DEウォージー(前十字靭帯)の穴は埋められそう。通常ロースター枠は6人、多くて7人。ジョーンズは開幕から先発DEを務めてほしいところだが、当面はインサイド・ラッシャー専門かも。ボイドはすでに310ポンドあり、ノーズタックルとしても試すことをDLコーチが示唆している。NTピケット(33歳)が契約最終年なので、世代交代がうまく行ってほしい。
  3. オフェンシブタックル: 昨日の記事のとおり、ブラガを左タックルに移して右タックルはオープンな競争に。ニューハウス、バークレー、シェロッドが争うところへ4巡指名でバクティアリトレッターが加入してきた。4人または5人の枠を争う上で、インサイドをこなせるヴァーサタイルな能力も重要になる。

■ ホッとした選手たち

  1. Cディートリック=スミス: センターのドラフト指名がなく、今年のスターターがほぼ確定。さらなる成長を見せて契約延長を手に入れたいところだ。2年目のC/Gヴァンローテンや4巡指名OTトレッターが将来的なライバルか。
  2. セーフティ: 意外にもドラフト指名がなく、2年目のマクミリアンと3年目のM.D.ジェニングスが先発を争う。最後の4人目の枠はリチャードソン(昨年ドラフト外)と今年のドラフト外選手の争いか。
  3. 控えアウトサイドLB: 先発はマシューズとペリー、まともな控えは2年目のモーゼスと6巡指名パーマーだけ。キャンプでの競争レベルが低いようにも思われる。ILBジョーンズとILBラティモアは元OLBなので、試合になれば控えを兼任できる。
  4. ワイドレシーバー: ドラフト指名はチャールズ・ジョンソンドーシーの7巡コンビだけだったので、上位トリオは安泰。ここ数年と比べると4番手以降が頼りなく、主力のケガが怖い。例年どおり5人枠であれば、ジャレット・ボイキンとジェレミー・ロスと新人たちで2つの枠を争う。
  5. タイトエンド: ドラフト指名なし。クラブトリーのFA退団をFA加入のマシュー・マリガンが補い、昨季プラクティス・スクワッドにいたブライアン・ボスティックの成長も楽しみ。自己評価の高すぎるフィンリーは来春のFA退団がほぼ確実と見られ、クウォレスも契約最終年なので、3年目のD.J.ウィリアムズがレシービングTEとして台頭してほしいところだ。そうでないと来年は上位指名が必要になってしまう。
  6. 控えクォーターバック: こちらもドラフト指名なし。昨年の7巡指名コールマンがハレルに挑戦する。ドラフト外でマット・ブラウン(イリノイ州立大)と契約したが、こちらはよくてプラクティス・スクワッドだろう。
  7. Kクロスビー: ドラフト指名がなく、3月に契約したジョルジオ・タヴェッキオとの一騎打ちに。
  8. WRジェレミー・ロス: 強力なリターナー候補の指名がなかった。

■ Unfinished Business

「ホッとした選手たち」と重複する部分も多いが、今後の課題について。契約問題との絡みもある。

  1. セーフティ: 球団はマクミリアンとM.D.ジェニングスの成長に賭けたわけで、見込みが外れた場合は困ったことになる。3月に「Sマイケル・ハフ(OAK→BAL)に興味」と報じられたことからして、球団が補強をまったく考えなかったわけではない。バーネットは先発確定だが契約最終年。
  2. アウトサイドLB: まだデプスが頼りない。FA補強がもしあるとすれば、セーフティとここだろう。
  3. 控えセンター: オフェンスではここが最も手薄で、センターでNFL出場経験のある選手がいない。今夏はヴァンローテン(2年目)をセンターに専念させるのでは。
  4. 4巡指名OTコンビ: できればトレーニングキャンプ序盤までにバクティアリトレッターの最適なポジションを見極めたいところだが、これが意外に難しい。見切りが早すぎて後悔することもあり、遅すぎて即戦力にできないこともある。どちらもまだ線が細く、スターター挑戦は来年以降と覚悟しておくべきだが。
  5. ワイドレシーバー: ジェームズ・ジョーンズが契約最終年。来年3月には30歳、つまり今春のWRジェニングスと同じ立場だ。安価で再契約してくれればよいが、決裂した場合、後継の3番手WRが来年育っているのかどうか。どちらもダメなら来年のドラフト上位で。
  6. リターナー選定: WRコブをリターナー任務から解放したいのに、リターナー候補の指名がなかった。とくに、技術的に難しいパントリターナーが問題だ。昨季末に担当したWRジェレミー・ロスが一人前のレシーバーになれるのか未知数だが、もし他にPR候補がいないならロースター入りへの大きな武器になる。5巡指名CBハイドは過去2年でパントリターン29回平均7.6yds。7巡WRコンビはリターナー経験が少ない(ジョーンズは昨季パント/キックオフ合わせて12回)。RBアレックス・グリーンや4巡指名RBフランクリンはほとんど経験がないが、キックオフリターンができそうなタイプに見える。
  7. 契約延長: OLBマシューズとQBロジャースの契約延長がようやく完了し、来年3月のFA解禁までにあと1人か2人契約延長できそうな程度のキャップスペースが残った。下記のリスト参考。

■ 契約最終年の選手たち

最後に、大量にいる契約最終年の選手を見てみよう。重要度の順に並べようと努力したが、さまざまな要素が絡んでくるのでとても上手くは序列化できない。ニューハウスは左タックルから外されたことで契約延長の可能性がダウンしたはず。FA予定選手がこれだけ多いと心配になるが、彼らが「コントラクトイヤー効果」を発揮してくれると思えば多少は気が休まるというもの。カッコ内は現在の年齢。

カテゴリ : Draft