グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2013年3月13日
米東部時間火曜午後4時、NFLは新年度に入り、フリーエージェントおよびトレードが解禁となった。これまでFA解禁初日といえば大物選手の契約がほとんどだったが、今年は事前交渉期間が新設されたこともあってミドルクラスの選手も次々と契約が決まっている。
- WRグレッグ・ジェニングスがパッカーズと再契約する可能性が出てきた。地元両紙がともに関係筋から聞いた話によると、パッカーズは再契約に向けて動いており、「FA初日の深夜までに他球団と契約がまとまらなければ、けっきょくパッカーズに戻るかも」とのこと。
- このため地元記者たちは夜遅くまで新情報を待っていたが、現地0時が過ぎるとつぎつぎと「寝落ち」。一夜明けて移籍が決まっていないということは、再契約の可能性がアップしたということになる。
- 「初日深夜までに」との情報は当然代理人サイドからリークされたもので、よりよい条件を引き出すためのダシにパッカーズが利用されている可能性もなくはない。
- WRジェニングスがFA移籍をためらう要因として、QB問題が挙げられている。もう一花咲かせたいベテランWRにとって、金額が多少よくても、未熟なQBが悪戦苦闘中のチームは敬遠したいのが人情というもの。ファーヴ、ロジャースとQBに恵まれてきたWRジェニングスだけに、移籍先候補のQB状況を気にかけているらしい。
- WRジェニングスより高く評価されているWRマイク・ウォレス(元PIT)はドルフィンズと総額$60ミリオンの5年契約。うち$30ミリオンが保証されている。
- ESPN Milwaukeeが関係筋から聞いたところでは、「パッカーズ側はしばらく前に年平均$10ミリオンほどのオファーをした」とのこと。これが本当ならば、競争力のあるオファーなのはたしか。
- WRジェニングスと再契約するためにTEジャーマイケル・フィンリーの解雇が必要かもしれない。解雇すればキャップに$8.25ミリオンの余裕ができる。$3ミリオンのロースターボーナスが発生するのは3月27日なので、タイムリミットまでまだ時間はある。
- RB補強について。
- ラムズのエースRBとして活躍してきたRBスティーヴン・ジャクソン(29歳)の移籍先としてパッカーズが最有力、という噂が一部に出てきた。
- ジャクソンは29歳にしてすでに1万ydsラッシングを記録(通算スタッツ)。パワフルな走りだけでなく、パスプロテクションやパスキャッチ(年平均45回369yds)も非常によい。その点でパッカーズとはよくマッチしており、先日のTVインタビューでもパッカーズに前向きな発言をしていた。
- しかし他にもATL、CIN、DET、PITが興味を示していると伝えられ、金額の勝負となると太刀打ちは難しそう。パッカーズとしては例によって獲得合戦を避けてじっくり待ち、手の届く値段になりそうな場合にのみ本格交渉に乗り出す、という形かもしれない。
- 興味深いことに、WRジェニングスとRBスティーヴン・ジャクソンはともにユージーン・パーカーが代理人を務めている。
- ESPNによると、RBペイトン・ヒリス(27歳)が今週パッカーズを訪問の予定。2010年にはブラウンズで1177ydsを走ってMaddenのカバーにも選ばれたが栄光は長続きせず、昨年はチーフスでRBジャマール・チャールズの控えを務めていた(通算スタッツ)。パッカーズ側の意図がよくわからないが、フルバック兼任を考えているのか。Journal Sentinel紙は、「オファーを受け入れないならさっさと他に切り替えるぞ」というRBジャクソン側へのメッセージかもしれない、と書いている。
- 先日グリーンベイを訪問したDEクリス・キャンティはレイヴンズと契約した。パッカーズはけっきょくオファーをしなかったらしい。DEカレン・ジェンキンズはジャイアンツと契約。こちらにはパッカーズは連絡さえしなかったようだ。
- 制限付きFAの扱いについて。
- CBサム・シールズには$2.023ミリオンのいわゆるミドル・テンダーをオファー。これにより、移籍する場合は2巡指名権を受け取ることができる。昨季の充実ぶりから、「最高額テンダーにしなかったのはリスキー」とする見方と、「これが当然」とする見方に分かれている。今オフはベテランCBがFA市場にあふれていることも考慮したのでは。考えてみれば、1年経てば無制限FAとなる本人を納得させるような複数年の高額オファーというのも容易でないはず。
- いっぽうCイヴァン・ディートリック=スミスには$1.323ミリオンの最低額テンダーをオファー。ドラフト外入団だったので、他球団にさらわれた場合に見返りが何もない。これはリスキーだが、他球団から誘いがあればマッチする構えなのだろう。いまOL陣には他にまともなセンターがいない。
- TEトム・クラブトリー、ILBロバート・フランソワ、OLBフランク・ゾンボの3人にはテンダーをオファーせず、彼らは自動的に無制限FAとなった。最低額テンダーの$1.323ミリオンは高すぎると判断されたためだ。とくにTEクラブトリーとILBフランソワは、4年目選手の最低額($63万ドル)に多少色を付けたあたりで再契約となるのではないか。
- OLBエリック・ウォルデンはコルツとなんと総額$16ミリオンの4年契約。シーズン後半の不振もあって、スターター級のオファーがあるとは予想されてもいなかった。
- 先日パッカーズから解雇されたSチャールズ・ウッドソンは現地水曜に49ersを訪問の予定。
- 無期限出場停止処分が解除(記事)されたDEジョニー・ジョリーは、サラリーを$2.5ミリオンから$71万5000ドルへ削減して再契約となった。減俸よりも、チームに残ってオフシーズンプログラム等への参加を認められたのが大きい。セカンド・チャンスどころかサード・チャンスかフォース・チャンスだが、今度こそ更生なるか。
- 上記RFA2人のテンダーを加え、DEジョリーの減俸分を差し引くと、現在パッカーズのサラリーキャップには$17.9ミリオン余裕がある。