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Draft Notebook 7: OT Andrew Datko
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2012年7月20日
ドラフト指名選手紹介の7人目は、7巡34位(全体241位)指名のOTアンドリュー・ダトコについて。
- フロリダ州ウェストンの出身。フォート・ローダーデールやマイアミの近郊で、かなり裕福な地域だ。彼の進んだ聖トマス・アクィナス高校はスポーツが盛んで、卒業生には殿堂入りWRマイケル・アーヴィンやテニスのクリス・エバートもいる。
- 高校はかなりの強豪校だったため、在籍4年間すべて州の決勝戦に進出。4年時は14勝1敗で州のチャンピオンに輝き、彼自身もオール・ブロワード郡に選ばれた。高校で初めて肩を脱臼したのが肩の問題の始まり。フロリダ州立大のほか、セントラルフロリダ大とフロリダインターナショナル大から誘いがあった。
- フロリダ州立大ではレッドシャツを経ず入学1年目から左タックルでフルタイムのスターターに。フレッシュマン・オールアメリカンの1stチームにも選ばれた。2年目も全試合先発してわずか2回しかサックを許さず。3年目はは肩のケガで3試合欠場して連続先発が途切れたものの、11試合で許したサックは1回のみ。4年目の昨季は4試合終えたところで肩の問題がぶり返し、そこでシーズンを終えることになった。オフシーズンに手術を受けたあと、復帰を焦りすぎたのも一因らしい。
- 昨季8試合欠場したにもかかわらず、大学での先発経験は40試合にのぼる。QBクリスチャン・ポンダー(現MIN)の先発3年間はすべて彼がブラインドサイドを守っていた。
- フットボール頭がよく、学業も非常に優秀。カンファレンスの"All-Academic team"に何度も選ばれるなど、アカデミックなんたらという賞をいろいろと受賞してきた。すでに経営学の学位を取って卒業している。
- 肩の手術を行ったのは高名な整形外科医ジェームズ・アンドリュー。QBドリュー・ブリーズの肩やQBブレット・ファーヴの足首など、有名アスリートが数多く彼のもとで手術を受けている。
- 肩の回復途上だったせいだろう、スカウティング・コンバインではベンチプレスだけ控えている。40yds走5.32秒はあまり速くないが、20ydsシャトル4.54秒は全OL中2位だった。
- フロリダ州立大出身のパッカーズ選手といえば、なんといってもSリロイ・バトラー(在籍1990-01)が人気・実績とも飛び抜けている(オールプロ4回)。現在WRコーチの元RBエドガー・ベネット、プロボウラーにもなったWRジャヴォン・ウォーカー(在籍2002-05)もいる。CBテレル・バックリーとDEジャマール・レイノルズは1巡指名バストとしてファンの記憶に残っている。
- 背番号は77番に決定。低迷の50年代を代表する名選手DTデイヴ・ハナー(のちDLコーチやスカウトも長く務めた)、60年代のDTロン・コステルニクがパッカーズの殿堂入りしているほか、最近ではDEカレン・ジェンキンズ(現PHI)が77番を着けて活躍した。
- 格好は悪くても役目はきっちり果たす、というタイプ。プレーぶりそのものは高く評価されており、ケガさえなければもっとずっと高い順位で指名されただろう、というのがもっぱらの評判。肩さえ問題なければ大当たりがあるかも、と期待する声も多い。
- 6フィート6(198cm)の長身だがやや線が細く、下半身の馬力不足でブルラッシュに押し込まれやすい。昨季はトレーニング不足だったはずなので、今年は体作りのシーズンになるかもしれない。控えOL陣のデプスは薄く、7巡指名とはいえ開幕ロースター入りはさほど難しくなさそうに見える。OTAやミニキャンプでは左右両サイドをプレーしていた模様。
- 本人のコメントから。
- 「ドラフト前から、すべては肩しだいであり、それを各球団がどのように怖れるかで指名順位は決まると思っていた。他のオフェンシブラインマン、自分より劣ると思っていた選手たちが先に指名されるのを見守るのは、すごく苛立たしかった」
- 「フットボールを諦めるなど考えたこともない。ケガはフットボールの一部であり、それに耐えて頑張り抜けばより強い人間になれる。苦難には立ち向かわなければならないし、僕はこれまでそうしてきた」
- 「僕をドラフトした甲斐があったことを証明しようと努力し、自分の力を見せたい。それにこのチームの選手から学びたいんだ。ここはチャンピオンシップ・チーム、チャンピオンシップ環境だから」
- 「カンファレンス内のDEのレベルがとんでもなかったからね(ACCからドラフト3巡までで3人指名)。そうしたタレントと対戦したことがプロへの準備になった。チームで一緒に練習したDEたちはみんなNFL入りしたし、来年NFL入りするヤツ(DEブランドン・ジェンキンズ)は1巡か2巡だ。そういった連中と練習することがすごく役に立った」
- フットワークについて。 「僕はバスケットボールをプレーして育った。バスケではフットボールがカギだ。フットボールを始めたのは高校になってからなんだ。高校1年から先発させられて、そのころまだ僕は小さかったから、『お前はテクニシャンにならなきゃいかん。フットワークを使ってよいポジションを保つんだ』 とコーチに説教されたものだ。僕はそれを実行し、そのあとで体が大きくなった。それがよかった」
- 「ミニキャンプで少しだけ1stチームに加わり、リーグ最高のオフェンスがどう機能するのか感じることができた。素晴らしい気分だったし、プレーブック学習もかなり進んでる。集中すべきはアサインメントミスをしないこと。リーグ最高のクォーターバックが後ろにいるんだ。チームとしては彼を守る選手を信頼できなきゃいけない。メンタルミスをゼロにしなければ」
- 問題視される肩のケガについて。
- 11月に肩の関節鏡手術を受け、1月にウェイトトレーニングを再開。「今では完全に回復し、筋力も以前のレベルまで戻った」と本人はドラフト直後に語っている。その後のOTAやミニキャンプにもフル参加できているようだ。
- ふたたび本人。 「ここ数年なかったほど状態はいい。キャンプでのフルパッド練習もまったく心配していないよ。ただ当面はずっとブレースを着けなければならないだろう。それが保護してくれるので大丈夫だ」
- トンプソンGM。 「ケガが7巡まで指名されなかった理由? 私もそう思う。オフェンシブラインは非常にフィジカルな仕事なので、我々も多少の心配はしている。しかし彼は素晴らしい人間であり、優秀な選手になりたいという強い意欲を持っている。フロリダ州立大のコーチたちにもとても好かれていた。ケガのリスクは承知したうえで、賭けてみる価値はあると我々は判断した」
- マッカーシーHC。 「メディカル上のリスクは承知の上で賭けるべきときもある。こうした決断に必要なことの1つだ。彼は我々のオフェンシブラインによくフィットすると思う。肩の問題さえなければもっとずっと高い評価をつけていた選手だ。彼は頭がよく、タフだ。誰もが彼の獲得を喜んでいる」