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Draft Notebook 8: QB B.J. Coleman
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2012年7月21日
ドラフト指名選手紹介もようやく最後、7巡36位(全体243位)指名のQB B.J.コールマンについて。フルネームは Bryon Elwyn Coleman Jr. とのこと。
- テネシー州チャタヌーガ(人口167000人)の出身。父ブライオンもテネシー大チャタヌーガ校でOLとして4年間プレーし、同大のラス・ヒューズマン現HCとチームメイトだった。弟ジャロッドもいま同大でタイトエンドをしている。母親は学校の校長らしい。
- 高校では3年間先発QBを務め、4年時はパス2927yds・19TD、ランでも7TDを挙げる活躍でチームを州の決勝戦に導いた。地区や州のさまざまな優秀選手に選ばれ、ディビジョンの最優秀選手に2年連続で選ばれている。野球でもピッチャーや外野手として活躍した。
- 州屈指の有力選手と評価されて名門テネシー大へ。レッドシャツを経た1年目は出場わずか3試合に終わり、出場機会を求めて故郷のテネシー大チャタヌーガ校への転校を決断した。当時テネシー大にはQBエリック・エインジ(2008年5巡でNYJ)、QBジョナサン・クロンプトン(2010年7巡でSD)がいた。
- ディビジョンI-AAのテネシー大チャタヌーガ校に移ると即スターターの座をつかみ、2348yds・17TD・9INT。翌2010年は11試合で2996yds・26TD・13INTを投げまくってオール・カンファレンスの2ndチームに。最終学年の昨季はレイトヒットで右肩を痛め、4試合を欠場。パス9TD・9INTと前年よりも数字を落としている。通算パス6871ydsは同大史上2位。
- すでに昨年12月にコミュニケーションの学位を取って卒業している。ワンダーリックテスト25点はQBとしては平均的な数字。
- 代理人が同じバス・クックである縁で、ドラフト前にQBブレット・ファーヴの指導を受けた。1月と2月の10回以上にわたり、ミシシッピ州ハティスバーグの高校で練習した。パッカーズ指名後はまだ連絡がない、と本人。(ルーキー・ミニキャンプ時のコメント)
- テネシー大チャタヌーガ校出身のNFL選手といえばなんといってもWRテレル・オーウェンスが有名。パッカーズ選手となると、1959年に1年だけ在籍したSビル・バトラー、2003年に1試合だけ出場したDTターデル・サンズ(のちOAK)がいるだけだ。
- 背番号は9番。2年だけ控えQBを務めたあのQBジム・マクマーン(在籍1995-96)、のちバッカニアーズでプロボウラーになったPジョシュ・ビドウェル(1999-03)、現シーホークスのPジョン・ライアン(2006-07)がこの番号を着けていた。
- パッカーズの控えQB陣はマット・フリンがFA移籍し、グレアム・ハレルが2番手QBに昇格の見込み。1月に加入したニック・ヒルはコールマン指名後に解雇されている。プレシーズンでハレルが大コケした場合、コールマンを2番手にするよりもFA市場でベテランを物色するかもしれない。
- 最近は3番手QBが開幕ロースターに残れないことが多く、プラクティス・スクワッドでルーキーシーズンを過ごすのではないか。かなり粗削りなタイプなので、今夏のうちにウェストコーストオフェンスに習熟して2番手を争うのは難しいはず。他球団に獲られるのが怖いほど優秀だとわかれば、なんとかロースター枠を空けるだろう。
- 本人のコメントから。
- 「まだ先は長いけれど、OTA、ミニキャンプ、トレーニングキャンプと学んでいく機会をもらえて興奮している。メンタル面でもフィジカル面でも学ぶことは多い。でもコーチ・マッカーシーのような人の指導があれば、どんどん成長していけると信じている。すごく楽しそうだ」
- 球団史を勉強してきたらしく、ルーキー・ミニキャンプでのインタビューでも、カーリー・ランボー、インディアン・パッキング・カンパニー、1919年創立、といった言葉がすらすらと出てくる。
- 「このような球団の一員になれるのは素晴らしい気分だ。これまで数多くのクォーターバックたちがここで育てられ、NFLで成功を収めてきた。コーチたちは育成プロセスに非常に真剣に取り組んでいる。コーチたちと握手をしただけでも、彼らにとって育成プロセスがいかに重要かは伝わってきた。自分がそこに加われるなんて本当に特別なことだ」
- 失敗を恐れず、失敗を繰り返さないことに集中する、と本人。 「そうして向上していくんだ。自分にできるのはフィールドに出て最善を尽くすこと。もし失敗をしたら、フィルム・ルームに戻ってそこから学ぶ。翌日ふたたびフィールドに出たら、同じ失敗をしないことだ」
- 8時間にもわたるフィルム・セッションの末、同大OCから「いいかげんデートにでも行け」と半分冗談を言われたこともある。それぐらい研究熱心だ。 「準備しすぎるということはないからね。だから僕はパッカーズのスタッフやQBたちと一緒にやれることを喜んでいる。彼らは優秀なオフェンスの頭脳だ。僕のプレーを次のレベルに引き上げるのに役立ってくれるはず」
- マッカーシーHCのコメントから。
- 熱い気性は指名後の電話(写真)でもひしひしと伝わってきたらしい。 「指名8人の中で、あきらかに彼が最も興奮していた。『グリーンベイ史上最高のピックです』と彼に言われた。ウチもこれまで相当よいQBを指名してきたのだよ、と言ってやらなければならなかった」
- 「ハドルでの指揮ぶりが私は気に入った。彼はアグレッシブだ。彼は投げられる(十分な肩がある)。彼のような若者が加わってくれて我々は喜んでいるし、我々のフィロソフィーの下で育てていけることを楽しみにしている」
- 完成度は低いが素材としての魅力、という評価がトンプソンGMのコメントからもわかる。 「素晴らしい体つきをしている。オールスターゲーム(East-West Shrine game)でも我々は彼に注目していた。理想的なサイズ、肩の強さなどすべて揃っている。向上心も強い」
- 同大OCのマーカス・サッターフィールド。 「コルツかブロンコスのユニフォームを着せて遠くから見ると、ペイトン・マニングのように見えるよ。実績ははるかに及ばないが、体の動かし方やプレーアクション・フェイクやスローイング・モーションなど、ペイトン・マニングにそっくりだ」
管理人より
今回のを含めてルーキー紹介記事はすべて"Rookies"のページにまとめてありますので、過去の記事はそちらからどうぞ。