過去の記事 |
2012年 >
07月 >
Draft Notebook 6: ILB Terrell Manning
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2012年7月19日
ドラフト指名選手紹介の6人目は、5巡28位(全体163位)指名のILBテレル・マニングについて。
- ノースカロライナ州ロウリンバーグ(人口15000人)の出身。トレーラーハウスに両親と7人兄弟が住む貧しい暮らしだった。いちばん上の弟は高校フットボールでLBとして活躍中で、すでにディビジョンIの数校から誘いが来ているところ。その下の弟もLBをプレーしている。
- 高校ではシーズン219タックル・5サック・3INT・4ファンブルフォースを挙げるなど、カンファレンスのディフェンス最優秀選手に。3年目・4年目と連続してカンファレンスおよび地区の1stチームに選ばれている。
- 高校最後の試合でヒザの前十字靭帯を断裂して手術を受けたため、ノースカロライナ州立大最初の年はレッドシャツに。翌1年目に2試合先発。2年目でフルタイムのスターターとなり、3年目の昨季は5.5サック・4ファンブルフォース・12.5ロスタックルを記録する活躍で、オールACCの2ndチームに選ばれた。
- アーリーエントリーの決断には驚きの声が多かった。ビッグプレーメイカーではあるがまだプレーぶりに不安定なところが多く、もう1年大学に残ってプロ入りに備えるのが当然と見られていたためだ。
- パッカーズにとってはなんと今ドラフト3回目のトレードアップ。もともとこの指名権はトレードアップ材料としてペイトリオッツに譲渡していた(3巡27位から2巡30位にアップしてCBヘイワードを指名)。 6巡27位指名権と7巡指名権を2つペイトリオッツに譲渡し、この5巡28位指名権を取り戻してのILBマニング指名だった。
- トレードアップの判断についてテッド・トンプソンGM。 「この選手がすこしばかり過小評価されている、と我々が感じた状況だった。そして、その過小評価がいつまで続いてくれるかはわからなかった(からトレードアップした)」
- 指名が5巡まで下がったのはヒザのケガの前歴もあるようだ。高校最後に前十字靭帯を断裂して大学入学1年目を棒に振り、昨季序盤にも内側側副靭帯の部分断裂と軟骨損傷を負って手術を受け、2試合欠場している。
- ノースカロライナ州立大出身のパッカーズ選手といえば、2006年から2007年に在籍したWRコーレン・ロビンソンがいる。他には1試合出場した選手が2人いるのみ。NFL全体では、QBフィリップ・リヴァース(SD)やDEマリオ・ウィリアムズ(HOU→BUF)を筆頭に、活躍中の選手は少なくない。
- 大学では4-3のウィークサイドOLBだったが、パッカーズでは3-4のインサイドLBをプレーする。A.J.ホークと同じパターンだ。
- パッカーズのILB陣はホークとビショップの両スターターにくわえて、D.J.スミスも昨季代役スターターで活躍し、ロバート・フランソワも先発経験を積んだ。そのうえブラッド・ジョーンズとジャマリ・ラティモアもOLBからILBに移ってきたため、控え選手たちの争いは熾烈だ。ホークは実力に不釣り合いな高額サラリーのため、今季かぎりで放出すべきとの声もある。
- 背番号は56番。パッカーズではILBニック・バーネット(現BUF)でおなじみの番号だ。しかしそれを除くと、スターターで長く活躍した選手は1人もいない。
- 本人のコメントから。
- 「今ドラフトでのどのラインバッカーにも負けないと自分では思っている。それを証明するつもりだ」
- 彼が育ったトレーラーハウスに両親は今も住んでいる。 「(家族を経済的に楽にすることが)アーリーエントリー最大の理由だとは言わないけど、1つの理由なのはたしかだ。僕は準備ができてると思ったからアーリーエントリーした。ノースカロライナ州立大でできることはすべてやったと思ったからそうした」
- 「5巡まで指名されなかったのでナーバスになったけど、トンプソンGMがトレードアップしてまで獲ってくれたことで慰められた。自分が必要とされてると思えた」
- 契約は総額$2.2ミリオン(推定)あたりだが、この順位では契約ボーナスは$16万ドルにすぎない。 「そのお金はとっておいて忘れることにするよ。まだ大金を稼いだわけじゃないし、家族全員を仕事から引退させようとしてるわけじゃない。でも家族が僕の助けを必要とするときは、僕をアテにしてくれていい。両親ともまだ働いているけど、いずれは引退したいだろうし、その時は僕が助けたい。僕は派手なライフスタイルを望んでいるわけじゃないから」
- プレー内容にムラがあることは本人も意識している。 「オールアメリカン級のゲームがあれば、そこそこの選手でしかないゲームもあった。謙虚になって先輩たちから学びたい。彼らは僕の知らないことをきっと知っているしね」
- 「自分の取り柄は意欲の強さと熱心さだ。ドラフトされるような選手は、スキル・セットにおいてそれほど差はない。誰もが優秀なんだ。NFLで差がつくのは努力の部分。どれだけ良い選手になりたいかで決まってくる」
- ウィンストン・モスILBコーチ(兼アシスタントHC)の記者会見から。
- 「いい補強だと思う。彼ならば今いるILBたちをプッシュできると思う。大事なのは彼が最高のプレーを続けることだ。我々コーチも助けるし、彼がどのようにフィットするかはいずれわかる」
- 「ボールを追いかけるセンス、気性、心構えが非常にいい。タイトエンド相手のカバレッジも悪くない。NFLでは非常によいタイトエンドが多いから大変なことだが、我々はそれができると期待しているし、彼はそれに応えてくれると思う」
- 彼のパスラッシュのセンスについて、同大DCのマイク・アーチャー(元スティーラーズLBコーチ)。 「ブリッツするとき、誰が自分をブロックに来るかをわかっている。カレッジでそれがわかる選手は多くない。彼にはそれがわかるから、そのブロックをどう破るか、コーチとインテリジェントな会話ができる。ファイヤー・ゾーン・ブリッツのコンセプトも理解しているから、パッカーズのやっているディフェンスが理解できるだろう」