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Notebook: RBグラント好調
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2012年1月 4日
- 前回パッカーズがホームでプレーオフを戦ったのは4年前。当時は屋外の練習フィールドが整っていなかったため厳寒期の屋外練習が難しく、ジャイアンツ戦で極寒(-17℃)をアドバンテージにできなかった。しかし今のレイ・ニチキ・フィールドには"DD Grassmaster"(数%の人工繊維による補強つき天然芝)が敷かれ、ヒーティングシステムも埋設されている。つまりランボーフィールドとまったく同じ環境だ。
- 練習環境についてマッカーシーHC。 「2007年シーズンにはフィールドコンディションのために実現できなかった屋外練習が、今の我々にはできる。ニチキ・フィールドがヒーティングされているのは大きなプラスだ。おかげで我々はこの1ヶ月、(屋外での)ボール・ハンドリングに長い時間をかけて練習できている。プレーオフ準備のためにそれが続けられるのは大いに有益だ」
- RBライアン・グラントは契約が切れる今春の退団が確実と見られていたが、それも変わってくるかもしれない。シーズン中盤までは明らかにRBスタークスより劣っていたが、最近はかつてのスピードとキレが戻り、一発ロングゲインも増えてきた。
- 最近の好調さについてRBグラント。 「僕は変わっていない! たしかに若い連中の中には 『あんな足があるとは知らなかったよ』 とかいうヤツがいるけどね。 『オレのフィルムを見とけ』 と言ってやるんだ」 「昨年はあのような特別なシーズンに参加できず、とてもつらかった。長時間ハードに努力してきたのに自分の場所がないというのはね。今の体調はすごくいい。とくにここ数週間はいいね。自分の努力と能力はわかっているから、べつに驚いてはいない。感心するのは他人に任せる」
- ディフェンス不振の一因となっている右OLBのポジションについて、今後も複数の選手に練習機会を与えて検討していく、とドム・ケイパースDC。 「ブラッド・ジョーンズは非常によいゲームだったと思う。ランに対してフィジカルだったし、サックの他に良いラッシュが2回か3回あった。ヴィック・ソートはパスラッシュで目立つプレーがあった。フランク・ゾンボはラン守備でとても良いプレーがあった。今週の練習でも彼らに出番を与えてじっくり観察し、誰を起用するか決断する」
- 最終戦の不振により、パッカーズのトータルディフェンス(411.6yds)はNFL最下位、パス守備(299.8yds)も最下位に。ラン守備(111.8yds)は14位。失点(22.4)は19位。
- リターナーのミス続出で、あらためてWRランドール・コブの存在の大きさが浮き彫りになった。 「それは明らかだと思うね。ランドールはよくやっている。何度かターンオーバーを犯したが、それ以外はボールセキュリティでも判断の点でも非常によい仕事をしている」とショーン・スローカムSTコーチ。
- 今季Kメイソン・クロスビーはキックオフでのタッチバックが49回(回数はNFL3位、44.5%は15位)。彼はプロ入りから昨季までのタッチバック合計が47回だった。
- 元パッカーズヘッドコーチ(2000-05)のマイク・シャーマンが、バッカニアーズ(ラヒーム・モリスHC解雇)の新HC候補として球団首脳と面談を行う予定、と報道されている。シャーマンはテキサスA&MのHCを4年間務めていたが、今季は期待(開幕時ランク8位)を大きく裏切り、ボウルゲームを待たずに解任されていた。
- 地元両紙のライオンズ戦レビューから。Journal Sentinel紙のポジション別採点はこちら。
- QBフリンにはロジャースのような肩はないが、落ち着きと正確性は際立っていた。WRネルソンへの2発とWRジョーンズへのロングパスは美しかった。風があったことを考えればなおさらだ。おそらくもっとも魅力的な点はパスラッシュに対してポケットでビビらないこと(被サックは3回、ノックダウンは7回もあった)。若手QBがもっとも苦労する点だ。彼は常に落ち着いてリラックスし、無理投げしない。
- 前半をまるまるノーハドルで行くのはよい判断だった。WRが3人しかいないのでもともと選手交代の選択肢は限られていたが、後半はモーションやシフトも減らし、そのこともQBフリンを助けたかもしれない。
- プレーオフ前であることを考慮し、マッカーシーHCはRBグラントを後半5スナップしか出場させなかった(前半28スナップ)。スクリーンパスではLBリーヴィーを一瞬ブロックしたあと素早くコースに出て、SSスパヴェイをスピードで振り切った。FBクーンは31スナップ、RBセインは24スナップ。
- WRネルソンはすべてのルートを同じように走り出し、鋭いカットや加速ができる。振り向いてすぐボールを見つけられるのは、すばらしいビジョンを備えているに違いない。ディープパスやバックショルダーのフェードが得意なのはそれも一因ではないか。73スナップ中69スナップに出場、WRジョーンズは60スナップ、WRドライバーは52スナップ。
- TEフィンリーは3rdダウンで好プレーを連発し、インターセプト後は素晴らしいハッスルを見せ、30ydsリターンされたところでタックルした。
- LTクリフトンは復活に近づきつつあるとはいえ、かつての彼ではない。負傷前から明らかだったが、以前よりも簡単に押し込まれ、インサイドムーヴに弱い。全盛期には、いったん相手をロックオンしてしまうとそれで終了だった。長年活躍してきた彼に頼りたいのはわかるが、今季ずっとプレーしてきたLTニューハウスで行くべきでは? ランニングゲームではニューハウスの方がいいし、ジャイアンツ相手ならDEピエール=ポール相手に1試合経験がある。クリフトンを選んだ決断は命取りになりかねない。(この項Press-Gazette紙)
- マッカーシーHCがLTクリフトンをプレーオフのスターターに選んだのは、「よくなるはず」に基づいたもので、今回のプレー内容ではない。主にDEヴァンデンボッシュと対戦し、出場25スナップでプレッシャー3.5回、"Bad Run"1回。力強さに欠け、フットワークもあまり柔軟には見えなかった。今後2週の練習で向上が必要だ。代わったLTニューハウスは出場48スナップでプレッシャー1.5回、"Bad Run"2回だった。反則2回は減点材料。(この項Journal Sentinel紙)
- T.J.ラングは左ガードから右タックルへの難しいポジション変更をしっかりこなし、DEクリフ・エイヴリルを2Q半にわたって完封した。RGシットンは(いまひとつの)今季の中では良い内容で、第2Qにプレッシャー1.5回を許したほかはDTスーをコンテインできていた。DTスーのブルラッシュには多少押されても、ポケットを崩されることはなかった。LGディートリック=スミス(48スナップ)はDTスーにオーバーパワーされてサックを献上したが、それ以外のほとんどはDTスーが相手ではなかった。
- Cウェルズは相手のホールディングでサック献上を逃れたほかは素晴らしい内容。ランでもパスでも押し込まれることがない。
- DL陣の出場スナップ数は(全80)、DEラジ(52)、NTピケット(36)、DEウィルソン(34)、DEウィン(17)、DEニール(13)、NTグリーン(1)。
- シカゴ戦で醜態(ラン199yds)をさらしたDL陣が、今回はRBスミスとRBモリスを合せて13回48yds(平均3.7)に抑えた。今回DEラジはダブルチームをよく受け止めてILBたちを守ったが、やはり大きいのはNTピケットの復帰だった。今は体調がいいので、よくあるように試合後半にスタミナ切れになる様子がなかった。
- OLB陣の出場スナップ数は、左OLBがジョーンズ(35)とソート(46)、右OLBはゾンボ(39)とウォルデン(41)。ラティモアは出番ゼロ。ILBビショップとILBホークのブリッツは14回ずつ。QBスタフォードにまるでプレッシャーをかけられず、落ち着いて投げられてしまった。パス61回でサックわずか2回(ソートとジョーンズ)。
- 感謝祭ゲームではLTバッカス相手によくやった(プレッシャー3.5回)OLBウォルデンだが、今回は(OLBソートがサックした後にQBをヒットした)馬鹿げたアンネセサリーラフネスのみ。プレーオフで先発の可能性が高いのはOLBジョーンズか。パスラッシュの他にポイントオブアタックでの強さもある。パスカバレッジは優秀とはいえないがソートよりは柔軟に動ける。(この項Journal Sentinel紙)
- マシューズ以外のOLB陣をさんざん試したが、どれも足りない点がある。ウォルデンはラン相手で強い。ゾンボはモーター・ガイ(止まらないモーターで頑張る)。ソートは横幅が広くOLBの体型には見えないが、QBにラッシュできる。問題はパスカバレッジで、方向転換に難がある。ジョーンズはサックこそ決めたが、ランブロッカーに簡単につかまるプレーが何度もあった。(この項Press-Gazette紙)
- DB陣はコミュニケーションとポジショニングのミスが非常に多く、20yds以上のパス成功がなんと12回。
- WRカルヴィン・ジョンソンに球団史上最悪の244ydsを許した一因は、CBトラモン・ウィリアムズのマンカバーが前回より多かったこと。セーフティのヘルプが多かった前回は、彼がWRジョンソンに許したのはわずか1回5yds。今回は7回155yds。
- FSバーネットはポジショニングが悪く、CBウィリアムズを助けられないプレーが何度もあった。CBシールズは引き続き受け身のプレーが多すぎ、カバレッジは可もなし不可もなし。CBブッシュはウッドソンの代役として非常に激しくプレー。WRバールソンが足を滑らせたのを見て飛び出し、見事にインターセプト。その後には99ydsのINTリターンTDのチャンスがあったが、惜しくも落球した。
- パッカーズのスペシャルチームがターンオーバーを奪ったのは昨季第9週ダラス戦以来のこと。風の中でPマステイはネット42yds、ハングタイムもよかった。セーフティ後のフリーキックは78ydsも飛んだが、審判のレディーがかかっておらず、残念ながら蹴り直しに。Kクロスビーの47ydsFGは右アップライトにまっすぐ飛んでいたが、強風が吹いて左に逸れてしまった。キックオフ8回のうちタッチバック5回。風の中でLSグードのロングスナップはよかった。