グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2011年9月13日
選手たちは実質5連休(金曜と月曜はミーティングおよびフィルム・セッション)を楽しんでいて、とくにニュースがない。そこで、遅ればせながら今年のトレーニングキャンプとプレシーズンでの良かった点、悪かった点をまとめてみる。本当に悪かった選手の多くがチームを去っているわけで、総花的な評価になるのはお許しを。
- Excellent : 長期休養を要するケガ人がいなかったこと。開幕戦欠場はDEマイク・ニールとOLBフランク・ゾンボだけ。PUPリストは1人もなく、インジャリーリザーブもプラクティス・スクワッド級の若手が2人だけ。
- Excellent : 優勝しても気の緩みがなかったこと。昨季インジャリーリザーブで悔しい思いをした選手たちがギラギラとした気合をもって復帰し、チーム内の競争が激しくなったことが大きい。
- Excellent : TEジャーマイケル・フィンリーはやはりさすが。手の届くボールはほとんど競り勝ってしまう。QBロジャースとのホットラインは健在。
- Excellent : RTブライアン・ブラガは昨季好調だったプレーオフからさらに大きく成長。パスプロもランブロックも強力で、晩年のRTタウシャーならすでに上回っている。隣のRGジョシュ・シットンとともに長く活躍してくれそうだ。
- Excellent : NT B.J.ラジ。 急成長した昨季からさらに伸び、低い当たりからの押し込みは相手OLにとって厄介この上ない。
- Excellent : Pティム・マステイ。 飛距離、ハングタイム、短いパントのコントロールなど、どれをとっても文句なし。パッカーズにこんな立派なパンターがいたのはPクレイグ・ヘントリック(在籍1993-97)以来のことだ。すでに一流パンターと言えるのでは、と記者たち。
- Very Good: QBアーロン・ロジャース。 いつもどおりシャープ。練習でやりたい放題できないのはディフェンスがいいせいだろう。
- Very Good : RBジェームズ・スタークス。 スピードと馬力があり、鋭くパワフルなカットバックがいい。明らかにRBグラントを上回っている。
- Very Good : 新人WR/KRランドール・コブ。 レシービングが上手く、クイックかつ下半身の馬力があって捕まえにくい。最近パッカーズのWRになかったタイプで、スロットレシーバーにうってつけ。リターナーとしてもパントのキャッチが安定していて、迷わずズバッと突っ込む走りがいい。
- Very Good : WRジョーディ・ネルソン。 昨季プレーオフの勢いをそのままに、安定感を増している。QBロジャースの信頼が厚いという点も大きい。
- Very Good : 新人TEライアン・テイラー。 7巡指名ルーキーとしては素晴らしいスタートを切った。得意のスペシャルチームではすでに中心選手の1人。ブロッキングは粘り強く、レシーバーとしても前評判よりずっと洗練されている。開幕戦は軽いけがで大事を取ったが、現状では5巡指名TE D.J.ウィリアムズよりも上だろう。
- Very Good : NTライアン・ピケット。 ロックアウトの影響で体重問題が懸念されたが、ぶじにクリアしてケガもなく元気(NTハワード・グリーンも同様)。一昨年までと同じNTに戻り、B.J.ラジはDEに回ることが多くなりそう。
- Very Good : 新人OLBヴィック・ソート。 ブリガムヤング大ではDEだったのでアウトサイドLBはこれが初めてだが、パスラッシュでもラン守備でもパスカバレッジでもよく頑張っている。プレシーズン最終戦ではビッグプレーを連発してヒーローとなり、ドラフト外ながら楽々のロースター入り。主に左サイド(OLBマシューズの控え)をプレーしてきたが、今後右サイドでウォルデンやゾンボをプッシュできるかどうか。
- Very Good : SSモーガン・バーネット。 予想とは異なり、復帰直後からコーチ陣は彼を先発組に入れ、SSペプラーと同格の先発争いにはさせなかった。守備範囲の広いパス守備は昨年から評価されていたとおりだが、ランサポートでもフィジカルになったのがいい。
- Good: QBマット・フリン。 昨季も書いたことだが、4年目の彼は一人前の控えQBに成長し、QBロジャースが数週間休んでも全敗を覚悟する必要はなさそう。ただ、来春のFA市場に向けてプレシーズンで大活躍できたかというとそうでもない。
- Good : 新人RBアレックス・グリーン。1バック隊形からのドローやスクリーンパスなど、3rdダウンバックとしてのポテンシャルは十分示した。大学時代にスプレッドオフェンス一辺倒だったので、ゾーンブロッキングスキームに適応できているとはまだ言えない。
- Good : 控えTE陣。 プロ2年目のアンドリュー・クウォレスはケガで少し出遅れたが、すぐに調子を上げた。2年目のトム・クラブトリー、新人D.J.ウィリアムズ、新人ライアン・テイラーとそれぞれ良さがあって解雇できず、けっきょくTE5人体制に。来春TEフィンリーのFA移籍を許しても大丈夫などとはとても言えないが。
- Good : LG T.J.ラング。 1巡指名デレク・シェロッドを退け、プレシーズン第3戦から先発に固定。ランブロッキングの力強さは前任者LGダリン・カレッジ(ARIへFA移籍)を上回る。あとは実戦でパスラッシュの応用問題にちゃんと対応できれば問題ない。
- Good : LTマーシャル・ニューハウス。 ルーキーだった昨年は体つきがぶよぶよだったが、今年はかなり実が入って力強くなった。ただ練習と比べてプレシーズンゲームでは不安定(不慣れなRTが多かったが)。控えOLとしてやっていくためには複数ポジションがこなせなくては困る。
- Good : DEマイク・ニール。 期待どおり力強いプレーを見せてくれたが、キャンプ半ばでヒザをひねって開幕戦に間に合わず。ニッケル隊形(2-4-5)ではNTラジと組んでパスラッシュ力を活かす予定。彼が元気ならばDEジェンキンズ(PHIへFA移籍)と同じか、それ以上への成長も期待できる。DLきってのトレーニングの鬼なので、心配はケガだけ。
- Good : 控えDE陣。 3年目ジャリアス・ウィンと2年目C.J.ウィルソンはどちらもそれなりに伸びている。ただC.J.ウィルソンはパスラッシュがよくない。
- Good : 控えILB陣。 サラリーキャップの都合でILBバーネットとILBチラーを放出して心配されたが、早い時期からD.J.スミスとロバート・フランソワに2番手コンビを組ませて成果を出した。とくに6巡指名D.J.スミスは将来性がありそう。
- Good : WRドナルド・ドライバーとCBチャールズ・ウッドソンの両ベテランに衰えは見られない。とくにCBウッドソンはキレがある。
- Good : ドラフト外ルーキー。 OLBヴィック・ソート、OLBジャマリ・ラティモア、FS M.D.ジェニングスの3人がみごと開幕ロースター入り。チーム合流から1か月強しかなかったことを考えれば立派だ。その他にもプラクティス・スクワッドには面白そうな素材が何人も。
- Not Bad : QBグレアム・ハレル。 それなりに成長しているが、肩の強さはなくコントロールもアバウト。けっきょく今年もプラクティス・スクワッドでの開幕となった。
- Not Bad : LTチャド・クリフトンのヒザ。 例によってだましだまし練習していくしかなく、シーズンを乗り切れるのか不安はある。今年がラストシーズンになる可能性もあるが、「ケガがちのベテランを早めに放出する」トンプソンGMの方針も彼だけは適用しにくい。左タックルはそれぐらい世代交代が難しいポジション。
- Not Bad : OLBクレイ・マシューズ。 能力的には心配ないが、プロ入りから3年連続でハムストリング問題が出てしまった。ただ今年はこれまでで最も程度が軽く、少し休んだだけで復帰できた。
- Not Bad : 右OLB。 フランク・ゾンボの肩甲骨骨折でエリック・ウォルデンが開幕スターターに。2人とも成長を見せているが、「マシューズの逆サイドのパスラッシュはこれで大丈夫」とはとても言えない。
- Not Bad : 新人CBデヴォン・ハウス。 キャンプの出だしは非常に内容がよかったが、その後ハムストリングを負傷して長く休み、復帰したら足首を捻挫。開幕戦でのCBトラモン・ウィリアムズ(肩)の負傷が長引くようなら、出番がやってくるかも。
- Bad : 控えオフェンシブラインのデプス。 2年目のC/Gニック・マクドナルドは伸び悩んで解雇され、勝ち残ったC/Gイヴァン・ディートリック=スミスも大したことはない。昨季は先発経験のあるラングやCスピッツ(JAXへFA移籍)がいて安心だったが、それとは大違いだ。先発OL陣にケガ人が出た時がオフェンスのピンチになる。
- Bad : 1巡指名OTデレク・シェロッド。 先発左ガードのチャンスを与えようとキャンプ第3週までLG/LTを兼任させたのが完全に裏目。昨年の1巡指名ブラガとは違ってガードに不向きのタイプだった。元5巡指名のニューハウスに敗れて2番手LTにもなれず。きわめて真面目でフットワークの軽さも期待どおりなので、今年は体を作ってLTクリフトンの後継者になってほしい。
- Bad : OLBブラッド・ジョーンズ。 プロ3年目もパスラッシュが全然よくなってこず、先発右OLB争いでゾンボとウォルデンに完敗。ゾンボの肩甲骨骨折でかろうじて開幕ロースターに残った。
- Bad : CBサム・シールズ。 "Bad"は厳しすぎるかもしれないが、昨年と比べて冴えないのはたしか。一発ビッグプレーを狙ってしまうのか、ドラフト外ルーキーだった昨年より必死さが足りないのかはわからない。「WRに一瞬置いて行かれて追いつこうとするときの方がいいプレーをする」と評する記者も。