NFL競技委員会(competition committee)は今年のルール改正案をまとめ、来週のオーナー会議において勧告を行うことになった。32球団中24球団の賛成があれば可決される。ベテランHCやGMで作る同委員会の権威は大きいが、オーナー会議で否決されることはけっして珍しくない。改正案の内容はおおよそ以下のとおり。
1番のキックオフ位置/タッチバック位置の変更は選手の安全を向上させるためのもの。キックオフリターンはとくにケガの多いプレーだからだ。リッチ・マッケイ委員長(ファルコンズ社長)は、「キックオフ後の平均オフェンス開始地点は27.6か27.7yds地点だから、(新ルール下で)タッチバックを多く蹴っても大きなプラスにはならないだろう。最大の眼目はフィールドを短くしてしまうこと。(激突までの助走距離を短くすることで)ケガを減らし、それでいてオフェンス開始地点が変わらないことを我々は望んでいる」と語っている。
キックオフ位置のルール改正が正式決定された場合、最もトクをするのはパッカーズかもしれない。WRデヴィン・ヘスターやWRパーシー・ハーヴィンといった有力リターナーを地区内に抱えて「40ydsまでリターンされなければ御の字」であるうえ、こちらのキックオフリターナーはヘナチョコだからだ。当然ベアーズのようにスペシャルチームの優れたチームからは反発が予想される。タッチバックが増えればより安全に、そしてより退屈になるのはたしか。
2番は昨年途中に強化した罰則を明文化しただけ。違反回数は1年単位でリセットされるのではなく、過去2年を対象とするようだ。
3番の、得点プレーのチャレンジをすべてオフィシャル権限とするのは、ヘッドコーチの責任を軽減し、誤審の多いゲームでチャレンジ権を使い切ってしまう不公平をなくすため。
4番のパスキャッチ基準は大きな批判を受けて今年は変更されるかと期待されていただけに、変更なしとの決定に失望の声が上がっている。「たとえば両腕を前に伸ばしてエンドゾーンに突っ込むような場合、エンドゾーンに(ボールの先が)入ったあとでボールをこぼしてもタッチダウンが認められるのに、なぜパスキャッチだとダメなのか。もっと単純にできるものをなぜしないのか」といった批判だ。