グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2011年3月16日

シーズン総括と展望 FB編

フルバックをロースターに置かないチームさえあるご時世に、2年連続のFB3人体制でシーズン開幕。おかげで、RBグラント戦線離脱後にジョン・クーンがボールキャリアーに回っても、とくに補強なくシーズンを戦うことができた。クーンはショートヤーデージを中心に84回281ydsラッシング、ラン・パス合計6TDの活躍。クーンの前にフルバックを2人並べる、時代錯誤的な超ヘビーパッケージも注目を集めた。

いっぽう、コーリー・ホールは今季もまたケガで6試合(うちプレーオフ2試合)を欠場し、得意のスペシャルチーム以外では存在感の薄いシーズンだった。プロ2年目のクイン・ジョンソンも期待されたほどの成長はなく、ルーキーシーズンで見せた欠点があまり改善されていない。

今オフはクーンとホールの2人が無制限FAとなるが、ジョンソンが伸び悩んでいるだけに、どちらかはキープしたいところ。スペシャルチームでの貢献が大きいホールだが、毎年ケガが多いので、やはり再契約を見送るとしたら彼だろう。FA市場で買い手がつかなければ安い金額で再契約し、キャンプでロースター争いさせる手もある。

ジョン・クーン  John Kuhn | Fullback | Shippensburg
6-0 (183cm) | 250lbs (113kg) | 6年目 28歳 | 2007年ウェイバー (PITで2005年ドラフト外)

RBグラントの大ケガでショートヤーデージのボールキャリアーとなり、ラン84回281yds・4TD、レシービング15回97yds・2TDの活躍。昨季までは年間キャリー8回が最多だったが、いまや彼がボールを持つたびにスタンドから"Kuhhhhhhhn!"の合唱が起きるほどのカルトヒーローに。ただシーズン後半は相手に読まれてシャットアウトされるゲームも増え、RBスタークスの台頭したプレーオフではキャリー合計6回8yds。スーパーボウルではボールに触れる機会が一度もなかった。

今年はフリーエージェントとなるが、FA市場でどのように評価されるのかよくわからない。おそらく本人にとってもパッカーズに残る方が能力を活かせるはずで、比較的容易に再契約できるのではないかと見られている。

コーリー・ホール  Korey Hall | Fullback | Boise State
6-0 (183cm) | 236lbs (107kg) | 5年目 27歳 | 2007年ドラフト6巡

ボイジ州立大ではスター級のミドルLBとしてカンファレンスのディフェンスMVPにも選ばれたが、入団と同時にフルバックに転向。スペシャルチームでは中核選手の1人として活躍を続けてきた。ランブロッキングは少しずつ向上してきたが、パスキャッチはキャリア最少の1回9ydsにとどまった。小兵のせいかケガが多く、毎年4試合か5試合欠場してしまう点も気になる。今年は上記クーンとともにフリーエージェントとなるが、スペシャルチーム能力を買ってそれなりのオファーが来る可能性はある。安上がりで済むならば再契約も。

クイン・ジョンソン  Quinn Johnson | Fullback | Louisiana State
6-1 (185cm) | 263lbs (119kg) | 3年目 24歳 | 2009年ドラフト5巡

ルイジアナ州立大ではQBマット・フリンの1年後輩。ガタイを活かしたパワフルなランブロッキングは魅力だが、動くターゲットへのアジャストが拙く、まだまだ粗削り。パスプロでは何度も大きなミスを犯してQBロジャースから叱責され、パスキャッチもミスが多い。プレーオフ初戦のイーグルス戦ではよく頑張ったものの、スーパーボウルでアクティブ登録から漏れたのは、スペシャルチームで頼りにならないためだ。

プロ3年目の今年はそろそろ正念場。伸び悩みは技術よりハート(献身的努力が足りない)の問題、と見る向きもある。上記2人の再契約しだいではあるが、トレーニングキャンプで進歩が見られなければ見切られてしまう可能性も十分ある。

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