グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2010年2月15日

シーズン総括と展望 QB編

先発昇格2年目のアーロン・ロジャースが期待通りの成長をとげ、プレーオフ出場の原動力に。さまざまな球団記録を作り、初プロボウルにも選ばれた充実のシーズンだった。唯一の問題はボールを持ちすぎて被サック量産の一因となってしまったことだが、その課題もシーズン後半はかなり改善された。

ロジャースがエリートQBとしての評価を確立するいっぽう、控えQB陣は今季も低レベルだった。2008年2巡指名のQBブライアン・ブロームは2年目も改善が見られず、開幕前に解雇されてプラクティス・スクワッドからビルズへ。2008年7巡指名のQBマット・フリンは2番手の座を確保し、数少ない出番で落ち着いたクォーターバッキングを見せた。

前年もそうだったが、控えQB問題(しかもQB2人体制)が露呈しなかったのは、サック、ヒットの嵐を浴びながらロジャースがフル出場を続けてくれたおかげ。フリンが成長したとはいえ、もしロジャースが骨折して1ヶ月休んだらとてもプレーオフは無理だったはず。

今年はQB2人体制を解消して3人目を獲得するものとすると、やはりドラフト下位指名の可能性が高い。実績あるベテランQBを獲ってもおかしくはないが、トンプソンGM/マッカーシーHC体制になってからベテランQBを獲得したのは2006年11月のQBトッド・バウマン(ロジャースがIR入りのため)が最後。マッカーシーHCの実績からいっても、若手育成を好む傾向ははっきりしている。また、先発QB争いの望めないパッカーズではベテランQBの側も魅力を感じないだろう。

アーロン・ロジャース Aaron Rodgers | Quarterback | California
6-2 (188cm) | 220lbs (100kg) | 6年目 26歳 | 2005年ドラフト1巡

先発1年目でフランチャイズQBにふさわしい働きを見せ、2年目はリーグ屈指のQBに成長してチームをプレーオフに導き、初プロボウル出場を果たした。パスのコントロール、ロングパスの精度、3rdダウンでの勝負強さ(レーティングNFL1位)、INT率の低さ、スクリメージでのディフェンスの読み、効果的なスクランブル、リーダーシップ、タフネスなど、もうほとんど注文をつけるところが見当たらない。2008年シーズン半ばに総額$65ミリオンの6年契約を結んだが、すでにお買い得感が感じられる。

唯一の欠点はボールを持ちすぎて被サックが増えたことだが、シーズン後半は球離れを早くしてパスプロ安定に貢献。それにインターセプトの少なさ(NFL1位)は、被サックによる後退を補ってあまりある。惜敗続きだった2008年とは打って変わって第4Q最後までもつれるゲームが少なく、そうしたゲームはプレーオフを含めて1勝2敗。開幕戦はロジャースのロングパス成功で勝ち、第15週PIT戦とプレーオフのARI戦はパス守備崩壊でオフェンスの頑張りを無駄にしてしまった。

そういったわけで、オフェンスの課題といえばロジャース自身のことよりもオフェンシブラインが彼に投げる時間を与えること。安全なクイックパスばかりでは宝の持ち腐れになってしまうし、彼が壊れないよう守ることはオフェンスの最重要課題だ。

マット・フリン Matt Flynn | Quarterback | Louisiana State
6-2 (188cm) | 225lbs (102kg) | 3年目 24歳 | 2008年ドラフト7巡

名門ルイジアナ州立大から7巡指名入団して2年目。2年連続で同期ブライアン・ブロームに勝って2番手QBの座を確保した。実戦での出番は少なかったが、プレッシャー下でも落ち着いたプレーぶりで的確なパスを通すなど、かなりの成長の跡が見られた。足があるので動きながらのパスも悪くない。とはいえ、肩の弱さなどスケールの小ささはいかんともしがたい。ロジャースと比べては気の毒だが、NFLでフランチャイズQBになれる器でないのははっきりしている。堅実な控えQBへとさらに成長していってほしいところ。

クリス・ピゾッティ Chris Pizzotti | Quarterback | Harvard
6-5 (196cm) | 226lbs (103kg) | 1年目 23歳 | 2009年ドラフト外

QB2人体制のため、プラクティス・スクワッド(以下PS)のQBが実質3番手だった。シーズン前半ずっとPSにいたQBブライアン・ブロームが11月19日にビルズと契約したため、パッカーズはQBマイク・ライリー(セントラル・ワシントン大)をPSに加えた。その後ライリーがラムズと契約すると、12月9日にQBクリス・ピゾッティがPSへ。

クリス・ピゾッティはハーヴァード大から昨年のドラフト外でジェッツに入団し、キャンプ半ばで解雇されている。身長6フィート5(196cm)のサイズがあり、大学通算5675yds、37TD、13INT。オール・アイビーリーグに2回選ばれている。それ以外はまるで情報がない。祖父のフランク・ダンスウィッツはノートルダム大で大活躍し、1946年のドラフト全体1位でボストン・ヤンクスに指名されたが、NFLでは活躍できずに終わったらしい。

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