グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2009年7月 6日
ようやくWRジェニングスとの契約延長が完了し、サラリーキャップの空きが$16ミリオン以上あるパッカーズだが、ことし契約最終年を迎える主力選手が山のように残っている。総勢16人、スターター級の主力選手が9人。チーム側にとって優先度の高そうな選手から(大雑把に)並べ、それぞれの事情を列挙してみる。
なお、新労使協約が締結できずに2010年がサラリーキャップなしのシーズンとなる場合、来春無制限フリーエージェントとなれるのはNFLで6年を終えた選手だけ。その場合、OLBキャンプマン、LTクリフトン、NTピケット、ILBチラー以外の12人は制限付きフリーエージェントにしかなることができない。
- LGダリン・カレッジ(27歳) 「昨季チームで最もよかったOL選手」との評価も多く、一流ガードへと伸びる道筋も見えてきた。年齢もケガもポジションの都合も問題ないため、いまチームにとって最も安心して契約延長できる選手。すでに交渉は始まっていて、次に契約するなら彼かFSコリンズと見られている。
- FSニック・コリンズ(25歳) 7INTを挙げてプロボウラーに成長した若きスターだが "One year wonder" でないのかどうか。契約問題をプッシュするためOTAをほぼ全休し、新スキームへの習熟も心配だ。今年FAでFSアンソニー・スミスを獲ったのは、コリンズとの契約延長を見送った場合の来季のスターター候補、という考えかもしれない。
- CBトラモン・ウィリアムズ(26歳) EFAとしての最低額オファーは拒否していたが、$90万ドルの1年契約にサインした。来春にはRFAになるはず。順調に成長を続け、両先発ベテランCBが衰えたらすぐにでもスターター昇格できる。3番手CBのいま契約延長できればチームとしては安上がりだが、本人はどう考えるか。
- C/Gジェイソン・スピッツ(26歳) 契約延長はCウェルズとの先発争いを制してから。ウェルズに勝ち、シーズン前半によい働きを見せれば、シーズン中盤以降に契約がまとまってもおかしくない。
- OLBアーロン・キャンプマン(29歳) 3-4への転換さえなければこのリストのトップ、いや今頃はとっくに契約延長が済んでいるはずだった。上記選手と比べてかなりの高額になるため、チームとしては「OLB転向の成否を見きわめてから」と考えているだろうし、本人も「自分が来年以降も3-4のOLBをやりたいのか見きわめたい」と思っているはず。期待通りの活躍ができれば、シーズン中盤ごろから交渉が本格化しそう。
- LTチャド・クリフトン(33歳) プロボウルも経験した一流LTも、年齢とともにケガ(とくに両ヒザは慢性)も増えてきた。本来なら世代交代を図るタイミングだが、左タックルというポジションの希少性もあって後継者が見当たらない。ケガに悩まされずシーズンを送れるかどうか見極めてから交渉を始めることになりそうだが、本人のプライドを満足させるようなオファーができるかどうか。
- NTライアン・ピケット(29歳) ノーズタックルの先発は確保しているが、いずれB.J.ラジに切り替えるつもりで1巡9位指名権を使ったのだろう。昨季のピケットには多少の衰えを指摘する向きもあった。スナップ数を絞ることでプレーの質を上げることができれば契約延長の可能性も出てくるが、チームとしては慌てず騒がず、シーズン終了後に考えるのではないか。
- SSアタリ・ビグビー(27歳) 2007年シーズン後半は素晴らしかったが、2008年はケガに苦しんで不振。復活を見きわめないことにはフロントも動きようがない。
- DEジョニー・ジョリー(26歳) 昨年夏に鎮痛剤コデインの大量所持で逮捕され、もうじき裁判が始まる。有罪となれば4試合?の出場停止が濃厚で、そんな選手を優先して契約延長するわけにはいかない。先発2年目の昨季は伸び悩んだ。3-4の新ポジションでどれだけ力を発揮できるか。
- CB/KRウィル・ブラックモン(24歳) トラモン・ウィリアムズに水を開けられ、プロ2年目のパット・リーに4番手の座をプッシュされている。リターナーとしての爆発力は証明済みだけに、FA市場での価値を上げるにはやはりCBとしての成長だろう。
- ILBブランドン・チラー(26歳) 昨年春にFAとして2年契約を結んだので、今年が最終年。パスシチュエーションで彼のパスカバレッジ能力を活かす道をコーチ陣が見つけるかもしれないが、やはり3-4は向いていないように見える。スターターになれるチームをFA市場で探したい、と本人は考えるのでは。
- WRルヴェル・マーティン(26歳) 5番手WRとしては優秀だが、大きな成長が見込めないのであれば、このクラスの選手は(安価な)ドラフト下位指名選手あたりと入れ替わっていくものだろう。
- FBジョン・クーン(26歳) コーリー・ホール、クイン・ジョンソン(5巡指名)との3人で2つのロースター枠を争っている。契約延長うんぬんはその争いに勝ち、シーズンが終わってからだろう。
- Sチャーリー・ペプラー(26歳) 現時点ではアーロン・ラウスと4番手セーフティ争い。勝ち残れる可能性もかなりあるが、早めに契約延長するほどの選手ではない。
- TEトリー・ハンフリー(26歳) すべては3番手TEの座を確保してから。活躍しだいでは、シーズン終了後に契約延長の話が出てくるかもしれない。
- T/Gトニー・モール(25歳) プロ入りから3年間、ケガ人が出るたびにかなりの出場機会をもらい、もう伸びシロがあまりないことがはっきりしてしまっている。今年はいよいよ開幕ロースター入りが難しい。