グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年4月24日

ドラフトの焦点 ディフェンス編

ニーズ分析のディフェンス編。未経験の選手たちが3-4のピースとしてどのようにあてはまるのか、不透明な部分が多い。フロント7に補強が必要なのは当然として、OLBとNTとDEのうちどれが最大のニーズなのか、プロの人事担当者たちに聞いても意見はかなり分かれている。また3-4適性以外にも、年齢的衰え、契約問題と課題が山積している。

OLB

左サイドの先発はアーロン・キャンプマンで決まっていて、問題は右サイド。大学でDE経験のあるブレイディ・ポピンガ、パスカバレッジで頼りになるブランドン・チラーが現状では有力候補で、昨年の4巡指名ジェレミー・トンプソンはむしろこのOLBで活きてくるという見方もある。しかし3-4ディフェンスで最もプレッシャーを生み出す役の右OLBだけに、もっと切れ味鋭いパスラッシャーがほしい。今年のドラフトでは3-4のOLBに転向できそうな軽量パスラッシャーが大豊作と言われていて、本当ならばパッカーズにとってはありがたい。

NT

先発はライアン・ピケットだと首脳陣は明言しているが、昨季の働きぶりからして(29歳だが)すでに衰え始めたのでは、と不安視する向きもある。当面ピケットで大丈夫だとしても、彼が中核を担って一流の3-4ディフェンスができるのかどうか。その控えとなるとさらに心細く、公式戦で全く出場経験のない選手ばかり。というわけで、ボストン・カレッジのB.J.ラジの1巡指名を予想する声が少なくない。まさか今の陣容のままキャンプを迎えることはないだろう。

DE

右DEはカレン・ジェンキンズの先発が決まっているが、胸筋断裂の大ケガからのリハビリ途上という不安がある。控えはマイケル・モンゴメリー。左サイドの先発はいま選ぶとしたらジョニー・ジョリー。控えのジャスティン・ハレルは今春も腰のリハビリの日々を送っていて、まともな戦力になるめどが立っていない。

4-3のDEよりも馬力が必要なかわり、パスラッシュであまり活躍できない地味なポジションのため、「1巡9位で指名するのはもったいない」という感覚が普通のようだ。パワー・エンドが手薄な今年のドラフトの中で、ルイジアナ州立大のDEタイソン・ジャクソンは「3-4のDEをやるために生まれてきたような選手」と言われている。たとえドラフトで即戦力が獲れなくても、ケヴィン・カーター(TB)やヴォニー・ホリデイ(MIA)といったベテランがFA市場に残っていて、その気になれば補強は可能だろう。

CB

チャールズ・ウッドソン32歳、アル・ハリス34歳。彼らのプレー内容にさほど衰えは見られないとはいえ、誰が見ても世代交代のときは近づいていて、CBの上位指名を予想する声が少なくないのもそのためだ。一番ヤバいのは彼らが同時に衰えた場合だが、昨年のウッドソンを見るとその心配はなさそうで、ハリスが衰えたらトラモン・ウィリアムズと入れ替えればなんとかなりそう。

また、3-4への転換でゾーン・カバレッジが増えるのも心配な要素。ウッドソンはむしろ向いていそうだが、ハリスにとっては痛手となるかもしれない。昨年の2巡指名パット・リーは、マンカバレッジ得意ということで獲ったことを考えると、あまりアテにできない。上位指名権を使うのはフロント7との兼ね合いで難しいかもしれないが、プレミア・ポジションだけに早めの補強をしたいところ。

S

昨年までとは多少役割が変わってくるので不安はあるとはいえ、FSニック・コリンズとSSアタリ・ビグビーでスターターは一応固まっている。FSアンソニー・スミス(PIT)をFAで獲ったのは、豊富な3-4経験もさることながら、FSアーロン・ラウスのプロ2年目が大きく期待を裏切ったせいでもあるだろう。SSビグビーの控えはチャーリー・ペプラー。

年齢が心配なCBとは違って、こちらは契約問題が心配。先発コンビが来年FAとなることを考えると、どちらか一方は契約延長しない可能性が大きいように思えてくる。3巡か4巡あたりでセーフティを指名し、使えそうなら来年はスターター交代、というのが一番安上がりなシナリオだろう。

ILB

ニック・バーネットが右サイド(ウィークサイド)、A.J.ホークが左サイド(ストロングサイド)と先発コンビは決まっている。バーネットは前十字靭帯(ACL)断裂のリハビリ途上なのが不安材料だが、控えには伸び盛りのデズモンド・ビショップや器用なブランドン・チラーがいて、補強の優先度としては高くない。

カテゴリ : Draft