グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年2月24日

シーズン総括と展望 DT編

昨年春にDTコーリー・ウィリアムズをフランチャイズ指名で引き留めたあとトレードに出しことが、短期的には大きな悪影響をもたらした。パスラッシャーとして優秀だったウィリアムズがいなくなるとパスラッシュ能力がまるでなくなってしまい、DEジェンキンズの戦線離脱とあいまって、パス守備の悪化に歯止めがかからなくなった。

今年は3-4ディフェンスへの移行にともない、ノーズタックルをやる選手とディフェンシブエンドに移る選手に分かれることになる。3-4ディフェンスのキモと言われるノーズタックルにはライアン・ピケット。FAとなるコリン・コールがもし再契約すれば、ピケットの控えになりそうだ。ジョリーは左DEのスターターとなる見込み。ケガに苦しむ元1巡指名選手、ジャスティン・ハレルはNTとDEの両方をやらせる、とマッカーシーHCは語っている。

ポジションの重要性からいっても層の薄さから言っても補強が必要なノーズタックルだが、今年のFA市場には目立った選手はいない。OTやアウトサイドLBとともに、ドラフト上位指名の可能性がもっとも高いポジションと見られ、ボストン・カレッジのDT B.J.ラジの1巡9位指名を予想するモック・ドラフトもけっこうある。体作りが重要なポジションだけに、たとえ1巡や2巡で指名したとしても、いきなりスターターでバリバリ活躍というわけにはいかず、今年はピケットで行くことになるのではないか。アウトサイドLBとくらべ、今年のドラフトではノーズタックルの層は厚くないようだ。

ライアン・ピケット Ryan Pickett

オハイオ州立大から2001年のドラフト1巡指名でラムズに入団、2006年にパッカーズにFA移籍し、不動のスターターとして活躍している。重心の低い優れたランスタッファーである一方で、パスラッシュはまったくアテにならない。「ダブルチームにも押されないが、シングルチーム相手でも突破できない」という評価もあり、すでにスピードが衰えを見せ始めていると心配する向きもある。コーチ陣は彼ならノーズタックルにうってつけ、と自信を見せているが、優れた3-4ディフェンスを作るにはもっと上の選手が必要、とする見方が一般的。

ジョニー・ジョリー  Johnny Jolly

テキサスA&Mから2006年のドラフト6巡指名で入団し、2年目に大きな成長を見せてスターターの座をつかんだ。しかし3年目の2008年はさらなる成長が見られず、物足りない内容だった。ラン守備では、遠いプレーをパスートして仕留める好プレーがある一方で、勝手気ままな動きをして守るべきギャップを守らないことが多く、コーチ陣から叱責された。パスラッシュはさらに悪く(サックゼロ)、スピンムーブは全く通用せず、ブルラッシュでもなかなかプレッシャーをかけられない。3-4転換の今年は、今のところ左DEのスターター最有力候補となっている。

コリン・コール Colin Cole

キャンプマンと同じアイオワ大から2003年のドラフト外でヴァイキングスに入団し、ライオンズを経て2004年のシーズン途中からパッカーズに。地味ながら着実に成長し、ノーズタックルの控えとしてローテーションの一角を占めている。身長6フィート1の低い重心を活かし、ポイントオブアタックで持ちこたえる馬力がある。今週末にはフリーエージェントとなる予定。先日のトンプソンGMはFA解禁前の再契約に悲観的なコメントをしていたが、最新情報では、契約延長に向けて現在話し合いが進行中らしい。FA市場やドラフトでのNTの層の薄さを考慮してのことかもしれない。

ジャスティン・ハレル   Justin Harrell

テネシー大から2007年のドラフト1巡16位で入団したが、ケガばかりでほとんど戦力にならず、トンプソンGM批判派の攻撃の的になっている。プロ1年目は、在学中に負った上腕二頭筋断裂の影響がシーズン中まで残った。期待された2年目は春先に腰を負傷し、治りかけてはぶり返すことがけっきょくシーズン末まで続いてしまった。若手DTにとって何より重要な体作りがまったく進まないのだからどうしようもない。「今年はNTとDEの両方で使ってみる」とマッカーシーHCは語っているが、もし今夏のキャンプで結果を出せなければ、解雇への圧力が大きくなってきそうだ。

アルフレッド・マローン  Alfred Malone

トロイ大から2005年のドラフト外でテキサンズに入団し、2007年末にパッカーズのプラクティス・スクワッドへ。昨年12月の初めにロースターに初昇格し、4試合に出場して4タックルを挙げた。パスシチュエーションで登場してインサイドからラッシュする仕事がメインだったようだ。3-4に移行する今年はDEで起用する、とマッカーシーHC。

アンソニー・トリビオ  Anthony Toribio

ディビジョンIIのカーソン・ニューマン大から昨年のドラフト外でドルフィンズに入団し、11月半ばにプラクティス・スクワッドから解雇されてすぐパッカーズのプラクティス・スクワッドへ。12月半ばにロースター昇格を果たしたものの、2試合ともアクティブ登録されず出場はゼロに終わった。「ノーズタックルで使う。マイアミでもそうしていたし」とマッカーシーHC。

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