グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年2月24日

シーズン総括と展望 DE編

好調だったカレン・ジェンキンズが第4週に胸筋を断裂してシーズン終了、DE陣はガタガタになってしまった。どの代役もスターターの力がなく、DEアーロン・キャンプマンの孤軍奮闘のままシーズンが終わってしまった。DEキャンプマンが1人でポケットを押し込んでもQBを捕まえきれず、チームのサック数は前年の36回(13位タイ)から27回(25位タイ)へ減少、ブリッツを増やさざるをえなくなった。ラン守備でもジェンキンズの抜けた穴は大きかった。

今オフは3-4ディフェンスへの転換が決まり、大きな変革のシーズンとなった(この項では旧ポジションのまま紹介する)。3-4のDEは縁の下の力持ち的な役割で、軽量パスラッシャーでは務まらず、300ポンド級のサイズと馬力、アンセルフィッシュなチームプレーヤーであることが重要になる。キャンプマンはアウトサイドLBへのコンバートが決まり、ジェレミー・トンプソンやジェイソン・ハンターも今年はアウトサイドLBに挑戦するようだ。マイケル・モンゴメリーは今週末にフリーエージェントになるが、3-4に合わないタイプなので無理に再契約はしないのではないか。ジェンキンズはケガさえ治れば右DEでスターターを務める見込み。

補強をするとすればジェンキンズの逆サイドの左DEということになるが、ジョリーやハレルもいて、右アウトサイドLBやノーズタックルと比べれば重要度はやや落ちる。今年のFA市場で3-4のDEといえばカウボーイズのDEクリス・キャンティあたりが有力だが、パッカーズは今のところまったく興味を示していないらしい。ドラフトで指名するとすれば、かつてのような270ポンド級ではなく、290ポンドから310ポンドの大型DE、またはDTを獲ることになりそう。

アーロン・キャンプマン Aaron Kampman

アイオワ大から2002年のドラフト5巡指名で入団、押しも押されもせぬNFLを代表するDEの1人に成長した。逆サイドが弱体化したために9.5サックに終わった2008年シーズンだが、彼のプレー内容が悪くなったわけではない。今年は3-4の左アウトサイドLBに転向することが早々と発表され、コンバートの成否が大きな注目を浴びている。入団時の286ポンドから昨季は265ポンドまで絞り込んでいた。DL陣最高の頭脳派であるとともに、アスレチック能力(大学2年まではインサイドLB)もかなり高いので大丈夫、と楽観視する向きが増えてきている。

カレン・ジェンキンズ  Cullen Jenkins

セントラル・ミシガン大から2003年のドラフト外で入団し、NFLヨーロッパを経て2004年に初ロースター入り。2006年終盤にはバジャ=ビアミラから先発の座を奪った。早いダウンでは右DEに入り、パスシチュエーションではDTのポジションからラッシュする。昨年の序盤はチーム最多プレッシャーを挙げる大活躍を見せていたが、第4週バッカニアーズ戦で胸筋を断裂してシーズンエンド。ラン・パスとも彼の不在は大きく、ディフェンス崩壊の一因となってしまった。

もともとDT兼務だったため、3-4での右DEもこなせると見られているが、問題は胸筋断裂から完全復活することかもしれない。上体の筋力を最も酷使するポジションだけに、今回のケガの影響が長引いてもおかしくない。かつてパッカーズでは、DEヴォニー・ホリデイ(現MIA)が胸筋断裂で以前の力を取り戻すまで何年もかかり、DEジョー・ジョンソンもセインツ時代の上腕三頭筋断裂のため、パッカーズに移ってからは精細を欠いたままだった。

マイケル・モンゴメリー Michael Montgomery

テキサスA&Mから2005年のドラフト6巡指名で入団。それなりに成長はしてきたものの、パスラッシュ・ラン守備ともスターターとしては物足りず、ジェンキンズの穴を埋めるには程遠かった。もうじきフリーエージェントなので、昨季終盤にはかなり交渉が進んでいたが、3-4ディフェンスへの移行が決まってからは棚上げになっているようだ。273ポンドの長身DEで、3-4のアウトサイドLBをやるにはアスレチック能力が足りず、DEをやるにはかなりのバルクアップが必要になる。

ジェレミー・トンプソン   Jeremy Thompson

昨年のドラフト4巡指名でウェイク・フォレスト大から入団。ジェンキンズ負傷後はスターターを任せられるほどコーチ陣から期待されていたが、いくつものケガに悩まされ、けっきょくサックゼロに終わるなど、十分なポテンシャルを発揮できたとはいえない。3-4への転換により、今年はアウトサイドLBに挑戦することになったが、コンバートが彼に向いているのかいないのか、よくわからない。頭がよく嗅覚に優れた選手で、伸びシロはまだまだ大きい。

ジェイソン・ハンター  Jason Hunter

アパラチアン州立大から2006年のドラフト外で入団し、みごとロースター入り。最初の2年間はほぼスペシャルチームのみで、2007年には(プレーオフを含めた18試合で)30タックルを挙げる大活躍だった。しかし昨年はディフェンスでの出番が増えるとともにスペシャルチームでの働きが鈍り、わずか3タックル(12試合)。約10ポンド増やして270ポンドになった悪影響かもしれない。今年はアウトサイドLBに転向するため、再び体重を絞ることになりそうだ。40yds走4.5秒前後の素晴らしいスピードのある選手なので、転向はプラスかもしれない。

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