グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2008年3月 4日

シーズン総括と展望 CB編

相手パス成功率の低さはNFL2位、QBレーティング6位と好成績を残したパス守備は、今年もハリスとウッドソンの高齢CBコンビが支えた。実績のない若手たちがニッケルバックを争ったが、3rdダウン成功率をNFL3位のわずか33%に抑えたのは、彼らなりに頑張って致命的なミスが少なかったからだろう。

33歳のハリスはリーグ屈指のプレスカバレッジ技術を誇り、ついに念願のプロボウル出場を果たしたが、プレー内容はすでに下降を始めたとの見方が少なくない。彼よりもウッドソンの方が高いレベルでプレーしたと評価されてはいるが、こちらももう31歳。合わせて64歳コンビの後継者育成がいよいよ急務となってきている。

控えには力の差のない若手4人が並んだため、彼らの能力を見極めるためCB6人体制でシーズンを過ごした。3番手以下の順位は毎週のように入れ替わり、開幕時はジャレット・ブッシュが3番手だったが、シーズン終了時はトラモン・ウィリアムズ。下位指名やドラフト外の選手ばかりにしてはよくやったと言えるシーズンだったが、彼らが将来スターターになれるかとなると心許ない。

というわけで、CBは今オフの最重要補強ポイント。FA市場では控えクラスしか手に入らないので、ドラフト上位で指名することになるだろう。さまざまなドラフト指名予想でも、パッカーズは1巡でCBを指名するとの予想が多い。

アル・ハリス Al Harris

33歳にして初のプロボウル出場を果たしたが、これまで選ばれなかった彼へのご褒美のようなもので、決してベストシーズンではなかった。ビッグプレーを許した回数は過去数年で最多。2006年に8INTを挙げたウッドソンを恐れるため彼のサイドへのパス回数が増えた、という側面もありそうだが、衰えの兆しがあるのは否めない。ゾーンカバレッジとなるとやや不安定なので、チームの戦術が限られるという部分もある。

チャールズ・ウッドソン Charles Woodson

INT数こそ前年より減ったがプレー内容ではハリスを上回った、との評価が一般的。ビッグプレーを許したのは昨年と同じ8回だが、TDはわずか1回だけ。ハリスより26も多い70タックルを挙げ、ビッグプレー能力はDB陣で随一。欠場したカウボーイズ戦でパス守備が不振だったことは、彼の存在の大きさの表れだろう。

第12週に負傷した後はパントリターナーの仕事をウィリアムズやブラックモンに譲った。つま先やヒザを負傷しながらシーズンを乗り切ったが、緊急時を除いて今後はもうリターナーをさせないかもしれない。

トラモン・ウィリアムズ Tramon Williams

ドラフト外入団から2年目、CB陣で最も大きな成長を見せた。シーズン中盤まではほとんど出番がなかったが、伸び悩んだブッシュとケガのブラックモンを追い抜いて終盤には3番手/ニッケルバックの座を確保した。精神的にタフでディープボールへの感覚がよく、荒削りな部分も経験を積んで成長しつつある。レギュラーシーズンで23回標的にされてパス成功10回・161yds・1TDは立派なもの。

パントリターナーとしては、第11週パンサーズ戦で相手のプーチ・パントを拾って94ydsリターンTDを挙げたビッグプレーがあったため、6回平均19.7ydsとものすごい数字に。キックオフリターナーとしては最長65ydsがあったものの、30回平均22.8ydsは可もなし不可もなしといったところ。

ウィル・ブラックモン Will Blackmon

2006年のドラフト4巡指名から2年間ですでに4回も骨折している。1年目は足の骨折などで出場4試合、2年目も同じ足の骨折などで9試合しか出られず、プレーオフも足の問題で出場できなかった。チャンスをもらうとケガをするので、CBとしてよいのか悪いのかいまだにわからない。7回標的にされてパス成功1回・7yds。足の古傷がなかなか完治しないことは、球団内でいまだに懸念されているらしい。

いっぽうパントリターナーとしては素晴らしい働きを見せ、57ydsTDを含む平均13.3ydsは非常によい数字。タックラーをかわす動きや一瞬の加速に優れ、リターナーとしてのセンスはトラモン・ウィリアムズよりもずっと上のようだ。ケガさえなければ来季はパントリターナーの最有力候補だろう。

ジャレット・ブッシュ Jarrett Bush

開幕から13週まで3番手/ニッケルバックを務めたが、シーズンが深まるごとに内容が悪化し、期待はずれのシーズンだった。ウッドソン欠場のカウボーイズ戦で先発出場したが、パスインターフェアとTD2回を許してトラモン・ウィリアムズに3番手の座を譲り、二度と取り返すことができなかった。サイズもスピードも十分だが、CBに必要な自信や決断力に欠け、肝心のボールへのプレーが悪い。ミスタックルも12回あった。

フランク・ウォーカー Frank Walker

昨年唯一のFA加入選手として注目されたが、ニッケルバックの座を確保することもできず、古巣ジャイアンツ相手のNFC決勝ではアクティブ登録から外れてしまった。スピードがありアグレッシブにプレーするが、判断力が悪くすぐにレシーバーをつかんでしまう。21回標的にされてパス成功13回・146yds・1TD。スペシャルチームではまずまず貢献した。一年契約だったのですでにFAとなっているが、再契約の可能性は低そう。

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