グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2008年2月20日

シーズン総括と展望 OL編

2006年は新人3人でシーズンを乗り切ったため昨年は両ガードのさらなる成長が期待されたが、特にランブロッキングに関しては完全に期待はずれ。シーズン後半にはRBグラントがロングゲインを連発したため平均ydsが大幅にアップしたものの、3rdダウン1などの場面で相手にランを読まれたら1stダウンを取ることができない。優勝を目指すためには、ここが最大の課題なのは間違いない。

いっぽうパスプロテクションは一昨年の24回(5回)から19回(3位)に向上。5メンプロテクションを多用しながらこの成績は立派だが、早いタイミングのショートパス主体の攻撃とQBファーヴの判断力によるところが大きい。ファーヴが退いてQBロジャースやQBノールが出場すると、わずかな時間で4サックを許している。

実績あるベテラン両タックルに加え、先発2年目のCウェルズは申し分なかったが、問題はやはりガード。特に左ガードは、このままダリン・カレッジやジュニアス・コストンの成長待ちでいいのかどうか。けっきょくプレーオフでの敗因もランブロッキングユニットの不振であり、FA補強をするのならここだろう。例年どおり今年も1人はOLをドラフト指名するはずで、上位指名の可能性も十分ある。

LT チャド・クリフトン Chad Clifton

リーグ有数のパスラッシャーたちを相手に相変わらず安定したパスプロテクションを見せ、繰上げで念願のプロボウル初出場を果たした。しかし彼にとって決してベストシーズンだったわけではなく、プレッシャーを許した回数は前年の14回から20.5回に。ランプレーのバックサイドでのカットブロックは不安定なところがあるものの "Bad Run "の原因となった回数は減らすことができた。反則もわずか3回に大幅減。

ヒザの慢性的な腱炎を抱えて毎週水曜は練習を休むパターンだが、過去5年間で欠場は1試合だけ。31歳なのでそろそろ世代交代の準備を、という声も出てきているが、プロボウル級の左タックルの後継者が簡単に手に入れば苦労はない。

RT マーク・タウシャー Mark Tauscher

プロ8年間で6回目の全試合出場。シーズン後半は足首の捻挫のせいでパフォーマンスがややダウンしたものの、捻挫が治ったプレーオフではDEパトリック・カーニー(SEA)やDEマイケル・ストレイハン(NYG)を寄せ付けなかった。プレッシャーはOL陣最多の29.5回も許したが、逆にランブロックでは"Bad Run"が最少の7.5回。控えのトニー・モールやジュニアス・コストンとの実力差が縮まる気配は全くない。今年が契約最終年なので、開幕前に契約延長があるかもしれない。

C スコット・ウェルズ Scott Wells

先発昇格2年目はさらに成長を見せ、プレー内容が非常に安定している。オーバーパワーされることはあってもバランスを崩して抜かれることがなく、スクリメージでのアジャストメントを含め、頭脳的で効果的なプレーを見せる。プレッシャー回数はOL陣最少の8回だったが、"Bad Run" の原因になった回数では19.5回と最も多い。左右ガードがだらしないので損をしている面はある。

RG ジェイソン・スピッツ Jason Spitz

右ガードで7試合、センターで3試合、左ガードで2試合に先発出場した。期待ほどではないが一応の成長は見せ、被サックわずか0.5回の安定性を評価されて先発右ガードの座を確保した。プレッシャーは前年の19.5回から12回に減らし、 "Bad Run" も17.5回から12.5回と減らしている。タフで嫌らしいプレーができるタイプ。サイズもパワーも際立ったところがないため、一流選手になるにはセンターの方がよいのでは、という見方も依然としてある。

LG ダリン・カレッジ Daryn Colledge

成長を期待された2年目だったが、完全に伸び悩んで(または退化)期待はずれのシーズンだった。馬力や瞬発力の不足は相変わらずで、テクニックが不安定でフットワークが雑になりがちのため、持ち前のアスレチック能力が活かせない。非常に出来の悪いゲームが6回あったようだ。先発と控えを行ったりきたりのシーズンとなり、コストンの戦線離脱がなければプレーオフでは先発の座を失っていた可能性が高い。

プロ3年目あたりで大きな成長を見せるパターンも多いが、もうガードとしては見切りをつけて補強すべき、との声も少なくない。立派なスターターに成長するのか、左タックルもこなせる器用な控え選手で終わるのか、今年が正念場になりそうだ。

LG ジュニアス・コストン Junius Coston

5巡入団から3年目でようやく成長を見せ、左右ガードで計7試合に先発出場。レギュラーシーズン最終戦でふくらはぎを負傷し、プレーオフには出場できなかった。身体能力に恵まれ、アグレッシブなプレーも出るようになってきたが、まだ荒削りで不安定。わずか7試合で "Bad Run" が16.5回は多すぎる。シーズン途中までは左右両ガードで先発争いをしていたが、途中からはカレッジとの左ガード争いに焦点が絞られた。来季はカレッジよりも彼の方がスターターの座に近いかもしれない。

RT/RG トニー・モール Tony Moll

同期のダリン・カレッジに負けない伸び悩みっぷりで、RTタウシャーを追い上げることなど全くできなかった。キャンプで首を負傷して腕にしびれが残ったのが長引き、精神的にもかなり弱気になったらしい。CウェルズとRGコストンが欠場した中盤3試合に右ガードで先発出場。プレッシャー5.5回に加え "Bad Run" も5回あった。最も得意なのは右タックルだが、スターターの器ではない、という見方が強くなってきた。

LG アレン・バーバー Allen Barbre

ドラフト4巡入団1年目は未経験の左ガードで修業したが、わずかな出場機会で "Bad Run" を7.5回も献上している。オフェンス理解に手間取ったため先発起用は怖くてできなかったが、シーズン終盤にはカレッジやコストンとの差をかなり縮めたようで、来季は先発争いに加わる見込み。キャンプで見せたクイックネスやセンスのよさは高く評価されている。将来的に左タックルなのか左ガードなのかはまだはっきりしない。

RG トニー・パーマー Tony Palmer

2006年ラムズの7巡指名選手で、その年の開幕前に解雇されてパッカーズにやってきた。パワフルなドライブブロックはOL陣では一番だが、第2週に首の小さな骨を骨折してシーズン終了。その試合では、彼を右ガードに入れてコストンをエキストラTEに入れるショートヤーデージ用のヘビーなパッケージを試したところだった。手術を受けた首の状態しだいでは、キャリア終了の可能性もあるらしい。

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