グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年7月24日

ロースター展望 LB編 1

先発2人が入れ替わった昨季の序盤は未熟さが出て不安定だったが、シーズンが深まるにつれ力を発揮。若く速く活気に満ちたユニットに成長し、パッカーズ守備の中心として長期にわたって活躍を期待できそうだ。1巡5位指名のA.J.ホークの加入により、パスシチュエーションではダイム隊形(1LB・6DB)でなくニッケル隊形(2LB・5DB)を使ってホークとバーネットの能力を活かすシステムに変更された。また同じ理由から、変則ダイム隊形(3DL・2LB・6LB)を使う場面もあった。

ストロングサイドのブレイディ・ポピンガはパス守備にやや問題があり、先発争いが起きるとすればここだけだろう。LBのロースター枠は通常6人で、5人のこともある。先発3人に加えてプロ2年目のアブドゥル・ホッジまでは大丈夫と思われるが、6巡指名のデズモンド・ビショップとドラフト外の2人が加わり、ロースター争いはどうなるかわからない。スペシャルチームでの働きも当然考慮されることになるだろう。

ニック・バーネット Nick Barnett

オレゴン州立大から2002年のドラフト1巡で入団し、1年目から先発ミドルLBとしてディフェンスのリーダーを務めている。非常にスピードがあり、守備範囲が広い。手の骨折もあってチーム最多タックルはホークに譲ったものの、ホークがいるおかげで、以前よりも思い切って動ける余裕ができた。232ポンドの軽量MLBなので、1巡指名DTハレルの加入でライン中央が重く強固になるのはありがたいところ。まだ26歳でポピンガより1歳若い。

今春は総額$35ミリオンの6年契約にサインをしたが、先月にはナイトクラブでトラブルを起こして逮捕されてしまった。リーグ側からの処分は決まっていないものの、初犯で軽罪ということもあって出場停止処分にはならないものと見られている。

A.J. ホーク A.J. Hawk

昨年のドラフト1巡5位指名でオハイオ州立大から入団し、すぐにウィークサイドLBでスターターとなった。最初はプレーぶりがやや地味だったが、次第にプレー内容を向上させてディフェンスの中心的存在へと成長した。優れたスピードに加え、ウィークサイドとしてはガタイがあり、押し負けることも少ない。派手なヒットよりもしっかり抱え込むタイプのタックラー。序盤はパス守備のミスも目立ったが、着実な進歩を見せて難しいインターセプトも2つ決めた。

今春のミニキャンプやOTAを見たスカウトからは、「フィールド上で最高の選手はホークだった」と評価する声もあった(ファーヴやドライバーが不在だったかも)。ドラフト上位指名選手にもかかわらず、派手な名声に興味のない練習の虫で、将来のパッカーズの顔にふさわしい選手と期待されている。

ブレイディ・ポピンガ Brady Poppinga

ブリガム・ヤング大から2005年のドラフト4巡指名で入団。その12月にヒザの前十字靭帯断裂を負いながら、わずか8ヶ月で復帰し、昨季開幕直前にベン・テイラーからストロングサイドの先発の座を奪った。デカくて速くて無鉄砲なほどの激しいプレーが身上で、時々ものすごいプレーを見せる。しかし横や後ろへの動きがやや硬いので、パスカバレッジに難がある。昨季前半には相手TEとのマッチアップでビッグプレーを許すシーンが目立ったが、後半にはミスを減らすことができた。

ヒザの大ケガから1年半以上経過したものの、今春の彼の動きを見た記者によるとカバレッジ能力の問題は解消されたわけではないようなので、ある程度は我慢して長所を活かしていく他なさそうだ。大学3年まではパスラッシュDEをしており、時おりパスラッシャーとして起用することもできる。

アブドゥル・ホッジ Abdul Hodge

DEキャンプマンやDTコールと同じアイオワ大から、昨年のドラフト3巡指名で入団。昨夏のキャンプではハードヒットを連発して評判がよかったが、バーネット欠場により唯一の先発機会となった第12週シーホークス戦でのプレー内容は非常に悪く、235ydsラッシングを許す元凶となった。タフでフィジカルな典型的なミドルLBタイプ。MLBバーネットの先発の座を狙うのは難しいからといって、ストロングサイドがこなせるかどうか。

プロ2年目の今春はヒザの手術を受けたためミニキャンプやOTAでプレーできず、先発組との差はむしろ開いてしまった。そのうえ6巡指名で同タイプのデズモンド・ビショップが入団してきてしまい、ロースター残留が心配な状況に追い込まれている。昨季スペシャルチームでのプレー内容が芳しくなかったのも減点材料。

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