グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2007年6月25日
定例株主総会を1ヵ月後に控え、昨会計年度(3月まで)のグリーンベイ・パッカーズ収支報告が発表され、昨年もパッカーズの収支は非常に順調だったことが明らかになった。以下はその要約。
- 総収入は$218.1ミリオンで、前年の$208.4ミリオンから約4.6%アップ。利益も前年の$18ミリオンから$22ミリオンへと22%増加している。会計担当のラリー・ウェイアーズは、「ごらんのように我々の財政状況は非常に良い。チームをサポートし、フィールドで成功するために必要な資金を供給できる状態にある」
- 球団首脳によると、パッカーズの総収入$218.1ミリオンは、NFL32球団のうちで上から2つめのクォーター(つまり9位から16位の間)に入るだろうとのこと。過去最高順位だった前年の7位からはダウンしたものの、「上から2つめのクォーターに入る」ことを常に目指しているパッカーズにとっては、今年も目標を達成できたと言える。NFLのレベニュー・シェアリングでは収入上位15球団が下位の球団に資金を供給する仕組みになっているので、今年のパッカーズは$4ミリオン前後を拠出することになるだろう、とのこと。
- 一昨年に正式スタートした準備金制度"Packers Franchise Preservation Fund" は昨年春には$115.5ミリオンだったが、今回の利益から$10ミリオンを積み増して総額$125.5ミリオンとなった。パッカーズは大富豪のオーナーを持たないため、いざという時(労使協約が切れてサラリーキャップなしの完全自由競争になるなど)に備え、この準備金をせっせと蓄えて長期的な存続と安定を目指している。
- 選手サラリーなどの"Player costs"は前年の$102.9ミリオンから$110.7ミリオンにアップ。サラリーキャップ総額が大幅に増えたことと連動している。それ以外のチーム関連の支出が大幅にダウンしたのは、前年はコーチ陣を一新したため余計な出費がかさんだから。(契約の残っているコーチを解雇するのは金がかかる)
- 直営プロショップやアトリウムのレストランなどの売り上げを含むマーケティング収入は、前年の$41.4ミリオンから$40.7ミリオンとわずかにダウン。一昨年が4勝12敗だったうえ昨年も前半の成績が悪かったため、直営プロショップの売り上げが$1.8ミリオン下がった。
- 総収入の増加分は、テレビ放映権やラジオ契約やライセンス収入など"National Revenues"によるもので、ローカル収入の方は約$93ミリオンで横ばいとなっている。後から新スタジアムを建設した球団はとうぜん収入を伸ばし、また新しい収入の道を開拓する球団(主に大都市)も出てくる。そのため順位が少しずつ下がるのはある程度は仕方ないが、いずれパッカーズも新しい方策を探る必要があるかもしれない。
- コンサートや他のスポーツにスタジアムを利用する案についてウェイアーズ会計担当は、「有効な選択肢は検討するが、フットボール以外のイベントへの利用について我々は非常に慎重だ。フィールドのサーフェスを入れ替えるのに多額の資金を費やしており、それを損なうようなイベントは受け入れたくない」
- 地元コミュニティおよびチャリティ関連への貢献は$4.6ミリオンにも上っている。うちパッカーズが直接寄付したのは$1.1ミリオン、NFLを通して全国の団体に寄付されたものが$1ミリオン、パッカーズのチャリティイベントで資金を集めて地元の団体に寄付されたのが$2.5ミリオン。