グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年4月20日

ニーズ分析 オフェンス編 1

ここまでの人事の動向をふまえ、来週末のドラフトでのパッカーズのニーズを考えてみる。ポジションに関係なく"Best Player Available"を選べる状態にしておくため、ドラフト前に安価なベテランを獲っておくパターンが多く、FA補強の可能性はまだ残っている。また昨年WRウォーカーをドラフト中にトレードして2巡でWRジェニングスを指名したように、ドラフトの最中にニーズが変動することもある。

人事部門としては、ドラフトやFAで誰を選ぶかも重要だが、その前提となる自分のチームの分析、とくに若手の成長度を計ることが非常に重要な仕事。たとえば2001年のパッカーズの場合、DEバジャ=ビアミラがあれほど成長するとわかっていれば、DEジャマール・レイノルズ指名の失敗は避けることができた。

QB クォーターバック

ファーヴが現役続行したため、今年ドラフト指名する可能性はほとんどなくなった。上位指名があるとすれば、(いちど噂が出たように)アーロン・ロジャースをトレードに出す場合ぐらいだろう。ロジャースがいるのに(下位)指名があるとすれば、昨年5巡指名したQBイングル・マーティンをすでに見限っていることになる。

RB ランニングバック

アーマン・グリーンのFA流出により、最重点ポジションになった観がある。「グリーンが残留してもRBを上位指名すべき」との声が多かったことを考えれば、1巡RB指名予想が過半数を占めるのは当然のこと。「モレンシーならじゅうぶん先発が務まる」との首脳陣のコメントが本気である可能性もなくはないが、まともに受け取るメディアは少ない。

遅くとも3巡までにRBを指名して先発を競わせるのが自然な流れと思われる。もしドラフト初日(3巡まで)に指名されなければ、かなりの驚きと言える。冬のランボーフィールドの芝を考えると軽量快速タイプは向かないが、パスが獲れないタイプはウェストコーストオフェンスでは使えない。

またドラフトまでにRBクリス・ブラウン(TEN)など、そこそこのRBを補強する可能性はある。ドラフトが終わってしまうとFA選手は移籍先探しがさらに苦しくなるため、ドラフト直前になると条件を下げてくることがある。

FB フルバック

大ベテランのヘンダーソンがついに放出され、現在ロースター上にフルバックはブランドン・マイリーだけ。ロースター枠は通常2人なので、FAかドラフトで必ず1人は補強することになる。一般にFBはドラフト順位が低いので、下位指名またはドラフト外で1人、そしてFAで1人獲って、3人で2人枠を争うのが順当なところか。有力FBを何人も物色していたことを考えると、意外にこのポジションの強化を重視しているのかもしれず、ドラフト中位での指名があるかもしれない。

昨年マイリーがヘンダーソンを追い抜いたように、ゾーンブロッキングのシステムでは、パワー型よりも軽量でクイックネスのあるタイプが向いている。パスキャッチ能力ももちろん重要。

WR ワイドレシーバー

FA補強が必須と見られていたが、ランディ・モスのトレードの噂を除くと、パッカーズはWRに関する動きがここまで非常に少ない。「ジェニングスの将来性を非常に高く評価しているから」という情報もある。昨年はドライバーを除いてルーキーばかりだったため、ルヴェル・マーティンやカーライル・ホリデイを含め若手の成長が見込めるのは確かだ。

ファーガソンがケガから復帰し、出場停止のロビンソンも(品行方正にしていれば)10月には復帰してくるので、コマの数が足りないわけではない。欲しいのはインパクトのあるプレーヤーで、ランディ・モス獲得に興味を示しているのもそのためだろう。そういったことを考えると、ドラフト1巡指名もあるが、成り行きしだいでは指名ゼロだって考えられる。ドライバーやジェニングスはショートからミドルで強みを発揮するタイプなので、フィールドをストレッチできるスピードで相手に脅威を与えられるレシーバーが望ましい。

GMがシャーマンからトンプソンに代わっても相変わらずリターナー補強はうまく行かず、昨年もわざわざ4巡でWRコーリー・ロジャースを指名して大失敗(開幕前に解雇)に終わった。今年もリターナー兼任のWRを指名する可能性は十分あり、WRテッド・ギンJr(オハイオ州立)指名予想があるのもそのためだろう。ケガがちなCBウッドソンの負担を減らすためにも、今年こそまともなパントリターナーを確保したいところ。

カテゴリ : Draft