過去2年間は両ガードの補強が最優先課題だったが、昨年のLGカレッジ(2巡)とRGスピッツ(3巡)指名がうまくいったことでようやく土台ができ、今年は彼ら若手の成長を見守る年。ドラフトでの焦点はRB/WR/TEのスキルポジションに移っている。とはいえ毎年OLを1人は指名しておくものなので、下位での指名が予想される。
昨季は落球やファンブルなどミスが非常に多く、スランプに陥ったポジション。TEマーティンのFA移籍によってコマも足りなくなったため、6年ぶりのドラフト指名となりそう。成り行きしだいでは1巡指名の可能性もあり、遅くとも3巡か4巡までには指名されるのではないか。ブロッキング力があるに越したことはないが、フランクスのスピード不足を補えるレシービングTEが欲しいところだ。
左右ともスターターは万全だが、LTクリフトン(もうじき31歳)のヒザ痛や選手寿命を考えると、そろそろ後継者のことを考えるべきか。クリフトンの控えを兼ねるLGダリン・カレッジ(大学では4年間LT)が後継者になれるなら、補強はガードやセンターでいいのかもしれない。今年のキャンプでは、(昨年は右サイド専門だった)トニー・モールが左タックルもこなせるか試されるだろう。長期的な展望に立てば上位指名も考えられなくはないが、今年そこまでの余裕があるかどうか。
昨年は鼠蹊部を痛めて5試合休んだRTタウシャーだが、同期のクリフトンと比べると選手寿命は長そうに見える。控えのケヴィン・バリーは大腿四頭筋腱の断裂からの復帰途上だが、もともとゾーンブロッキング向きでない巨漢タイプということもあり、来季の構想からは外れるかもしれない。その場合でも、昨季代役RTとして5試合に先発したトニー・モールがいるので、彼の伸びシロをあてにすればいい。
ようやく両ガードが固まり、先発級の補強は不要になった。トニー・モールが右タックルと右ガードの控えを兼ね、先発RGスピッツが左ガードとセンターの控えを兼ねる。またRTタウシャーも右ガード経験がある。控えの層を厚くするなら、FAで補強しやすいガードよりも、タックルやセンターをドラフト指名したほうがよさそう。
スコット・ウェルズが順調な成長を見せて先発に定着し、11月には長期契約も手に入れた。つまり、当分スターターは必要ないとフロントが判断したことになる。2番手は先発右ガードのスピッツが兼ねる。スピッツは大学時代にセンターでの先発経験がないが、昨季は一時退場したウェルズの代役として、数プレーだけセンターを務めた。彼をガードに専念させるには2番手センターの補強が必要となるが、さほど優先度は高くない。
複数ポジションをこなせる選手が揃っているので、どこでもいいからOLを補強すれば、全体の層を厚くすることができる。他にも要補強ポジションは多いので、4巡以降で1人OLを指名すると予想する。