毎年頼りないプレーぶりのセーフティ陣は選手の入れ替わりが激しい。昨年は、契約見直しで合意できなかったダレン・シャーパーを放出し、アーテュロ・フリーマンやアール・リトルを安価で補強したが全く戦力にならず、かろうじて2巡指名のコリンズがポテンシャルの高さを見せて希望の星となった。今年はFAでマーカンド・マニュエル(SEA)、6巡指名でタイロン・カルヴァーを補強し、この27日にマーク・ローマンを解雇。マニュエルの先発がほぼ確実となると同時に、シャーマンGM時代から残る選手が1人もいなくなった。
ロースター枠はDB全体で通常9人。セーフティは4人。ローマンが解雇されたことで、コリンズ、マニュエル、アンダーウッドまではほぼ決まり、最後のイスをカルヴァーとビグビーとボーガーが争うことになりそうだ。(FAとなったローマンのように)ベテランが手に入りやすいポジションでもあり、アンダーウッドらの成長が期待はずれであればFA補強の可能性もなくはない。
プロ2年目の22歳。ディビジョンI-AAのベスーン・クックマン大から昨年のドラフト2巡で入団し、開幕から全試合先発して84タックルを挙げた。CB並のスピードで守備範囲が非常に広く、相手の独走を後ろから追いついてTDを防ぐことが何度もあった。タックルもかなりよいものを持っているが、まだ時おりアングルをしくじるシーンも目立つ。経験を積んで伸びてくるのか、このままアスレチック能力に頼ったプレーを続けるのか、中心選手に成長するためにはこの2年目が大事だ。
プロ5年目の27歳。フロリダ大から2002年のドラフト6巡でベンガルズ入りし、1年目から8試合に先発出場。しかし3年目の2004年にはマーヴィン・ルイスHCから評価されずに解雇され、シーホークスへ。移籍2年目の昨年はSケン・ハムリンのケガで第7週から先発に昇格し、しっかりと穴を埋めた。NFC決勝ではインターセプトを決めて勝利に貢献したが、スーパーボウルでは第2Qにケガで退場、パス守備に空いた穴が敗因のひとつとなった。
FAとなった今春は、旧知のトンプソンGMがいてスターターの可能性が高いパッカーズを選び、総額$10ミリオンの5年契約を結んだ。上記コリンズとは対照的に、スピードはないが頭がよくポジション取りがしっかりしている。ポイントオブアタックで強く、ストロングセーフティ向きと見られている。非常に地味な個性で我慢強く、しっかりしたリーダーシップの持ち主とのこと。
プロ2年目の24歳。サンディエゴ州立大から昨年のドラフト4巡指名で入団。コリンズより即戦力という見方もあったが、フタをあけてみれば2巡と4巡の力の差は歴然で、アンダーウッドはルーキーらしい頼りないプレーぶりが目立った。2年目の今年は、特にボールに対するプレーが向上したと言われている。ローマン解雇により彼が3番手となるが、先発の2人をプッシュできるか。
フレズノ州立大からドラフト6巡指名されたルーキー。ルーキー紹介を参照。サイズもスピードもそこそこだが、プレーの見極めやフィールド全体を見る能力が高いらしい。頭がよく、「フィールド上のコーチ」のタイプ。ローマン解雇により4番手に昇格し、下記の2人を蹴落とせば開幕ロースター入りとなりそうだ。
セントラルフロリダ大から昨年のドラフト外でドルフィンズ入りしたが7月下旬に解雇、次のジェッツでも開幕ロースターに残れず、11月初めにパッカーズのプラクティス・スクワッドへ。12月末にロースターに昇格し、1試合だけ出場してスペシャルチームでプレーした。今春はNFLヨーロッパに派遣され、アムステルダムで全試合に出場、チーム最多の61タックルを記録している。
テュレーン大出身のドラフト外ルーキー。大学では50試合に出場、30試合に先発し、通算329タックル、9INTを記録している。父ジェロームはNFLで審判をしており、たとえば昨季プレーオフのPIT@INDでもラインジャッジを務めていた。