グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年7月28日

ロースター展望 CB編

過去2年間は若手の不安定なプレーに悩まされてきたが、4年ぶりの大物FAとしてチャールズ・ウッドソンを獲得。毎年プロボウル一歩手前のアル・ハリスに加え、プロボウル4回のウッドソンが本来の力を発揮してくれれば、強力なユニットができそうだ。3番手以降にも伸び盛りの若手が揃っており、デプスは十分ある。ドラフト外でCBを1人も獲らなかったのも、層が厚くなったことの表れだろう。

先発がハリスとウッドソンで決まりとすると3番手兼ニッケルバックはプロ3年目のキャロルで、ダイムバックは2年目のホーキンズと4巡ルーキーのブラックモンの争いになるだろうと見られている。

ロースター枠はDB全体で9人または10人。9人枠の場合CBは5人でSが4人、10人枠に増えた場合にはCBが6人に増えることが多い。選手層の薄かった昨年はドラフト外からロースター入りして出場したCBが何人もいたが、CBが5人枠とすると今回顔写真を載せた5人ですでに埋まってしまっていて、6人枠に増えた場合のみその他の選手にチャンスが出てきそうだ。

アル・ハリス Al Harris

プロ9年目の31歳。一流CBには珍しい、下積みからの叩き上げだ。テキサスA&Mキングズヴィル校から1997年の6巡指名でバッカニアーズ入りしたがロースターに残れず、2年目にイーグルスに移ってチャンスをつかんだ。着実に力をつけて2003年のトレードでパッカーズに移り、ついにスターターとなった。マッケンジー移籍後のこの2年は常に相手エースWRをカバーし、不安定なDB陣の中で唯一頼りになる存在として、文句なしの実績を残している。

6フィート1(185cm)のスリムな長身で、フィジカルなプレスカバレッジを得意とする。この2年はサイドを固定せず相手のエースに付いたが、ウッドソンの加入により得意の右サイドに再び固定されるのではないか。自己管理能力も高い真のプロで、過去8年間一度も欠場をしていないのもすごい。年齢的にはそろそろ衰えが出てきてもおかしくなく、新しい契約を求めているのはそういった焦りのせいかもしれない。

チャールズ・ウッドソン Charles Woodson

プロ9年目の29歳。ミシガン大ではハイズマン賞を受賞し、1998年のドラフト1巡4位でレイダーズへ。リーグ最高のCBの1人として4年連続でプロボウルに選ばれたが、その後の4年間はケガも多く不安定なプレーぶりで評価を下げた。FAとなった今春はレイダーズから引き留められることもなく、かつての名声からすればかなり安い契約ボーナスでグリーンベイにやってきた(契約詳細)。

理想的なサイズとアスレティシズムに加え、パントリターンやレシーバーとしての能力も備えたまさに天才だが、とにかくムラっ気。ここ数年の不振は、身体能力の衰えよりもそうした精神面に起因するという見方が多い。今春の契約でインセンティブを非常に多くしてあるのは、ケガの多さや精神面の不安定さについての保険、という意味合いのものだ。また昨季すでにプレーしていたように、セーフティとしての将来性は高く評価されており、CBとして衰えたらいずれはそちらで起用することになるだろう。

アマド・キャロル Ahmad Carroll

プロ3年目の22歳。アーカンソー大から2004年のドラフト1巡25位でパッカーズに入団したが、当初から懸念されていたとおりかなり粗削りで、コーチ陣の悩みの種であり続けてきた。陸上で活躍した素晴らしいスピードを持つが、抜かれそうになるとすぐに相手のシャツをつかんでホールディングやパスインターフェアをしてしまう。2年目の前半まではそうして反則の山を築いたが、昨季後半は(チームの不振で影に隠れてしまったが)かなり成長を見せたという評価もある。

成長したといっても身長の低さ(5フィート10弱)は補えるものではなく、エンドゾーン内で高さのミスマッチを突かれるパターンも多い。決して不真面目ではなくハードワーカーだが、おそろしく短気で、チームメイトとのいさかいも数え切れないほど。20歳でプロ入りしたためまだ22歳と若いのが救いで、今春のミニキャンプで最も成長した選手と評価する記者も多い。

マイク・ホーキンズ Mike Hawkins

プロ2年目の22歳。オクラホマ大をわずか1年で退部し、アリーナリーグを経て昨年のドラフト5巡で指名された変り種だ。「これほどのアスリートは見たことがない」とスカウトが絶賛したほどの素材だが、経歴が示すとおりかなり粗削り。技術的にはまだまだ未熟だが、(キャロルと違って)ボールスキルはかなり高いとの評判だ。この1年でバルクアップして線の細さは解消されてきたが、高校・大学とコーチとの衝突を繰り返した精神面は依然として不安材料。

ウィル・ブラックモン Will Blackmon

ボストン・カレッジからドラフト4巡指名されたルーキー。ルーキー紹介を参照のこと。大学4年目にWRをプレーしたことは経験面でマイナスだったが、リターナー能力も含めて万能選手であることは証明済みと言える。非常に頭がよく精神面もしっかりしており、上記のキャロルやホーキンズのような心配はしなくてすみそうだ。ホーキンズと4番手の座を争うことが期待されていたが、5月21日に足(第5中足骨)を骨折してしまい、キャンプ初日からプレーするのは無理かもしれない。

ジェイソン・ホートン Jason Horton

プロ3年目の26歳。ノースカロライナA&Tから2003年ドラフトにアーリーエントリーしようとしたが書類の不備でかなわず、CFL(出場なし)を経て2004年にパッカーズへ。開幕ロースター入りを果たして14試合に出場し、主にスペシャルチームでプレーした。しかし昨年春にはサルコイドーシスという病気に苦しみ、復帰はできたものの9試合出場したところで肩を痛めてインジャリーリザーブへ。

アスレチック能力は首脳陣からも高く評価されているが、プレーぶりはあまり賢くないとの評価もある。ロースター枠が5人だとかなり厳しく、6人枠ならチャンスは大きくなる。

ジェロン・ウィショム Jerron Wishom

プロ2年目の24歳。ルイジアナ工科大から昨年のドラフト外でテキサンズに入団、開幕ロースターには残れずパッカーズのプラクティス・スクワッドに入り、上記ホートンの負傷にともなってロースター昇格。スペシャルチームで5試合に出場した。ホートンらとともに最後の枠を争う。

セリアン・フォンテノー Therrian Fontenot

フレズノ州立大から昨年のドラフト外でビルズに入団したが開幕ロースターに残れず、パッカーズのプラクティス・スクワッドへ。ケガ人に代わってロースターに昇格し、最終戦だけスペシャルチームで出場した。大学2年までRBだった経験不足を補うためか今春のNFLヨーロッパに派遣され、ライン・ファイアでスターターとして23タックル、2INTを挙げた。

パトリック・デンディ Patrick Dendy

ライス大から昨年のドラフト外で入団したが開幕前に解雇され、プラクティス・スクワッドへ。11月にロースターに昇格し、ウィショムとともにスペシャルチームでプレーした。

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