グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年6月16日

ドラフト指名選手紹介 8: QBイングル・マーティン

 5巡15位 QB イングル・マーティン Ingle Martin
Furman Senior 6-2 (188cm) 224lb(101kg) 40yds/4.65秒 1982年8月15日生

経歴 : テネシー州ナッシュビル出身。高校ではオプションQBとして大活躍し、同州最高の選手と評価され、多くの誘いの中からフロリダ大を選んだ。レッドシャツを経て1年目は先発パンター、2年目には先発QBとなるがシーズン半ばで降格されてしまう。出場機会を求めてディビジョンI-AAのファーマン大に移り、そこで2年間素晴らしい活躍を見せてドラフト候補に復活してきた。

ファーマン大での1年目(大学3年扱い)は2792yds、22TD。昨年は2年目は2,959yds、20TD。2年間で21勝6敗。 レシーバーの経験もあり、昨年はパンターとしてディビジョンI-AAのオールアメリカン1stチームに選ばれている。

Strengths : かなり強い肩とアスレチック能力がある。コントロールがいい。ポケットでの落ち着きがある。リリースがコンパクトかつクイックで、ブリッツに対応してホットレシーバーにパスを通すことができる。白人QBとしてはかなり足が速く、動きながらのパスもいい。大事なところでビッグプレーを決める勝負強さがある。身長6フィート2は現代ではやや小型だが、QBファーヴやQBロジャースと全く同じ。

Weakness : 活躍したといってもディビジョンI-AAのレベルでしかない。肩の強さに頼りすぎる傾向があり、判断力を磨く必要がある。パスの正確さもエリート級ではない。時おりフットワークが雑になり、しっかり前に踏み込まずに投げるときに不安定なパスになる。

メンタル面 : ワンダーリックテスト32点は、頭のいい選手が多いQBとしても上出来の部類。スナップ前の相手ディフェンスの読みがよく、嗅覚もある。積極的にチームメイトに働きかけるリーダーシップもよい。時おり集中を欠いて不安定に見えるときがある。

すでに経営学の学位を取得して卒業済み。妻のジェニファー・ライトはアラバマ大のソフトボールで先発投手として活躍した。

指名の経緯 : ディビジョンI-AA出身のため目立たない存在だったが、コンバインではジェイ・カトラー(1巡11位でブロンコス)を上回って(パス練習を選択した中では)QB中トップの球速を記録し、"Sleeper"候補として名前が挙がるようになる。なお2002年5巡指名のQBクレイグ・ノールも、出場機会を求めてディビジョンI-AAの大学に移った選手だった。

パッカーズにとって : QBクレイグ・ノールがビルズに移籍したため、マーティンは3番手としてすんなり開幕ロースター入りできそう。しかしファーヴが今季限りで引退した場合に2番手に昇格できるかは別の話。ベテランQBの獲得が必要になるかどうかは、マーティンの成長しだいだ。

フロリダ大からファーマン大へ : フロリダ大を選んだのは、スティーヴ・スパリアーHCがQB育成の手腕で知られており、彼の下でパサーとしての勉強をしたかったからだ。ところが入学からわずか1年でスパリアーはレッドスキンズに去ってしまった。レックス・グロスマン(現CHI)が卒業した2003年にはいったんスターターになったものの、ロン・ズックHCが勧誘してきたQBクリス・リークに先発の座を奪われてしまった。

先発を降ろされてまもなく、彼は転校を決意した。「冷静に判断してのことだ。クリス(リーク)はロン・ズックHCに誘われて来た選手だし、僕は前任のコーチに誘われた選手だ。そのことが関係あったのかどうかは分からないし、クリスにチャンスを与えた方が勝てると判断しただけかもしれない。でも僕としては、ただ試合でプレーしたかった」とマーティンは振り返る。同じディビジョンI-A内で転校すると1年間はプレーできない決まりがあるので、ディビジョンI-AAのファーマン大を選び、移るとすぐにスター選手となった。

ホワイトハースト親子 : ファーマン大からパッカーズにドラフト指名されたのは、1977年8巡のQBデヴィッド・ホワイトハースト以来のこと。彼は83年までパッカーズに在籍、主にQBリン・ディッキーの控えとしてプレーして、計37試合に先発して16勝20敗1分け。そのホワイトハーストの息子チャーリーはクレムソン大でQBとして活躍し、今年のドラフト3巡でチャージャーズに入団している。

今春ドラフト前にそのチャーリー・ホワイトハーストのアドバイザーを務めたのが、同じくパッカーズの元控えQBだったジーク・ブラコウスキー。ブラコウスキーは1960年代にQBバート・スターの優秀な控えQBで、その後QBコーチやOCとして活躍した。そのブラコウスキーの息子ボブは現在ベンガルズでOCを務めている。

カテゴリ : Draft, Player