この日のイベントの中で、司会のマッカレンがQBブレット・ファーヴにインタビューを行った。プレーオフに敗れた直後の記者会見以来、彼がこうして話すのは2ヶ月ぶりのことだ。このイベントのあと、ファーヴは記者会見は行わなかった。
"Yes, I am." (大きな歓声が上がる)
「いや、そんなことはない。ここまで2ヶ月半かかったけど、もうプレーしない、と口にしたことはない。僕と家族が取り組まなきゃならないことがあり、僕としてはフットボールから離れて、考える必要があった。フットボールをプレーするのが大好きだし、まだ高いレベルでプレーできると自分では感じている。しかし対処しなきゃならなかったのは、僕自身のことじゃない。その妻が、『さあ、戻ってプレーしなさい』と言ってくれたので、決断は容易になったよ」
「とてもいいよ。先週、放射線治療も終えたところだ。(再び大歓声) エネルギーを取り戻してきてる。治療を終えてから彼女が言っているのは、『戻って、純粋にフットボールが楽しめるようなシーズンにできたらいいね』ということだ。僕もそう思う」
「まず第一に、それもフットボールの一部だ。親しい友人だから、彼らがいなくなるのは寂しい。すごい選手であり、常に頼りになる。僕にとってだけでなく、チームにとっても大きな存在だった。この世界の残念なところは、仲間を失うことに耐えていかなきゃならないことだ。受け入れるほかない、これが現実だ」
「しかしこの数年、ウチはオフェンスのスターターを変える必要がなく、ある意味で恵まれすぎていたとも言える。どのチームも毎日のように選手を失っているからね。これからは、彼らの穴を埋める道を見つけなきゃいけない。優れた選手だっただけに、容易なことではないだろう。しかし、テッド(トンプソンGM)やマイク(シャーマンHC)が、いい仕事をして選手を見つけてくれると思う。彼らの代わりなど、なかなか見つかるものではないけど、チームは向上する道を見つけなければならない。手持ちの戦力でやっていくしかないんだ」
「昨年、"Super Bowl or bust"とコメントしたことを、後悔はしていない。一昨年はあと1プレーでNFC決勝に進めるところだったのだし、スーパーボウルに行ける、そうでなければ受け入れられない、と感じたんだ。このチームはとても能力が高いからね」
「去年は、後退してしまうことが何度かあった。その度に盛り返し、そのことはこのチームの人格的なもの、それに能力の高さを示していた。いろんな理由で勝てなかった試合がいくつかあり、それが大きな差となった。今年も中核となる選手は残っているし、可能性は無限だと今でも感じている。僕はシーズンの予想などしたくはない。これまでもそうだった。しかし、僕らはスーパーボウルへ行くつもりでいるべきだし、それ以下を期待すべきじゃない。僕たちはそのようにだけ考えている (再び大歓声)」
「15年とは長いよね。こんなに長くなるなんて信じられない。たいていの時は、自分はまだ若いと感じているけど、あまり若く感じられない時もある。人生の中で短い間しかできないことをしているのだ、楽しまなきゃ損だ、それはよくわかっている。気が付いた時には、過ぎ去ってしまっているものだからね」
「だから、僕はスーパーボウルをもう一度勝てたらいいとは思うけど、ランボーフィールドでタッチダウンパスを投げるだけでも、このようにファンやコミュニティと一緒になれるだけでも、素晴らしいと思うんだ。僕は、自分の今の能力、環境、それが何を意味するかを分かっている人間だと思う。それが分からずに、良い時が過ぎ去ってしまってから、『神様、もう少しあの瞬間を続けさせてください』という人もいる。僕は実際それをしているのだから、できる限り長く、続けていたい」