グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2004年5月13日

ドラフト指名選手紹介 1: CBアマド・キャロル

 CB アマド・キャロル Ahmad Carroll
1巡25位 Arkansas Junior 177cm 87kg 40yds/4.34秒 20歳 1983年8月4日生

経歴 : ジョージア州アトランタ出身。高校ではシーズン70タックルを挙げて全米トップクラスのDBと評価される。陸上の100mでは10.41秒で州のチャンピオン。アーカンソー大では1年目の途中から先発CBに定着。3年間で36試合出場、29試合先発して通算140タックル、4INT。陸上の短距離でもオールアメリカンに選ばれる活躍で、60m6.69秒はアーカンソー大記録。まだ20歳。

Strengths : 40yds走で4.26秒を記録したことがあり、今年のドラフトで最速の選手の1人。直線だけでなく柔軟に動くことができ、あまりスピードを落とさず方向転換できる。加速が鋭く、たとえ離されても追いつくスピードとクイックネスがある。身長は低いが、がっちりしていて195ポンドもある。手が長い。フィジカルで、スクリメージ近くにセットしてのアグレッシブなプレスカバレッジを得意とする。ランサポートでも手を抜かず最後まで精力的に頑張る。コンバインでの垂直跳びはCB中トップの41インチ。リターナー経験はないが、カバーチームの"Gunner"として素晴らしいプレーをする。

Weakness : 身長が低い。未熟な点が多く、一人前になるまで時間がかかるかもしれない。ボールに対してのプレーが悪く、レシーバーと併走中にボールの位置を見つけられないことがある。キャッチが上手くないのか、インターセプトのチャンスを逃すことが多い。ギャンブル的なプレーが裏目に出てビッグプレーを許すことがある。ハードヒットは好きだが、タックルミスを減らす必要がある。粗削りな面が多いのは、陸上競技に参加するため、春の練習にあまり出られなかった影響かもしれない。

メンタル面 : とてもマジメで、非常にしっかりした"Work ethic"が身についている。人格的には申し分ない。自信を持ってプレーし、ミスしても切り替えが早い。良識があり、きちんとした受け答えができる。

指名の経緯 : もともとの層の薄さに加え、マッケンジー問題のために、パッカーズがCBを上位指名するのは確実だった。しかもビルズが1巡22位にトレードアップしてQBロスマンを指名したため、今年もパッカーズの1巡QB指名は消えた。1巡指名のキャロルか、3巡指名のCBジョーイ・トーマスが1年目からスターターになれるようなら、それだけで今年のドラフトの目標の半分は達成されたようなものだ。

パッカーズにとって : 即先発が無理な場合でも、1巡指名選手なら3番手CB/ニッケルバックの座は確保してほしいところ。キャロルもトーマスも、ゾーンよりもプレスカバレッジの経験が豊富でバンプ&ランが得意、というのもチーム方針に適っている。「小さいCBは獲らない」というのはロン・ウルフGM時代からの方針だが、キャロル指名で久々にそれが覆ったことになる。「背は低いが、がっちりしてフィジカルだから目をつぶろう」という例外扱いなのか、エドワーズやバウ・ジューのようなどっちつかずなCB/Sに懲りたための方針転換なのか。チーム首脳は、トップクラスのジャンプ力と手の長さで、身長の低さは補えると考えている。

etc. : 3人兄弟の末っ子。ニックネームは"Batman"。子供のころ、フットボールが好きでなく「オフサイドを連発したら外してくれるかも」と思い、スナップ前に相手センターをピョンと飛び越えたことから付いたあだ名らしい。両親とも30年以上にわたってノースウェストコースト航空の客室乗務員で、日本への航路に乗務することも多いとか。社員の特権を使って、息子のほとんどの試合に応援に駆けつける。安定した中流家庭で、マジメな両親にマジメに躾けられているという印象。

カテゴリ : Draft, Player