グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2004年2月 5日

QBドリュー・ヘンソン

いま最も動向が注目されているQBといえば、ドリュー・ヘンソンだろう。2000年シーズンまでミシガン大で活躍し、順調なら2002年春にはドラフト1巡上位での指名が確実視されていた選手だ。ところが彼は2001年の春にフットボールを辞め、MLBニューヨーク・ヤンキースへ。6年$17ミリオンの巨額契約を結び、いずれは正三塁手になることを期待された。フットボールファンの落胆が大きかったのは言うまでもない。

しかし、いつまでたっても野球で芽が出ない。トリプルAでの成績は惨憺たるもので、昨季は打率.234、14HR、78打点、122三振、エラーは28個。ロースター枠が広がるシーズン終盤には、ちょっとだけメジャーに昇格させてもらったが、下で打てないものがメジャーで打てるはずがない。

というわけで、すでに昨年春には「野球を断念してフットボール復帰か?」との見方が出てきた。本人は「野球を続ける」と主張したが、ドラフトではテキサンズが無理を承知で6巡指名した。2人の若手QBがいるテキサンズはヘンソンが欲しかったわけではなく、「下位指名で交渉権だけ獲っておけば、フットボール復帰した時に、交渉権をトレードに出せば儲かる」という思惑からだ。

そして、失意の3年目を終えたヘンソンはようやく野球を諦め、本気でフットボール復帰を目指すことになった。すでに数週間にわたって、元NFLのQBコーチの元でワークアウトを続けている。今月初めにはヤンキースとの契約解除の交渉もまとまり、$12ミリオンを諦めるのと引き換えに、自由の身となった。

ヘンソンは今月で24歳。身長6フィート4(193cm)、体重220ポンド(100kg)。ドラフト情報サイトでの評価を紹介すると・・・。サイズがあり、スピードもまずまず。タフで落ち着きがある、優れたリーダー。メカニックがしっかりしており、NFLで要求される全てのパスを投げられる肩の強さがある。ディープボールのタッチがよく、ショートパスでのスピードのコントロールもできる。クイックネスのある優れたアスリートでドロップバックが速く、ポケットでの落ち着きもある。困ったときには自分の足で打開もできる。時おりコントロールミスがある。相手のカバレッジを読み誤り、カバーされているところに無理投げしてしまうこともある・・・。

ミシガン大で彼は、2年生までトム・ブレイディ(現NE)の控えQBだったが、スターターとなった3年生のシーズンで、素晴らしい活躍を見せた。2146yds、18TD、4INT、成功率61%。問題は、スターターを務めたのが実質1シーズンだけ、ということだ。その経験不足に加え、3年ものブランクがある。NFLで成功する資質が本当にあったとしても、しばらくは控えで経験を積む必要があるだろう。

テキサンズが交渉権を持っているとはいえ、それは今年のドラフト前日までの話だ。テキサンズと契約せずにドラフトにエントリーすれば、6巡よりも高い順位で指名されるのは確実(1巡下位指名の噂も)。ヘンソンにすれば、サラリーだけを考えればそうした方がよい。しかし多少サラリーは安くても、テキサンズとの契約を選ぶメリットはある。トレード前提でテキサンズと契約するということは、実質的には、候補の中から自分で所属チームを選べるのだ。

これまでのところトレード先として取りざたされているのは、ESPNによると、パッカーズ、カウボーイズ、ビルズ、ドルフィンズ、スティーラーズ、チーフスあたり。テキサンズはトレード条件として2巡指名権を要求するのではないかと見られている。2月12日には獲得希望チームを集めての公開ワークアウトを、ヘンソン側は計画している。

カテゴリ : Contract/Personnel