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Packers - Seahawks Notebook
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2015年1月19日
ロッカールームで静かにインタビューを受ける選手たちの耳に、フィールドで行われている盛大なNFC優勝セレモニーの歓声が時おり聞こえてくる。自分たちに残っているのは長い長いオフシーズンだけだ。
- マイク・マッカーシーHC。 「シアトル・シーホークス球団にスーパーボウル進出のお祝いを言いたい。我々としても今日は勝利で終えられると自信を持っていた。今年のチームは素晴らしかったと思うし、シーズンを通してよく成長してきた。今日の敗戦を受け入れるのは本当につらい。こちらは大事なところでよいプレーを決めていたし、何度もチャンスがあった。シアトルはビッグプレーをいくつも決めて追いすがってきた。そのことは賞賛に値する」
- テッド・トンプソンGM。 「これがフットボールだ。今回は球団の歴史に新たなページを加えられるとみんなが感じていた。だからこのように試合を落とすのは本当に残念だ」
- QBアーロン・ロジャース。 「今日は素晴らしいチャンスに恵まれ、勝利は目の前にあった。この勝利を逃したことは、おそらく僕らみんなキャリアの最後まで頭に残るだろう。今日は僕らの方がよいチームで、勝利に値するプレーをした。なのに勝利を逃したのは自分たちを責める他ない」
- QBロジャース。 「フェイクFGでタッチダウンを許したり、オンサイドキック成功を許したり、第4Qに1つも1stダウンが取れなかったりしたら勝利はおぼつかない。前半の敵陣レッドゾーンオフェンスの数々は、それらを上回る失敗だった。それらすべて、負けるための最善の方法だよ」
- RG T.J.ラング。 「60分のうち55分まで、僕らはとてもいい感じだった。残り5分で2スコア差のリードをして、こちらのサイドラインの1人たりとも試合に負けるとは思っていなかった。そこからいくつか悪いことが起きてしまった」 「感情のローラーコースターだよ。試合直後の今は、『ショック』が一番大きい。『怒り』でもいいけれど、それは何の役にも立たないしね」
- LBクレイ・マシューズ。 「これほど努力を重ね、勝利まで、スーパーボウルまでこれほど近く迫りながら、オーバータイムで負けるなんて。本当につらい。打ちのめされる」
- 5つのターンオーバーからわずか6得点。オフェンスの度重なる逸機が大きく響いた。 「敵陣ゴール前まで行った2回のシリーズであと4点取れていれば、まったく違った試合になっていた。ディフェンスがターンオーバーで何度もチャンスをくれたのに、僕らはそれを活かせなかった」とWRネルソン。
- QBロジャースの働きについてCコーリー・リンズリー。 「彼はタフな人間だ。あれは冗談抜きで重いケガだ。あんな状態のふくらはぎでクォーターバックをプレーするなんて、信じられないことだ」
- QBロジャースがプレーオフで複数INTを投げたのは、2010年NFC決勝ベアーズ戦以来2回目。レーティングも今回とほぼ同じ55.4だったが、あのときは試合に勝った。
- 第1Qの第2シリーズ、ゴール前数インチでマッカーシーHCはギャンブルせず3点を選んだ。最終週DET戦では同じ状況でギャンブル失敗して批判されただけに、今回の慎重策で彼を責めるべきではないだろう。 「今回の試合では(大量点は望めないので)ポイントが貴重だとわかっていた。私だってギャンブルを狙いたいが、2ndダウンや3rdダウンの内容を見て、3点を選ぶべきだと感じた」
- 今季はこうした試合の終盤にオフェンスが時間を使い切って終えることができていたが、今回は第4Q残り7分からのオフェンスが2回連続3&アウトに終わり、相手に逆転のチャンスを残した。 「第4Q終盤に2スコア差をつけていながら、何もせずに負けてしまうなんて。こちらはボールを持っていたのだから、勝ち切らないといけないのに。振り返ってみると、普段とくらべてアグレッシブでなかったことが何度かあった」とQBロジャースは保守的すぎたプレーコールに不満をにじませている。
- CBリチャード・シャーマンがついたのはWRネルソンが22スナップ、WRアダムズが35スナップ。キャッチはWRネルソンの1回だけだった。
- 腕を負傷したCBシャーマンをもっと攻めるべきだったのでは、との質問にQBロジャース。 「そうできていなきゃいけなかったが、僕らはしっかりエクセキュートできなかった」
- 試合前日に強い腹痛で病院に行ったWRランドール・コブ。最初は盲腸ではないかと本人は思ったが、検査の結果問題なかったとのこと。 「昨日はほんと苦しかったけどね、今朝起きてみるとすごく調子がよかった。試合にはまったく影響なかったよ」
- CBトラモン・ウィリアムズ。 「勝利への理想的な位置にいたのに、僕らは勝ち切ることができなかった。押し切るためのあらゆるチャンスを僕らが手放してしまったことは、本当に言い訳のしようがない」
- CBマイカ・ハイド。 「僕らが勝利を手放してしまった。いま僕に言えるのはそれだけ。他に言葉で表しようがない」
- 終盤のディフェンス不振についてILB A.J.ホーク。 「試合の大部分において、僕らは相手を封じることができていた。しかし相手がいったん勢いに乗ると、僕らは勝利に十分なほど彼らをスローダウンさせられなかった。相手はみな一番大事なところでよく頑張り、こちらはそれができなかった」
- OLBジュリアス・ペッパーズは代役RTアルヴィン・ベイリーを圧倒し、サック1.5回、QBヒット3回、5タックル、1ロスタックルを記録。
- 第4Q終盤にLBクレイ・マシューズがサイドラインに退いた(延長では復帰)のは、2つのケガと疲労が原因だった、と本人。これ以上詳しいことはわからない。
- 第4Qのシーホークスはリード・オプションを中心とし、ESPNによれば、第4Qだけでリード・オプションからのランで85ydsを稼いだとのこと。
- 第4Q残り5分13秒、WRカースの弾いたパスをインターセプトしたSモーガン・バーネットはまるで勝利決定という感じで、その場でダウンを選択(周囲もそう促したように見える)。相手WRたちは遠く離れていたためビッグリターンの余地は大きく、タッチダウンさえありえた。ここでちゃんとリターンしていれば、という理屈はじゅうぶん成り立つ。
- 逆転タッチダウンを許した直後、2ポイントコンバージョンを成功されたのも痛かった(止めていれば逆転FG成功だった)。せっかくQBウィルソンを追い詰めて無理投げさせたのに、Sハハ・クリントン=ディクスがボールに対して的確にプレーできず、TEウィルソンにキャッチされてしまった。インターセプトを2回決めたSクリントン=ディクスだが、これは悔いが残る。
- オーバータイムのサヨナラ35ydsTDパスのプレーでは、シーホークスは2バック・2TE・1WRのラン隊形。こちらもラン警戒のため、ベース隊形のうえにCBシールズを下げてSリチャードソンを入れている。FBトゥクアフが左ワイドにシフトすると、Sバーネットがそちらにシフトしてマンカバー。ディープセーフティなしのいわゆる「ゼロ・カバレッジ」をシーホークスに一発狙われてしまった。QBウィルソンがオーディブルでそう変えたらしい。
- シーホークスのWRジャーメイン・カースは第4Q終了まで6回ターゲットになってキャッチゼロ、うち4つがインターセプト(彼が弾いたものが2つ)。最初のパスキャッチ成功が35ydsのサヨナラタッチダウンだった。それまで好カバレッジを続けてきたCBトラモン・ウィリアムズだが、このプレーでもけっして悪いカバーではなかった。
- CBトラモン・ウィリアムズ。 「セーフティなしだから、僕と相手しかいない。タフなプレーだ。でも自分はいいポジションにいると思ったし、なんとかボールを叩き出そうとした。相手は大きい選手だし、これまでもああいったプレーを成功させてきてる。今回もそうしたプレーを成功させたんだ」
- 第4Q最後、Kメイソン・クロスビーの同点48ydsFG成功はしびれるプレーだった。 「今日はいい感じでボールが蹴れていた。スナップ、ホールド、キックとオペレーションがすごくよかったし、プロテクションも申し分なかった。あとは試合に勝てていたらね・・・。この負けは本当に痛いよ。勝っていた試合を、こちらが最後に手放してしまった」
- Kクロスビーはプレーオフでのフィールドゴール連続成功を16回とし、球団記録をさらに更新。プレーオフのロードでの得点も57点で球団史上最多となった。これまでの最多はWRアントニオ・フリーマンの48得点。
- 相手オンサイドキックの際、TEブランドン・ボスティックはキャッチ役を守るブロッカー役にもかかわらず、ジャンプして捕り損ねた。ブロッカーに徹していれば、後ろのWRネルソンの胸にらくらく収まったはずだ。
- TEブランドン・ボスティックはすっかり打ちのめされた様子で、涙で目を赤くしてインタビューに答えている。 「チームを失望させてしまった。ボールに反応して、捕れると思ってしまった。ボールが手に入ったと思ったのにすり抜けた。これだけ大きな試合で、もし僕が自分の役目を果たしていれば、ジョーディがキャッチして試合は終わっていたはずなのに」 「あのシーンが頭の中で繰り返されてる。乗り越えるのにどれだけかかるかわからない」
- 上記のオンサイドキックについてTEアンドリュー・クウォレス。 「最前列のブロッカー陣も、キャッチするなと指示されてるわけじゃない。でも、捕りに行くならちゃんと捕らなきゃいけないだけ。ただ、1人に敗戦の責めを負わせることなんてできないよ。全員が責めを負うべきだ」
- おなじくKクロスビー。 「僕も試合の最後で決められずに負けた試合が何度もあるから、彼の気持ちはよくわかるよ。でも責任はみんなにある。勝つときも、負ける時も、チームは1つだ」
- Journal Sentinel紙のPlay of the Game図解は第3Qに許したFGフェイクからのTDパス。FG隊形でも9人のラインのうち大外の2人はエリジブル・レシーバーで、TEでなくOLギリアムがレシーバーとして走った点が秀逸だった。パッカーズはディフェンスから見て右側から5人がプッシュしてブロックを狙うかまえ。ILBホークがセーフティの位置にいて、さらに左サイドのSリチャードソンも下がってフェイクに備える。ILBホークは最初OLギリアムをカバーする位置にいたが、Pライアンのランを止めようと前に上がってしまい、OLギリアムをワイドオープンに。逆サイドから追ったSリチャードソンも遠く及ばなかった。
- ProFootballFocusのシーホークス戦レビューから。
- オフェンス選手の総計は+4.0、ディフェンス選手の総計は-18.0。
- オフェンスでよかった選手は、LGシットン(3.7)、RBレイシー(1.8)、QBロジャース(1.1)。
- オフェンスで悪かった選手は、TEロジャース(-2.7)、RGラング(-1.3)。
- ディフェンスでよかった選手は、Sクリントン=ディクス(2.6)、Sバーネット(2.1)の2人だけ。
- ディフェンスで悪かった選手は10人もいて、とくにフロント7のラン守備に減点が集中している。LBマシューズ(-3.4)、OLBペリー(-3.0)、NTガイオン(-2.9)、OLBニール(-2.7)、ILBホーク(-2.6)、OLBペッパーズ(-2.5)、DEダニエルズ(-2.4)、ILBバーリントン(-2.0)、DEジョーンズ(-1.3)、DEボイド(-1.1)。
- -21.5点のラン守備は今季ダントツで最悪(2番目に悪かったのは開幕週SEA戦の-14.4)。パスラッシュは+0.6、パスカバレッジは+4.2、反則が-1.3だった。
- DB陣はCBヘイワード(-0.1)を除いてそれなりのプラス点が付き、フロント7は出場10人全員が-1.1以下。これほどはっきりした試合は珍しい。
- オフェンス最低点のTEロジャース(-2.7)はパスキャッチが+0.9だったが、ランブロックで-3.7(今季最低)。
- いつも当欄ではスペシャルチーム評価を省略しているが、今回は少しだけ。Pマステイは入団から4年間すべてシーズントータル+10以上だったのが、今季は-13.4の不振。とくにバイウィーク後の9試合(出番なしだった試合を除く)のうち、8試合がマイナス評価だった。
- パッカーズのNFCチャンピオンシップ成績は通算3勝3敗に。マッカーシーHC時代が1勝2敗、ホルムグレンHC時代が2勝1敗。「カンファレンス」でなかったロンバルディ時代を含めれば通算5勝3敗となる。
- プレーオフでの延長サヨナラ負けは2003年PHI戦、2007年NYG戦、2009年ARI戦につづいて球団史上4回目。つまりファーヴ時代とロジャース時代が2回ずつ。ファーヴの2敗はどちらもインターセプトから。ロジャースの前回はサック&ファンブルロストによるもの。オフェンス機会がなかったのは今回が初めて。
- QBロジャースがNFLの"Walter Payton Man of the Year Award"の最終候補3人に選ばれた。フィールド内での優秀さとコミュニティでの人道的活動の両方を兼ね備えた選手に与えられるもので、まず32球団からそれぞれ代表がノミネートされ、その中から今回QBロジャース、WRアンクワン・ボルディン(SF)、LBトーマス・デイヴィス(CAR)の3人が最終候補に。本投票の結果はスーパーボウル前夜の "NFL Honors" の中で発表される。