グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2014年10月 8日
更新を休んでいた約3週間のまとめ。その間パッカーズは同地区3連戦を2勝1敗で乗り切り、地区首位タイに浮上している。
人事
- 第2週NYJ戦でヒザ前十字靭帯を断裂したOLBアンディ・ムルンバが9月19日にインジャリーリザーブ入り。
- そのまま補充を行わず、第3週・第4週はロースター52人のまま戦った。
- 今月1日、プラクティス・スクワッドにいたCBジュマール・ロールがテキサンズと契約。
- 第5週MIN戦の当日、ドラフト外ルーキーのDEルーサー・ロビンソン(マイアミ大)がプラクティス・スクワッドから昇格した。DEボイドの負傷退場もあって36スナップも出場、パスをティップしてOLBペッパーズのINTリターンTDにつなげた。(スーパーボウルでのNTハワード・グリーンを彷彿とさせる)
- 今週月曜にTEライアン・テイラーを解雇した(レイヴンズがウェイバーで獲得)。得意のスペシャルチームでの活躍もそれほどでもなく、出場は昨年の65.6%から42%へとダウンしている。オフェンスではMIN戦のガーベッジタイムに10スナップ出場したのみ。TEは他に3人いるのでデプス的に問題はない。
- 空いたロースター枠に、WRケヴィン・ドーシー(昨年7巡)がプラクティス・スクワッドから昇格。WRボイキン(鼠蹊部)のケガが長引きそうなのだろうか。
- プラクティス・スクワッドにDEジョー・クルーガーと契約。彼はユタ大から昨年7巡指名でイーグルスに指名されたものの、肩のケガでシーズンを棒に振った。今年8月下旬に解雇されてチャージャーズに拾われたが、5日後に解雇。ブラウンズの先発OLBポール・クルーガーの弟。
オフェンス
- ここ3戦のオフェンスの出来は × → 〇 → 〇
- DETに敗れて1勝2敗となったときは世間に悲観論も多かった。そうしたファンに向けてQBロジャースは恒例ラジオ番組で、「アール・イー・エル・イー・エックス。 リラックス。」とよびかけた。つまり、肩の力を抜いて復調を待っててよ、ということ。その後の2試合で計80得点。
- QBロジャースはレギュラーシーズン通算200TDパスを達成した。200TD達成時点で53INTはNFL史上最少。ブレット・ファーヴもおなじく先発7年目(1998年11月)の達成だったが、その時点でのインターセプトは111回。
- 開幕から低空飛行が続いたラン攻撃は第5週にしてようやく回復。RBレイシーは第4週まで平均3.3ydsだったが、第5週MIN戦では13回105yds(平均8.1)の爆発で、シーズン通しての1回平均を4.0ydsとしている。
- RBレイシーのパスプロが頼りになるせいか、ノーハドル主体で交代の時間がないせいか、控えRBたちの出番が少ない。第4週CHI戦ではRBスタークスの出場が1スナップのみ。RBハリスは今季全体のボールキャリーがわずか4回。ただ、RBレイシーのキャリーは1試合平均13.2回(最多が17回)で、けっして酷使されているわけではない。
- 3巡指名TEリチャード・ロジャースが先発を続けてきたが、第5週MIN戦ではTEクウォレスが先発。スナップ数もクウォレス(33)、ロジャース(21)の割合だった。ロジャースはCHI戦序盤でよいパスキャッチが2回あったが、ランブロックのミスが目立っている。ただランブロックはクウォレスも褒められた出来ではなく、彼らTE陣がラン攻撃の足を引っ張っている印象も。
- WRネルソンはパスキャッチ34回552yds(ともにWR中2位)の好成績。WRコブもTD6回で2位。
- WRボイキン(鼠蹊部)のケガもあって2巡指名WRアダムズの出番が増えている。MIN戦では初TDを挙げ、QBロジャースからの信頼度も増してきた。
- TEボスティックはケガからの復帰後もオフェンスで出番がもらえず、MIN戦のガーベッジタイムで7スナップに出場したのみ。地元記者によると、練習態度に問題があるため、とのこと。
- 新人Cリンズリーは第2・第3週と苦しんだものの、その後は復調し、現時点でProFootballFocusの評価が+2.7(全センター中10位。Cディートリック=スミスは31位)。とくにランブロックの力強さは新人離れしている。JC・トレッターは復帰しても控えだろう。
- ヒザ捻挫のRTブラガは第2週を休んだだけで復帰。最初のDET戦はあきらかに本調子でなかったが、その後の2試合は文句なしのパスプロでオフェンス復調に貢献している。LTバクティアリのランブロックはルーキーシーズンから進歩していないように見える。ただパスプロで昨季と比べてブルラッシュに負けなくなってきたのはたしか。
- LGシットンはさすがの内容で、ProFootballFocusの11.7点は全ガード中1位。RGラングは第3戦までイマイチだったが、ここ2試合は非常によかった。
- 大勝のMIN戦終盤ではOGレーン・テイラーやOTシェロッドを10スナップ出場させる余裕だった。
ディフェンス
- ここ3戦のディフェンスの出来は 〇 → × → 〇
- トータルディフェンス22位。失点は10位。ラン守備は依然としてNFL最下位。
- パス守備は6位。OLBペッパーズを中心としたパスラッシュの向上とセーフティ陣が安定したことが大きい。
- ProFootballFocusによれば、パッカーズは開幕SEA戦だけで大量18回のミスタックルを犯したが、その後は4試合で計24回。
- ラン守備不振の元凶はディフェンシブライン。第4週CHI戦(ラン守備235yds)では、相手OL陣に欠場者が2人もいたが、コンボ・ブロックやトラップ・ブロックでDL陣がいいようにコントロールされた。MIN戦で多少よくなったといっても大きな向上は見込めない、と悲観的な向きも多い。
- DL陣の中でも、NTガイオンとDEデイトン・ジョーンズのラン守備不振が目立っている。NTガイオンは第5週MIN戦でようやく内容が上向き(ProFootballFocusで今季初めてプラス評価)になったが、問題はこれが続くかどうか。DEジョーンズはパスラッシュでの活躍が増えていたが、足首捻挫で次戦出場が危ぶまれている。
- DEダニエルズだけはラン・パスともに文句なしの出来で、今季はプレッシャー14回。ProFootballFocusでは、3-4のDE中5位に評価されている。
- DEボイドとDEジョーンズの負傷により、NTマイク・ペネルとDEルーサー・ロビンソンのドラフト外ルーキーコンビの出番が急増している。NTペネルはこの2試合で計49スナップ(30%)、DEロビンソンはMIN戦で36スナップ(45%)。
- FA加入のOLB/DEペッパーズはまったく年齢を感じさせない活躍。サックは1.5回だが、ヒットとハリーを加えたプレッシャー17回はマシューズと並んでチーム最多。ProFootballFocusの評価(6.3)はDEダニエルズに次いでパッカーズディフェンス中2位。先日のMIN戦ではインターセプトから素晴らしいスピードでタッチダウンを決め、Sバーネットにうながされて照れながらの初ランボーリープ。
- いっぽうOLBマシューズは、「悪くはないがマシューズとしては物足りない」という試合が続いている。鼠蹊部のケガで出場スナップも抑え気味。OLBニールはパスラッシュで「追い詰めながら仕留められない」プレーが多く、ProFootballFocusの評価も-6.1。パスラッシュはOLBペリーの方がキレを感じさせる。
- ILBラティモアはILBブラッド・ジョーンズの負傷で第2週から先発し、期待通りの働き(ProFootballFocus評価は+1.9)。ジョーンズが復帰しても先発の座を守っている。ジョーンズやホークよりもアグレッシブに踏み込んでいくところがいい。
- セーフティ陣の向上が失点10位に貢献。Journal Sentinel紙は、「セーフティ陣がチームの強みに」というコラムを載せている。昨季先発したM.D.ジェニングスとジェロン・マクミリアンは現在失業中だ。
- 1巡指名Sクリントン=ディクスはパス守備で安定感があり、ランサポートも上がりが速い。ここ2試合は出場スナップ数でSハイドを上回っており、正式なスターター昇格も近いのでは。Sバーネットが昨季と比べていちじるしく向上したのも、相棒のプレーが安定したせいだろう。とくに先日のMIN戦はキャリアベストの出来。ProFootballFocusの評価は4戦連続のプラス。
- CBウィリアムズとCBシールズの先発コンビは今年も安定したカバレッジを見せ、セーフティ陣の安定とあいまってチームのパス守備が向上している。CBヘイワードとCBハウスの3番手争いは一進一退が続いていて、最近はまたCBヘイワードが盛り返してきたところ。先発級の選手が4人もいるのがパッカーズの強みだ。
スペシャルチーム
- 全体的に安定し、勝ち越しに貢献している。
- リターン(キックオフリターン13位/パントリターン22位)でビッグプレーがないかわり、相手にもビッグリターンをあまり許していない。キックオフカバレッジ11位、パントカバレッジ6位。
- リターナーは開幕時と変わらず。キックオフリターンがRBハリス、パントリターンはWRコブとSハイドを併用。
- Kクロスビーは好調キープ。CHI戦のガーベッジタイムにFGを1つブロックされたものの、50yds以上を2本とも成功させている。
- Pマステイはキャリアベストのネット42.6yds(5位)。先日のMIN戦では6本中5本を敵陣インサイド20に落とした。
ケガ人
- DEデイトン・ジョーンズが第5週MIN戦で足首を捻挫。次のMIA戦は欠場か。
- DEジョシュ・ボイドは第4週CHI戦でヒザを痛め、MIN戦を欠場。マッカーシーHCによれば、今週復帰できる可能性がある。
- ILBサム・バーリントンはハムストリング負傷でMIN戦を欠場。
- OLBアンディ・ムルンバ(ヒザACL断裂)のIR入りは前述のとおり。
その他
- NFLにおいてヒト成長ホルモン(HGH)の使用は長らく野放しとなっていたが(ルール上は禁止だが検査が行われない)、このたびNFLとNFL選手会がようやく合意に至り、今週から検査が始まっている。毎週8チームから5人ずつランダムに選ばれて血液検査が実施される。
- 元QBバート・スター(80歳)は、9月2日の脳梗塞につづいて9月7日に脳出血と軽い心臓発作を起こしたとのこと。今月4日に夫人が声明を発表し、「発作により回復に手間取ったが、現在の容体は安定しており、リハビリを通じて回復していくと楽観している」と説明している。