グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2014年9月 1日
解雇選手リストは昨日の記事を参照のこと。現状のロースター構成はオフェンス24人/ディフェンス26人/スペシャルチーム3人。いまのところ、他球団から解雇された選手にパッカーズはまったく手を出さず、パッカーズが解雇した選手にも他球団は手を出していない。
以下、各ポジションの人数と状況をまとめていこう。
QB (3) ロジャース、フリン、トルジーン
- QB3人体制はじつに7年ぶり、ロジャース先発初年度の2008年以来のことだ。
- 他ポジションのケガもあって2人体制を予想する向きも多かったが、やはり昨年の教訓によるものだろう。フリンを解雇した場合にそのままフリーでいてくれる確信が持てなかったからかもしれない。どちらにせよ、「残す価値のある3番手QBがいる」状況はいったい何年ぶりか思い出せない。
- フリンが2番手、トルジーンが3番手であることをマッカーシーHCが明言した。
RB (3) レイシー、スタークス、ハリス
- 新人王エディー・レイシーが大エースとなり、彼の出場スナップ数もさらに増えるはず。
- 2番手争いは僅差だが、このところ好調のドゥワン・ハリスがジェームズ・スタークスを追い抜いたかも。
- プラクティス・スクワッドに入ったマイケル・ヒルが実質4番手。
FB (1) クーン
- 4年連続で1人体制。レイシーの成長で、クーンが3rdダウンバックを務める場面は大幅に減るのでは。
- プラクティス・スクワッドにはFBがいない。
WR (5) ネルソン、コブ、ボイキン、アダムズ、ジャニス
- 5人体制は例年どおり。
- プレシーズンでは2巡指名WRアダムズが1stチームでプレーする機会が少なく、ケガがないかぎり出番は少なそう。
- 5巡指名アブレデリスの戦線離脱もあって、7巡指名ジェフ・ジャニスが当選。リターナーとしても期待できそう。
- プラクティス・スクワッドには、マイルズ・ホワイト、ケヴィン・ドーシー、アレックス・ジレットの3人。
TE (4) リチャード・ロジャース、クウォレス、ボスティック、ライアン・テイラー
- 先発は3巡指名リチャード・ロジャースが開幕スターター。FAで再契約したクウォレスとローテーション起用されることになる。
- アスレチックなボスティックをダブルTE隊形で多用したいところだったが、腓骨骨折で開幕には間に合わない。
- ライアン・テイラーはスペシャルチーマーとして最下位当選。2年目のストーンバーナーは惜しかった。
OT (3) LTバクティアリ、RTブラガ、OTシェロッド
- 2年目LTバクティアリの成長とRTブラガの復活が今年のオフェンスの大きなプラス材料。ブラガは順調ならシーズン中に契約延長の可能性も。
- 6人目の男、ドン・バークレーがACL断裂でシーズンエンドとなったのが痛い。4ポジションの控えを兼ねた彼がいなくなることでOL全体のデプスが弱体化してしまった。できればOTを1人補強したいが、そんな選手が巷に転がっているかどうか。
- シェロッドは身体的には完全復活したが、バークレーほどの実力がない。来春にはFA退団となりそう。
G/C (5) LGシットン、RGラング、Cトレッター、Cリンズリー、OGテイラー
- 先発トレッターの負傷(4試合か5試合欠場)により、5巡指名Cリンズリーが代役スターターに。もしリンズリーがよければ、トレッターはケガが治っても先発に戻れない可能性あり。トレッターはセンターでの公式戦経験がゼロだからだ。
- Cガース・ゲアハートを解雇したため、トレッター復帰までの1か月は控えセンターがいない。LGシットンが兼ねるはず。
- LGシットンとRGラングは盤石で、年齢的にもキャリアのピークにある。
- OGレーン・テイラーは昨季に続いてなんとかロースター入り。
- OL8人(しかも1人負傷中)では心許ないので、機会があれば補強の可能性も。PSにはCガース・ゲアハートが入った。
DL (5) DEダニエルズ、DEデイトン・ジョーンズ、DE/NTボイド、NTガイオン、NTペネル
- B.J.ラジをノーズタックルに戻してクイックネス重視の布陣とするはずが、上腕二頭筋断裂の大ケガで目算が狂った。
- 代役ノーズタックルは2年目のボイド、FA加入のガイオン、話題のドラフト外ルーキーのペネル。
- デプスには不安があるが、OLBペッパーズやOLBニールがDE兼任と考えればそれほどひどくないのかも。
- プラクティス・スクワッドにはドラフト外のDEルーサー・ロビンソンが入ったが、即戦力とは考えにくい。ケガ人が出た場合は外部のFAを物色するのでは。
- 新人DTカイリー・ソーントンはキャンプ/プレシーズンともまったくの期待外れ。最後にケガをしてくれたおかげで、3巡指名選手を解雇する恥辱を逃れた。
OLB (6) マシューズ、ペッパーズ、ニール、ペリー、エリオット、ムルンバ
- 名パスラッシャーのジュリアス・ペッパーズがFA加入して、レベル/デプスとも過去6年間でベストの陣容に。パスラッシュだけでなくラン守備でも向上が期待できる。
- OLB/DEをハイブリッドにしたような”エレファント・エンド”として使うという話だが、具体的にはシーズンが始まらないとわからない。マシューズをいろいろと動かしてラッシュさせることも予想されている。
- 4巡指名ブラッドフォードはOLBとして期待外れで、キャンプ末になってILBへコンバート。代わりにドラフト外のジェイロン・エリオットが非常によかった。
ILB (5) ホーク、ブラッド・ジョーンズ、ラティモア、バーリントン、ブラッドフォード
- ホークとブラッド・ジョーンズの先発コンビは変わらず。
- ラティモアが3番手を務め、バーリントンも代役スターターをこなせる力がすでにある。
- 4巡指名ブラッドフォードはILB修業を始めたばかりだが、将来性はありそう。
- LBが計11人と多いのはスペシャルチームにとってもプラス。
CB (6) トラモン・ウィリアムズ、シールズ、ヘイワード、ハウス、ブッシュ、グッドソン
- Sマイカ・ハイドがCBも兼ねられるのでCBは実質6.5人。複数のケガ人が出たらCB専任に戻すこともできる。
- 4番手のデヴォン・ハウスが非常に好調で、ニッケルバックのヘイワードをプッシュしているところ。ヘイワードはハムストリング再発のリスクが常にあるので、これは心強い。
- ジャレット・ブッシュはスペシャルチームのエースだが、4番手が務まるぐらいの実力もある。
- 実質6番手だったジュマール・ロールは惜しくも落選。キャンプでのプレー内容が非常によかっただけに、惜しむ声が多い。
- ロールに代わって6巡指名ディミトリ・グッドソンがロースター入りした。とくにキャンプ前半はひどいものだったが、しだいによくなってきたのは事実。大学でもCB経験が短かっただけに粗削りで、そのぶん伸びシロがあるのかもしれない。ただすでに25歳でロールよりも1つ年上。
- ディフェンスで一番のデプスを誇るが、トラモンとハウスとブッシュは契約最終年。とくに31歳のトラモン・ウィリアムズは今季かぎりとなる可能性が高い。ハウスは今年活躍してFA市場で大型契約を手に入れたいところだ。
S (4) バーネット、ハイド、クリントン=ディクス、リチャードソン
- ハイドをCBからコンバートし、クリントン=ディクスを1巡指名したことでレベルが大幅に向上。チームで最も層の厚いポジションの1つになった。
- ハイドとクリントン=ディクスのハイレベルな先発争いは、レギュラーシーズンに入っても続くのだろう。開幕スターターを(おそらく)逃したクリントン=ディクスだが、ダイムバックとして常時出場することになりそう。
- リチャードソンは順調に成長しているが、上記3人のレベルが高いので先発の座はかえって遠のいた。スペシャルチーマーとして期待。
- クリス・バンジョーはスペシャルチームでの活躍もあって有力視されていたが、急に層が厚くなったせいで落選となった。PS資格が緩和されたおかげでPS入り。
ST (3) Kクロスビー、Pマステイ、LSグード
- スペシャリスト3人は文句なし。個人成績は真ん中あたりでも、寒冷地球団ということを考えればよくやっている。
- キックオフリターナーはRBハリスが当確、2番手候補がWRジャニス、といった情勢。
- パントリターナーはSハイド、WRコブ、WRジャニスの3人が候補。どうなるかまだはっきりしない。
- 昨季大苦戦したカバレッジチーム(パント/キックオフとも29位)の向上が大きなテーマ。プレシーズンでは成果が出ていたが、多少メンバーの入れ替わったレギュラーシーズンではどうなるか。
その他
- 今後補強の可能性があるとすればOLとDLだろう。ただ、無理に数を揃えることはしないのがトンプソンGM方式。
- 今後補強した場合に解雇される有力候補は、CBグッドソン、TEテイラー、OLBムルンバあたりか。
- ベテランを補強する場合、開幕戦終了を待つ手もよくある。NFL経験4年以上の選手が開幕週にロースターにいた場合は年俸全額が保証され、途中で解雇しても1シーズン分のサラリーを支払わなければならないからだ。開幕戦さえ終えていれば、在籍期間分を週割りで支払えばよい。
- ドラフト指名選手の解雇はなし。3巡DTソーントンと5巡WRアブレデリスがIR入り。
- ドラフト外ルーキーからロースター入りしたのは、NTマイク・ペネルとOLBジェイロン・エリオット。2006年以来パッカーズの平均は1.89人なので、例年どおり。
- ロースター53人の平均年齢は25.62歳で、NFLで6番目に若い。
- 先日トレードしたDEジェレル・ウォージーがペイトリオッツから解雇。「ロースター入りした場合のみ7巡」という条件だったので、パッカーズは代償に何ももらえないことになった。