グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2014年5月 7日

ニーズ分析 オフェンス編

今回もニーズ順に並べたつもりだが、とくに上位3つは拮抗していて予想が難しい。3巡までに指名権が4つあるうち、ディフェンス2/オフェンス2とするのではないかと個人的には思っている。

◆ センター/ガード

先発Cディートリック=スミスがFA退団したため、パッカーズはこの4年間で4人目の先発センターを迎えることに。暫定スターターはJ.C.トレッター(昨年4巡)となっているが、センター経験がまったくないうえ、昨季をケガで棒に振っている(終盤にはチーム合流して練習できた)。OLの要をFA補強せずにドラフトを迎えるのはリスキーに思えるが、パッカーズらしいとも言える。これがトレッターの高評価の表れであればいいのだが。

先発両ガードはLGシットンとRGラングで盤石だが、インサイド3ポジションは控えの層が非常に薄い。控えC/Gのなかで公式戦出場経験(STを除く)があるのはOGレーン・テイラー(14スナップ)だけ。そうしたことを考えると、遅くとも4巡までに指名がありそうだ。ところで、これまでトンプソンGMはタックルを獲ってはガードやセンターに育ててきた。昨年の先発OL5人全員が大学ではタックルだった選手だ。そのため「初めてセンター専業選手を指名するか」が1つの注目ポイントとなっている。

◆ タイトエンド

ジャーマイケル・フィンリー(首の回復途上、現在フリーのまま)を見送り、アンドリュー・クウォレスと再契約(2年)した。これで昨季後半の陣容を確保した形だが、QBロジャースに十分な武器を与えられたとはとても言えず、1巡・2巡指名予想が多くなっている。元WRのブランドン・ボスティック(一昨年ドラフト外)は今夏の成長を期待したい選手だが、4年目のライアン・テイラー(2011年7巡)はスペシャルチーマー止まり。

ぜひ上位指名で大器を獲得したい年ではあるが、問題は他のポジションとの兼ね合い。チームとしてはディフェンス立て直しの方が重要だろう。魅力的なタレントがいれば1巡指名があってもおかしくないが、逆に4巡以降まで指名しない可能性もある。パッカーズが1巡でTEを指名したのは過去43年間で1回だけ(2000年のババ・フランクス)。

◆ ワイドレシーバー

無類のデプスを誇ってきたWR陣も、昨年ジェニングスが抜け、今年はジェームズ・ジョーンズが抜けた。彼らを手放せたのは、ランドール・コブが恐れられるスロットレシーバーとなり、昨季後半ジャレット・ボイキン(一昨年ドラフト外)が急成長したおかげだ。ボイキンは終盤にはジョーンズをしのぐ力を見せていた。

エースのネルソンを加えた先発トリオは十分な力があるが、4番手以降のデプスは不安があり、ケガが怖い。育成に時間のかかるポジションということを考えれば、今年はWRを上位指名して武器を増やしておきたいところだ。とはいっても指名権にはかぎりがあるので、3巡までにTEかWRのどちらかしか獲得できないように思われる。今年はWRがかなり豊作らしいので、TEよりもこちらを指名する結果になるかもしれない。

昨季はCBマイカ・ハイドがパントリターナーとして頑張ったがキックオフリターナーがいないので、リターナー経験のあるWRが望ましい。

◆ タックル

昨年は4巡指名のLTデヴィッド・バクティアリが期待以上の働きでブラインドサイドを立派に守った。ブライアン・ブラガ(ヒザACL断裂)はRTに戻って復活をめざし、順調にいけばドン・バークレーは控えRT/RGに戻る見込み。デレク・シェロッド(2011年1巡)はスネ骨折の重傷で実質2年を棒に振ったが、この4人でデプスは十分といえそう。

ただ将来的には不安がないわけではない。ブラガとシェロッドが来春FAとなるからだ。ブラガはぜひ契約延長したい選手だが、本人が「他球団で(より給料の高い)LTをやりたい」と望んだら交渉がこじれる可能性もある。大ケガからの復帰途上ということもあり、球団側はWRネルソンやWRコブとの契約延長を優先している。シェロッドを引き留める可能性は低い。

というわけで上位指名の優先度は高くないが、中位以降なら可能性は十分ある。前述のようにセンターやガードにコンバートする常套手段を考えればなおさらだ。

◆ クォーターバック

昨季2勝1分けを挙げたマット・フリンと1年契約し、昨季中盤に将来性を見せたスコット・トルジーンも残留しているため、例年よりかなり充実したデプスがある。30歳となったアーロン・ロジャースだが、「あと9年プレーしたい」と意欲を見せていて、後継QBの心配は数年後でよさそうだ。ロジャースが1巡指名されたのはファーヴが35歳のときだった。

とはいえ、マッカーシーHCは「QB4人が望ましい」と公言しているので、ドラフト下位かドラフト外で1人獲ってキャンプを迎えることになりそうだ。トルジーンの成長しだいではフリンが開幕ロースターに残れない可能性もある。

◆ ランニングバック/フルバック

2巡指名エディー・レイシーが新人王となり、本格パワーバックがパスオフェンスを助ける理想形が見えてきた。ジェームズ・スタークス(控えで平均5.5yds)とも再契約に成功。ドゥワン・ハリス(膝蓋腱のケガで昨季全休)と4巡指名ジョナサン・フランクリン(首/脳震盪)も帰ってくるので、デプスは十分あるといえる。キックオフリターナー経験のある選手なら下位指名するのは面白そうだが、3人枠に食い込むのは容易でない。

むしろフルバックの方が指名の可能性が高いように思われる。FBジョン・クーン(31歳)との再契約が安価な1年契約だったのは、世代交代を考えているからか、フルバックの存在価値がより下がってきた表れか。レイシーのパスプロがよいので、3rdダウンバックでのクーンの出番はさらに減るかもしれない。現状では有力な後継候補がいるわけではないので、下位指名して育てていく可能性は十分ある。

カテゴリ : Draft